陽炎の家

作者 月浦影ノ介

30

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★★★ Excellent!!!

みちくさ怪談朗読で、いたく感動しました。
まず文章が素晴らしい。情景描写も映像がたちあがるようでした。
婦人の凛として生きる姿が、風鈴の音のように思えて、辛い心情の余韻のように響きました。
ちょうど盆で、終戦の日を前にして、この作品を知ることができて、感慨深いです。
私たちがいまあるのは、こうした史実からの延長で、戦争の背景にあるものは、未だに疵が残っていると思います。それを、伝えてくれている作品だと思います。
忘れてはいけない。
今、自分にもう一度言い聞かせた次第です。
素晴らしい作品に触れることができました。ありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

みちくささんの朗読を聞きながら再読しました。

死霊であっても息子さんが帰ってきてお母さんは穏やかでいられたんでしょうね。
息子が遠い南で死んだとなれば、苦しまずに死ねただろうか、苦しい思いをしたのではないだろうかと、死ぬまで折々に思いはせ、苦しまれたでしょう。
死霊の息子さんはお母さんの死をみとり、いっしょにあの世へいくのだと想像しても、切ないばかりです。
小説として書かれたものでしょうが、
お母さんは存命でおられるのか、亡くなられているのか……安らかでらっしゃることを願うばかりです。

感情移入しすぎてしまいます。

★★★ Excellent!!!

婦人の家に居た時の、あの静まり返った部屋での出来事……。

僅かな物音でさえ、読んでいて息を呑む様な描写でした。

夏が来る度に、あのヒグラシと陽炎のような体験を思い出すのでしょうね。

単純に怖い、だけではなく、あの頃の澄んだ人の思い、安らぐ光景が、あらゆる所に散りばめられた、悲しくも儚く、そして怖いお話でした。

勉強になりました。

★★★ Excellent!!!

YouTubeの怪談朗読 夢さんの朗読を聴き,このストーリーを知りました。
私の母方の叔父も16才で招集され「特攻隊」で戦死しています。私が子供の頃、祖父の家の仏壇に制服姿の若いお兄さんの写真を見て、母に「誰」と尋ねたところ「戦争で亡くなった叔父さん」だと教えてくれました。
台湾から出撃しフィリピンで亡くなった叔父は、出撃前に母や家族に台湾バナナや着物の生地を送って来てくれたそうです。
川嶋さんの息子さんが死霊となっても帰還したように私の叔父も家族の元に帰りたかっただろうなと。改めて思いました。
月浦さん哀しいけれど、良いストーリーありがとうございました。