第12話 カナガワ地区大会、決勝!(下)

SECTOR-1:HIDEMI-1

最後のアタックをかけてきた涼川さんたち、そんな小細工が通用すると、思っているの?

----------

「サンダーショットのペースが上がっている?」


 ミニ四駆選手権カナガワ地区大会決勝、残りは一時間を切っている。コース上、十何台かマシンは残っているが、優勝争いは事実上、私たち《スクーデリア・ミッレ・ミリア》と、涼川さんたちの《すーぱーあゆみんミニ四チーム》に絞られた。交換用バッテリーの残りは十分にあるし、タイム差は5分、2周以上の距離をキープできている。もしペースをあげたとしても、残り時間を考えれば逆転されることは……まず、ない。ありえない。


「セクター2の通過タイム、全体ベスト更新されました」

「最高速も更新、プラス10キロです」

「そんなバカな!」


 私は手元のモニターを切り替えた。トリコロールの車体、さっきのピットでリヤウイングのフラップを取り払ったようだ。確かに空気抵抗が少なくなって最高速は伸びる。だがその分、タイヤに負担がかかる。ここまで走ってきて、表面の劣化や形の歪みなど相当のダメージがあるはず。そこまでして一時的にペースを上げて、どうするつもりなのか?


「サンダーショットがコントロールライン通過、セクター3も全体ベスト」

「アスチュートは?」

「いまヘアピンを通過して、スプーンに向かってます」


 全体ベストを更新したとはいえ、一周にすれば1秒にも満たないはず。この走りが最後まで続いたとしても、差は1分と詰まらないはず。それならばわざわざトラブルを招くようなことをするはずがない。

 ピットの外から、観客のざわめきが聞こえてくる。言葉にならない、低くくぐもった音の群れがうずをまいている。


 最後の逆転を期待しているのだろう。ここまで七時間走って、私たちは順調にレースをコントロールしている。ペナルティ覚悟で飛び出していったナイトレージは案の定自滅してくれたし、エアロサンダーショットとトップフォースEvo.は接触で後退。フレイムアスチュートだけは、いうなればレースらしいレースをせずにここまで来ている。観ている側からすると、こんなにもつまらないことはない。

 レースの醍醐味が、絡み合う戦略とコース上でのバトルにあることは私自身もわかっている。だけど私たちはエンターテインメントとしてレースをやってるんじゃない。とにかく勝つこと、勝ち続けること、それを最小の手数で、最短の時間で、そして最も安全な方法で手にいれなければならない。それが、《エンプレス》と呼ばれる者の務めだと思うから……。

 メインのモニターは、もはや《すーぱーあゆみんミニ四チーム》しか映していない。テキストの情報で、2台のタイム差が表示されている。


「これは……。」


 コースに3ヶ所もうけられたチェックポイントを通過するたびに1秒近く差を詰められている。単純に考えて、1周で3秒。どん、と胸の真ん中を撃ち抜かれたような衝撃が走った。


「アスチュートはどこ!」

「130Rを通過」

「くっ……!」


 エアロサンダーショットはスプーンカーブの立ち上がり。距離でいくとバックストレート1本。タイム差は5分を切っている。ペースが上がってから10秒近づかれたことになる。だけど見た目の距離の差とタイム差はリンクしていない。エアロサンダーショットは「2周遅れ」なのだ。その事を考えないといけない。

 ピットの前、メインストレートを走っていくフレイムアスチュート。そして、エアロサンダーショット。明らかに差は縮まっている。


「振りきれないの?」

「残りのバッテリーを考えると、ペースを上げたらゴールまで持ちません」

「でもサンダーショットはあんなペースで走ってるわ!」

「ですが赤井センパイ……」

「キャプテンと呼びなさい!」

「はい……」

「計算して。今の差をキープできる方法を」

「……わかりました」


 チームの後輩たちが慌てているのはわかる。そして計算したところで解もないことも。正解は今のペースを保って最後まで走りきることだ。

 頭を振って、まとわりつく気持ちを払おうとしてもかなわず、モニターを見上げる。S字から逆バンクを走るアスチュート。その背後に白い影が迫っている。いよいよ2台は同じ画面に映るまでになってきた。

