大きな戦争で傷ついた心を持つ青年アルフ。心を病み、家族との関わりに苦しむ彼を救うのが、紙花職人のウォークスだ。アルフの嘆きから始まる物語は、切なくも美しく、心に沁みる。ウォークスが何者なのかという謎も垣間見え、ページをめくる手が止まらなくなる。美しい文章で描かれる世界は、モノクロからカラーへと変化していくよう。プロローグの意味と二人の結末がどう描かれていくのか。先が楽しみで仕方ない。
冒頭から数話、戦争でのトラウマ体験に多くのページが割かれているため、主人公の心が歪んでいく様子と、いまも残っている傷に、非常にリアリティがあります。それゆえ、ヒロインに急速に心の癒しを求める感じが、切実です。読み進めるごとに、プロローグにある主人公の絶望が心配になってきます。どうなっていくのか、続きをお待ちしています。