挑論文

許されざる者

某お笑いコンテスト番組で出演者と審査員の軋轢が問題となっている。

平たく言えば番組終了後出演者達が打ち上げの席で、審査員の悪口をSNSにアップしてしまったのである。

内容は審査に『偏りがある』という愚痴で済まされる物から『バカ』だの『更年期』だの個人を攻撃するような物に渡っていた。

これをアップした者はかなり酒に酔っていたらしい。

只今絶賛炎上中。

『あいつはもう終わったな』

『女性蔑視だ』

『顔も見たくない』

『永遠に消えればいいのに』

ウ～ン、なぜ彼らはそこまで言われなきゃいけないんだろうか？

これを一般企業で考えてみる。

いくつかの企業で競合するコンペ。

その結果が本人の望んだ物ではなかった。

仲間みんなが集まって居酒屋で反省会・・の名を借りた愚痴大会。

酒の入った若者達が取引先の悪口大会を始めてしまう。

ここまでならどこにでもある事であろう。

その悪口が取引先の耳に入ってしまったら・・・？

取引先の機嫌はかなり悪くなるだろう。

取引自体縮小されるかも知れない。

いや、事態はそんな生易しいものじゃない。

取引先の悪口をSNSにアップしてしまったのだ。内々だけが見るものではなく、不特定多数の者が観るサイトに。

取引先の面目丸潰れなのである。

社会人20年もやってりゃ誰でも一度や二度は酒の席での失敗をやらかしてる。

軽い物から取り返しのつかない物まで。

会社の若手営業マンが取引先の部長クラス（それ以上？）の悪口を公の場で言ったのである。

会社として謝罪し無ければ済まされないだろう。普通の会社なら降格物である。

でもね・・・

クビになる程の物なのだろうか？

人生終わらせ無きゃならない程のものなのだろうか？

酒席での失敗である。

10年後には武勇伝として語られる程度の話ではないだろうか？

悪口を言われた方の女性も相手の誠意ある謝罪を受け入れ笑い話にしてあげる事が出来れば、さらに株が上がるのではないだろうか？

私が解せないのは一連のこの騒動を見て炎上させてる一般の人々なのである。

あなた達は彼（彼ら）に何か被害を受けたのですか？

あなた達は彼らを裁く権利があるのですか？

少なくとも許す、許さないを決めるのはあなた達では無いのではありませんか？

彼らは一体何に怒っているのだろう？