 私はピット内に立っていららず、ピットウォールに走った。


「キャプテン?」

「代わって」

「いえ、《バーサス》への指示は直接キャプテンからは行わないとミーティングで」

「いまは緊急事態よ。ミーティングの内容はいったん忘れて」

「は……」


 席について、マシンのデータをチェックする。ここまでの時間、とにかく丁寧に戦略を組み立ててきた自信はある。タイヤ、モーター、シャーシ……ダメージの兆候はまったくない。むしろこうした緊急事態へのそなえとしてマシンをいたわってきた。今目の前にある状況を見過ごすわけにはいかない。


「アスチュート、ブロックラインで後続を抑えて。コーナーでは特に」

「Copy.」


 ほら、やればできるじゃない。臆病になっているチームのメンバーを心のなかで叱咤して、私はモニターを見つめる。サンダーショットの方が速いのはわかっている。勝負をかけてきたのだろう。だからこそ、ここをしのぎきれば大丈夫だ。スプーンカーブからバックストレート。


「キャプテン、エアロサンダーショットがすぐ後ろまで」

「わかってる! 私もモニターぐらい見ている!」

「了解」


 高速コーナーである130Rではやや距離があいた。まだ間隔はあるが、最速のラインをアスチュートがふさいだので、サンダーショットはほんの少しスピードを緩めて通過していく。しかしシケインで一気に差が縮まる。2台のマシンはいよいよもつれるようにして最終コーナーに姿を見せた。


「キャプテン! ここは!」

「絶対に前に出すな!」

「Once More(もう一度お願いします)」


 私の指示に、《バーサス》が聞いたことのない答えを返してきた。

 ストレート。フレイムアスチュートはレコードラインであるアウト側にマシンを寄せたが、エアロサンダーショットはきゅうくつなイン側を猛然と進み、並んだ。


「Once More」


 ここで前に出られたところで、2周のリードが僅かに削られるだけ。私たちの、《スクーデリア》のレースをしていれば勝てる。そんなことはわかっている。

 でも、涼川さんも、奏も、私も、レースが好きだ。レースで勝つことが叶えたい夢だ。

 そう信じた。


「インに切れ込んで絶対に前に出すな!」

「Negative」


 冷たい《バーサス》の声。同時に、フレイムアスチュートの何かが壊れた。リヤタイヤか、ホイールか、シャフトか。それともステーか、ローラーか。何が壊れたかはどうでもいい。

 コントロールを失い、4つのタイヤすべてから白い煙をあげながら、フレイムアスチュートはエアロサンダーショットのサイドに激突した。


「アスチュート!」


 エアロサンダーショットはコース上に残ったが、アスチュートは第一コーナーアウト側のサンドトラップ上に弾き飛ばされた。外れた右のリヤタイヤがマシンを追い越してタイヤバリアにまで跳んでゆき、左側もシャフトごとマシンから脱落した。

 耳障りな警告音がそこらじゅうから響き、モニターは赤い文字の警告メッセージで埋め尽くされた。赤いチームウェアが、さらに赤く照らされ、血のような濃い赤色に変わっていた。



SECTOR-2: AYUMI-1

あっけなく、実にあっけなく勝負はついた。これが、これがレースの現実だっていうの?

----------

「ああ……。」


 言葉もなかった。会長が立てた、《女帝》の動揺を誘う作戦。針先くらいの穴が少しずつ広がって、ついに山が崩れた。


「自分で戻れるかしら?」

「さすがに無理じゃない?」

「万事、休す」


 スタンドは静まり返っていた。あたしたちのピットも同じだった。フレイムアスチュートには、外からじゃ見えないダメージが貯まっていたんだろう。それが、一コーナーのブロックで一気に吹き出した。

