「あなた」に必死に語りかける語り手の健気さが、涙を誘います。そして、語り手の正体が判明した後に、私は罪悪感を抱きました。読後には「私」のことに思いを馳せる一編です。
主人公?に呼びかけられます。なんというか、不思議な気分。悪くない。今も呼びかけられているかもしれません。
なるほど!と何かを創作する者なら思わず膝を打つであろう、そのアイデアに脱帽です。私にもあります、この手の別れと言いますか、思い出せないあの人のことと言いますか。きっと、これを読んでる皆さんにも同じ経験があるのでは?答えはこのお話の中にありますよ。そしてどうか、今大切にしている「その人」のこと、どうか忘れないであげて下さいね。