第十九章・この後の話まとめ(無理矢理最終話)


【お知らせ】

 仕事が決まったは良いけど、早朝から夜遅くまで家から離れる状態で、休日も小説をしていられる状態ではないため、一時小説投稿をやめることにしました。

 本当は、会社近くに引っ越ししてから落ち着いたら小説投稿を復活させようかと思ってはいますが、それができるのが早くて四月以降になるため、強引に作品のストーリーを最後までまとめて記載して、強引に終了することにしました。なので、この後は、この作品のストーリーのあらすじとなります。あらすじなので、視点は神視点となり、語り部は和也ではなくなります。

【お知らせ終了】




   サブタイトル 兄弟のカタチ

 大樹家の本来の長男次郎の質問に、和弘と和也は全てを語った。その話を聞いて次郎は妹の礼子が寂しがっているようだと語る。何も言わないが、要所要所で和弘のことを気にすることがあるという。大樹家の両親も深く落ちこんでいるようで、いつもの元気がなく、礼子が無理に明るくして空回りしているようだと語った。次郎は、「僕としては和弘兄さんに戻ってきてほしいと思っています。僕にとって兄さんは兄さんですから」そう言って、和弘を見つめた。和弘は始め渋っていたが、雄子や実の母恵美子に説得されて、大樹家に戻った。戻った和弘に向かって礼子は、「何やってたのよお兄ちゃん、ちょっと手伝ってよ」と言って、和弘の手を引っ張って奥へと上がらせた。その時ぼそっと礼子がつぶやく「お互い様で良いよね」と。和弘はほくそ笑みながら「ああ、ありがとう」とつぶやいた。その姿を遠目に見つめた双山一家は静かに立ち去った。


   サブタイトル 雄子と母の涙

 双山一家と大樹一家の複雑な家族関係が近所に知れ渡ったある日、突然雄子たちの前に、雄子の実の母親と名乗る女が現れた。彼女は確かに雄子の実の母親であったのだが、飛行機事故の時に記憶喪失になっていて、ずっとアメリカの旦那のとこで暮らしていたらしい。最近になって日本のことを思い出し、雄子のことも思い出して迎えに来たという。

 雄子が赤子の時、夫であるアメリカ男性の元へ嫁ぐときに、雄子も連れて行こうとしていたが、資金的な問題やいろいろ噂のある男だったので、雄子を一時預けていったのだという。記憶も失い、雄子の預け先をアメリカ男性は知らなかったため、連絡もできずにいたという。彼女の身内は全員死別していたので、そっちに頼ることはできなかった。

 雄子は面食らっていたが、恵美子に説得される形でアメリカへと渡った。

 それから一ヶ月ほどして雄子は戻ってきた。一通の手紙と共に。雄子はアメリカでの弟や妹と仲良くしていたが、日に日に元気がなくなってきて、とうとうどっかのアニメのように夢遊病みたいになってしまったので、日本に帰すことにしたと手紙にあった。

 雄子が目に涙をためて恵美子に告げた。

「私、例えお母さんに嫌われても、ここが好きだから、私にとっての家族はここしかないから、戻りたい、このうちに帰りたい。私がいたら迷惑?」

 恵美子は涙を流して雄子を抱きしめて告げた。

「嫌いになんかなるはずないじゃない。あの日、あなたの実の母親が現れた日も、アメリカに行くことになったときも、本当はあなたをここに残したいと思っていた。誰にも渡したくないって思っていた。だってあなたは、私の大切に娘だから。戻ってきてくれてありがとう」

 そう言って、母娘一緒に号泣し続けた。


   サブタイトル 家族のカタチ

 双山家と大樹家の兄弟たちの前に、大樹家の祖父権蔵ごんぞうが現れた。それは、大樹太郎の父親であった。祖父権蔵には実は和弘が赤の他人の子供だったとは話していなかった。話せば絶対に反対されると思ったからだった。事実、祖父権蔵は大反対し、和弘を追い出した。ちょうど田舎から出てきていた双山恵美子の母美津代の説得にも応じなかった祖父権蔵だったが、大樹太郎の必死の懇願に心を動かされ、和弘が大樹家に戻ることを許した。