 サンドトラップに捕まったまま動けない赤いマシン。残ったフロントタイヤが回るけど、白い砂が巻き上げられるだけでマシンは進まない。


「涼川さん」


 会長の声に、あたしはわれにかえった。そうだ、あたしたちのレースはまだ残ってる。


「ピットインしましょう。追加したカウルが、もうボロボロ」

「もう、取っちゃいましょうか」

「取っちゃう?」

「そうです。最後は、そのままのエアロサンダーショットでゴールします」

「そうね、それがいいわね」


 8時間近く、クラッシュやトラブルから守ってくれた《フルカウラー》パーツ。本当はエアロ効果を狙ってたんだけど、これがなかったらあたしたちもここまで走り続けていられなかったかもしれない。

 サイレンが鳴って、エアロサンダーショットがピットロードに現れる。


「せーの!」

「よいしょ!」


 クリアボディから切り出したカウルには無数の亀裂が入っていて、力に任せてひっぺがすしかない。後は会長が取り外したリヤウイングを戻す。バッテリーは交換したし、ホイールの緩みもない。


「よーし、後は、最後まで走ってこい!」

「Copy.」


 タイヤがむき出しのスタイルに戻ったサンダーショットがピットを後にしてコースへ戻る。

 一コーナー、タイヤバリアの奥には、止まったままのフレイムアスチュートが見える。ピットまで戻れれば修理してレースを続けることもできるけど、完全に止まってしまったらリタイヤとして扱われる。

 あれだけレースを支配していたのに。最後はあたしたちとの接近戦になるって思ってたけど。会長もここまでのことを予想してたんだろうか。

 あと30分。エアロサンダーショットのペースはかなり抑えている。2位のショウナンナンバーズ、トップフォースEvo.までは10周の差がある。


「あとは、エアロサンダーショットにもトラブルが起きないことを願うしかないわね」


 会長がかけてくれた言葉に、あたしは素直にうなずけなかった。何故かはわからないけど、もう何も起こらないという確信があたしの中にあった。見慣れたスタイルに戻ったサンダーショットの姿からは、波乱のニオイはもうしない。そうなら、あたしがするべきこと、しなくちゃいけないことが別にあるはず。あたしたちの勝ちの、その向こう側にあるもの。あたしが叶えたい望み。それは……。


「会長、ごめんなさい。あたし、行ってきます」

「行くって、まだレース中よ? あと少しでゴールだっていうのに」

「ええ。わかってます。だから、行かなくちゃならないんです」

「ひょっとして秀実のところ? やめときなさい、今は……」

「いえ、違います」

「じゃあ、どこに」

「レースを仕切ってる、《財団》の人たちのいるところ、コントロールタワーです!」

「えぇっ!?」

「じゃ、そういうことで。チェッカーまでには戻ります!」

「あっ、涼川さん!」


 あたしはピットの奥からロビーを目指す。


「あゆみちゃん!」

「あゆみ!」

「……あゆみ?」


 事情のわからないルナちゃんと早乙女ズが、疑いの目であたしを見る。


「ごめん、あたし、最後にやらなくちゃいけないことがあるんだ、ごめんね!」


 あたしはそう残して、ロビーに出るドアを開けた……!



SECTOR-3 KANADE-1

私たちが結束した理由。それを信じるために、今は私達がこの場を守る。それが私たちの役目。

----------

 レースも残りわずか。

 そんなタイミングでチームのリーダーがピットを離れる、コントロールタワーに行くなんてありえない。あるとするなら、主催者への抗議ぐらいしか考えられない。でも私たちはトップに立ったし、アンフェアなことはしてもいないし、されてもいない。


