No.3 微な希望


この建物。ある所には監視室がある。


テーブルの上にはマイクが置いてあり、周りにはいろいろな機器が点滅を繰り返している。


マイクの先には大小さまざまな形のボタンがあり、上にはいくつも均一な大きさのモニターが均一に並べてあった。


大人から子供、男性から女性までもがモニターに映し出されている。


そのテーブルの前にはタキシードを着た人間がイスに座り足を組んでいた。


湯気の立つ黒い液体を片手にモニターを見て笑みをこぼしていた。





どのくらい時間がたったのだろう。


俺はこの建物から抜け出すため、


幾度となく曲がり角や十字路を曲がっている。


もう最初の場所に戻るのは不可能に近いだろう。


(どんだけ広いんだよ!)


そう思いながら俺はまた曲がり角を曲がった。


そこには今までなかった脇道が見えていた。


曲がり角なら目の前は壁、


十字路なら四方向全てに通路がある。


だが今は右方向だけに通路がある。


遠くからでも分かった。


無駄な体力を消耗する為にはいかないので俺はそこまで、歩いて行った。


行ってみたところソレは通路ではなく目の前は壁だった。


壁にはQRコードらしき物と文字がつづられていた。


『パンはパンでも食べられないパンはな〜んだ?

三つ挙げよ』


俺の頭の中にはハテナでいっぱいだった。


(なんだこのふざけた問題は。。)


俺は考える間も無く、また男の声が響き渡った。


「この空間にはこんな問題がたくさんある」


「問題を解くごとに君がに近づくことが出来るであろう。」


「上のコードをみるがいい、それが全ての始まりであるだろう。」



問題の上にはQRコードがありそのコードを見つめることによりスキャンできる仕組みのようだ。


「コードを認証してください。」


いきなりのAiの声に少し驚いた。


(認証?)


「認証は見つめることにより実行できます。」


俺はAiの言う通りに問題の上にあるQRコードを数秒間、まばたきせずに見つめた。


「認証完了。

プログラム3A7Eによりシステム【ルール2】を一時的に解除しました。制限時間は30秒です。時間を過ぎた場合、又はその場を立ち去った場合、規則違反の対象と見なします。」



「スタート」



俺は戸惑いながらも問題に集中する事にした。


一つ目は王道だ。


「フライパン」


(となると後、残り二つ。)


俺は考えた。考えたんだ。


しかし、何一つ浮かびはしなかった。


「残り15秒です。」


焦れば焦るほど頭は真っ白になっていく。



(こんな大事な時に限ってなんで浮かんでこないんだよ!)


俺は目を閉じうつむくようにして考えた。


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【死面鏡】 KT @jKT

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