   サブタイトル 大樹太郎の贖罪

 大樹太郎の元に一人の男性が現れた。その男は、和弘たち兄弟たちがいる前で、かつて太郎に言われてある人物を事故に見せかけて殺したことを告げだした。その人物とは和弘と和也の実の父親である、双山和夫だった。

 その昔、大樹太郎は双山恵美子に恋をしていた。中学生の時にこの町に引っ越してきた恵美子に一目惚れしていた。何度も告白しょうとしていたが、素直になれずなかなか告白できないでいた。高校生になり和夫と花子とともに、恵美子と友人にまでなれたが、告白することはできないでいた。そうこうしているうちに、気が付けばいつの間にか和夫が彼女と恋仲になっていた。今は太郎の妻となっている花子とずっと恋仲であったのに、和夫は花子と別れて恵美子を選んだ。そんなこともあって当時はギクシャクしていたが、太郎が花子をささえていたり、恵美子とも仲が良かったので、高校を卒業する頃には仲直りして、いつか会えることを約束して別れた。

 だが、ずっと大樹太郎の心の中ではわだかまりがあった。そんな中大学卒業して仕事の関係でこっちに戻ったとき、和夫と恵美子が結婚していて、子供ができていたことに驚かされた。あれだけ高校の時いろいろあったのに、何事もなかったように幸せになっていたことが信じられなかった。このときには太郎と花子も結婚していたが、子作りするわけでもなく静かな生活を送っていた。

 太郎は、ちょっと和夫を驚かそうと思った。和弘と和也が産まれたあの日、太郎は今日ぐらいは高速道路を使うと言った和夫に、嘘の情報で高速道路が混んでいると言い、わざわざいつもの山越えの危険なルートを通るように指示を出し、先の男に、急カーブのところで和夫を驚かしてほしいと頼んだのだった。そして、あの事故は起こった・・・

 その告白を聞いて家族全員がショック死しそうだった。祖母と最近仲良くデートしている祖父が、とりあえず和弘は双山家に戻った方が良いというと、和弘が荷物をまとめて移動しだし、他の家族も無言でそれぞれの部屋やキッチンへと移動していった。

 半月ほどして、和弘が大樹家に戻ると言い出した。父を死なせたことは許せないし、それをずっと黙っていたことも許せないが、それでも今ではあの人はもう一人の父親なんだと言って。

 太郎の元へ和也たちと共に和弘が向かうと、太郎が再び土下座して謝ってきた。和弘はそんな太郎を立ち上がらせてから、顔面を殴った。それは父和夫の分。そして、母恵美子の分と和弘自身の分、そして信じていた花子と次郎と礼子の分も殴って、計六発殴ってから和弘は静かに語った。

「これで帳消しになるのかどうかはわからない、ただ、どんな謝罪や贖罪をしても父さんは戻れないし、母さんが受けたであろう悲しみが帳消しになるわけでもなければ、おふくろや次郎たちの感じた痛みがなかったことになるわけでもない。でも、父さんはきっと俺たち家族がバラバラになることを望まないんじゃないかと思う。そうだろ親父?」

 和弘はそう言って太郎に手を差し伸べた。太郎はいつにも増して涙をこらえながら和弘の手を取った。


 その後、太郎は自首すると言い出したが、恵美子がそれを止めた。

「太郎君が和弘を誘拐していったことも含めて、全て許します」

 そう言ってみせたので、和弘・和也・次郎・礼子・雄子達と、祖父祖母の七人全員が驚いて思わず声を上げた。

 実は、和弘は太郎が勝手に連れ去った、いわば誘拐したのだった。メモがあったので、恵美子は犯人が誰か知っていたが、ずっと咎めずにいたどころか、周囲にはあくまでも大樹家に養子にいったことにしていた。養子縁組の手続きは忘れてたと役所に嘘をついて、太郎達と再会した数年前に手続きを済ませたらしい。



《完》

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双子物語~家族のカタチ~ 虫塚新一 @htph8739mstk9614

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