「会長、あゆみちゃん、何か言ってたんですか?」


 ルナが心配そうにピットウォールまでやってきた。その奥、最後のピットを終えて放心しきったたくみとたまおも不満、というよりは不安な顔をしている。


「うーん、やらなくちゃならないことがある、って言ってた。行き先はコントロールタワーだけど」

「何か、アピールでもするつもりなんでしょうか?」

「さあ? でも、チェッカーまでには戻ってくるって」

「そうですか。じゃあ、安心ですね」

「安心?」


 ルナが口にした言葉は、おおよそ今にふさわしくないあったかい響きを持っていて、私は全身が震えた。


「《すーぱーあゆみんミニ四チーム》は、あゆみちゃんを信じて集まったチームでしょう?」

「……そうね」

「だから、いまはあのコのことを信じて、何が起きるかを楽しみに待っていましょうよ、会長」

「そっか……。ルナの言うとおりね」


 コースを映すモニターに目をやる。慎重に走るエアロサンダーショット。10周差の2位がトップフォースEvo.。3位には、終盤にきてペースを取り戻したナイトレージJr.が上がってきていた。でもトップフォースEvo.までは5周くらいの差がついている。ピットに入ったまま動けないのは小田原さんたちのベアホーク。そして、一コーナーでリタイヤしたフレイムアスチュート。それ以外にも半分近いマシンがリタイヤか、トラブルで動けなくなっている。

 秀美に対して、特別な思いは今はまだ浮かんでこない。まだレースは終わってないし、勝ったとはまだ言い切れない。せめて最後まで走って、チェッカーを受けて欲しかったけど……。


《あーあー》


 その時、コースじゅうに声が響いた。《バーサス》内だけではない、会場全体に本物の声が響いている。


《聞こえますか? あたしは、ヨコハマのトゥインクル学園の涼川あゆみです。「すーぱーあゆみんミニ四チーム」のリーダーもやってます》


「あゆみちゃん!?」


 ルナがすっとんきょうな声をあげる。

 会場全体がザワザワと大きなうねりを伴った波に包まれ始めた。

 涼川さんが、いよいよ何かを始めたようだ。

 私は席についたまま目をとじて、涼川さんの言葉に耳を傾けた。




SECTOR-4 AYUMI-2

すべての人に、ミニ四駆を愛するすべての人に、いまはこのことを伝えたい。伝えなければレースは終わらない!

----------

「いま、この場にいる皆さん。本当にお疲れ様です。レースに参加している皆さん、スタンドで見ている皆さん、運営に携わっている皆さん、本当に、本当にお疲れ様です。

 ミニ四駆で8時間もの耐久レースをやるなんて、最初聞いたときは、どうなっちゃうか想像できなかったけど、あともう少し……20分くらいで終わりになります。

 どういうわけか、あたしたちのチームが先頭を走っていて、2位のチームともけっこう差が開いちゃって……嬉しいけどこれでいいのかなって思ってます。

 レースのいいところは、他のスポーツみたいに勝った、負けたってことだけじゃなくて、最後まで走りきれれば、チェッカーフラッグを受けられれば順位がつくってところだと思ってます。

 でもマシンを、機械を使うから、壊れちゃうこともあって、トラブルでリタイヤしちゃうっていうのはどうしても避けられない

 、逃げられない運命がついてまわるのは、レースの残酷な部分だなって思ってます。

 でも、それに流されたくない。あたしは、これだけの時間を一緒に過ごしてきたみんなに、最後は笑ってもらいたい、そう思いました。

 トップを走ってるからこういうことが言えるんだろ、っていうのは本当にその通り、でもあたしの心が、こうしろって言って止まらないんです。

 いま走ってるチームの皆さんにお願いです。予備のパーツを使ってしまって、ピットから出られないチームがいくつかあります。もし、もう使わないパーツがあれば、何とか貸してあげてください。足りないものがあるチームは、声をあげてください。

 あとコース上でリタイヤしてるチームの皆さん。いま《財団》の人にお願いしました。順位はリタイヤのままですが、マシンをピットまで強制的に移動させます。パーツを交換して、コースに出てきてください。

 こうすれば、最後、みんなでチェッカーを受けられるかなって。

 ごめんなさい、本当にあたしのワガママで。でもやらないと絶対後悔するって思ったから……」


 あたしは、それ以上言葉を続けられなかった。

 コントロールタワーに駆け込んで、《財団》のひとに無理矢理お願いして、無線の全チャンネルを開放してもらって、みんなに呼びかけた。こたえてくれるか、そっぽ向かれるかはわからない。でも、伝えたいことだったから、後悔はない。

 しばらくの、永遠にも感じる静けさ。


「あの!」

 声が上がった。

「チーム・メリーゴーランド、キャプテンの小田原です! わたしたち、60ミリのシャフト、マトモなのがもうありません!どなたかお願いします!」


 ゆのちゃん……。

 ありがとう。あたしたちのパーツを使って、といいかけたところで、


「ん? スペアならあるよ? ショウナンナンバーズまで取りに来な!」

「ありがとうございます!」


「あっ、レジーナレーシングには両軸のパーツがまだあるわよー!」


 藤沢さんのぶっきらぼうな答え。それを切っ掛けに、あちこちから声が上がり、ピットエリアは大混乱。でもその人だかりをかき分けるように、1台、また1台とマシンがピットアウトしていく。その中に、赤いマシン、フレイムアスチュートもあった。


「みなさん、ありがとうございました」


 あたしは深く頭を下げて部屋を出た。運営スタッフの何人かは、まだ大きく口を開けたままだったけど。



SECTOR-5 AYUMI-3

エンプレス、本当はあなたと最後まで、今度こそ最後まで戦いたかった。けど……。

----------

 駆け足でロビーへ戻り、ピットへと急ぐ。


「涼川さん」


 声が響いた。あたしと、声の主以外には誰もいない。つい数時間……8時間前にも同じ光景がここにあった。


「赤井さん、その……」

「ありがとう」

「え?」

「私たちに、チェッカーを受けるチャンスをくれて」

「え、あ、いやそんな」


 エンプレスの、吹っ切れた笑顔、初めて見る中学三年生にふさわしい笑顔が、いま見るにはつらかった。


「あなたに、《本当の絶望を見せる》って言ったけど、あの言葉は取り消させてもらうわ」

「取り消す?」

「あなたには、絶望なんて言葉は似合わない。いえ、たとえそれが絶望だったとしても、あなたはそれを理解できないんだと思う」

「理解できない、ってあたしがバカだ、っていうんですか!?」

「そうね、バカかもね。それも超がつくくらいの」

「むー!?」

「ミニ四駆バカ、もしくはレースバカ」

「えっ……」


 赤井さんはあたしの隣に立って、肩を叩いた。


「私には《絶望》だとしても、あなたはそこから《希望》を、《ワン・チャンス》を見つけてしまう」

「そんな……ただ、あたしは、少しでも長く、少しでも多くの友だち……仲間と、今の時間を味わってたかったから……」

「そう、それがあなたのいいところよ。その気持ち、忘れないで。さあ、いきましょう。チェッカーがあなたを待ってるわ」

「はい!」


 ピットに戻ると、ルナちゃんに抱きすくめられた。たまおは黙って立っていた。でもほっぺたが真っ赤になっていた。たくみは、腕組みして天井を見てたけど、脚が震えていた。


「遅かったじゃない」


 会長が、メガネの奥で目を赤くしながら、ピットウォールのあたしのイスを引いてくれた。


 時計が、21時を指す。

 130Rを立ち上がって、シケイン。最終コーナーを立ち上がって、チェッカーフラッグがエアロサンダーショットの上に輝いた。

 と、急にインカムにノイズが入る。


「何?」

「聞こえる?」

「誰かしゃべってる? 会長?」

「私じゃないわよ」


 ふたりで首をかしげてると、ルナちゃんが駆け寄ってきた。


「あゆみちゃん、これ、メッセージよ」

「メッセージ? 誰からの?」

「サンダーショットからの」



SECTOR-6 <VS>-1

AERO THUNDER SHOT Has Completed Its Mission.


 …Awesome..Awesome girls…

 …Great job, Great pit work, Great strategy…

 …Congratulations for brilliant team…

 …You are real “SUPER Ayuming”…



SECTOR-FINAL:CLASSIFICATION(AFTER 8 Hours)

 P1 #30 Super Ayuming Mini4 Team (Yokohama)

 P2 #4 Syonan Numbers (Syonan)

 P3 #13 REGINA Racing (Kawasaki)

 —

 P18 #8 Team Merry-go-round (Hakone)

 —

 R #1 Scudeira Mille Miglia (Yokohama)


 VIRTUAL CIRCUIT STREAMER: <VS>


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

第3世代ミニ四ガールズ 1ちゃんす! にへいじゅんいち @1chance_mini4wd

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