リーダビリティってなーに?
可読性のこと。
可読性ってのは、要は読みやすさのことを言う。
僕ら創作家は常に気を付けておかなければいけないものだ。
読みやすい文章を書く上で最初に気を付けるべきことは、とにかく日本語が書けているかどうか。『てにをは』問題は最初にクリアすべき課題。
次に文章を『小説の文章』にすること。引き込まれる文章ってやつだね。
それに読点使いも割と重要。読点って要は呼吸のタイミングなんだよね。朗読を、するときに、どこで、息継ぎを、するかが、この読点で、決まるから、読点の、無駄撃ちは、可読性を、一気に、下げるよ。
——ね?
で、この辺りの基本が出来てから思うのは、
『引き込まれる文章=可読性の高い文章』
なのか? と言うこと。
概ね間違いはないと思うよ。実際僕も今までそうだと思ってたし。でも、引き込まれる文章って実は作者と読者の感性が近しくないと存在出来ない曖昧な定義なんだよね。さっきの息継ぎの話もだけど、作者と読者の息継ぎのタイミングが同じか違うかでも引き込まれるかどうかは変わってくるし。
文章を読むことが好きな人にとっては『濃厚で味わい深い』文章でも、物語を読むことが好きな人にとっては『くどくて紛らわしい』文章になってしまうのかも知れない。
文章を読むことが好きな人たちの中でも、暗喩の連続みたいな文章は好き嫌いが分かれると思うんだよね。
つまり現状
『引き込まれる文章≒可読性の高い文章』
と言う感じになってます自分の中では。
じゃあ可読性の高い文章ってなーに?
と、ここからやっと本題。
僕が思う可読性の高い文章は、無駄な描写が一切ないスマートな文章だと思う。伝えたいことを明瞭簡潔に届ける。(ただ伝わらなければいけないので、本当に必要最低限の描写は必要)
また、重要な設定などはキャラのセリフを通して届けるなどしてより強く印象付けるなどの工夫も、可読性を高めるのに必要なことだと思う。
読者はすべての言葉を一言一句覚えているわけではない。必ず見落としたり忘れてしまったりと言うことが発生する。
実はこの読み手の忘却こそが可読性を下げる原因の一つになるのではないかと考える。(あ、なにもこれは読者を責めてるわけじゃあないですよ)
「あれ? こいつってどういうキャラだっけ?」
「およ? こんな設定あったっけ?」
などなど……これがあとで読み返せばいいかと言うレベルのものだったらいいんだけど、そこがわからないと読み進められないって言うレベルだともう読み返す以外に方法がない。
そうすると文章を一直線に読むことが出来ない。進んで戻って飛んでを繰り返したら、そりゃ読み辛いよね。
そう言うところも併せて考えると、ただ読みやすければいいというものでもないのがわかる。
やさしくて誰が読んでも誤解なく読み解ける文章だったとしても、読者の頭の中にキーとなる設定やキャラクターや伏線を刻み込めなければ、それは可読性の高い文章とは言えない。
まとめると、『描写が明瞭簡潔で、重要なワードは読者の記憶に刻み込める仕掛けが作られていて、読者が最初から最後まで一直線に読める文章』が可読性の高い文章だと言える。
いや、そんな文章誰が書けるんだ。ってなる前に、実はもう僕はそう言う作品に出会っていたことを思い出していた。
それが、『魔王の棲家~天才魔術師と老いた英雄達の物語~』だ。
作品はこちらから➡https://kakuyomu.jp/works/1177354054888663292
この作品の作者の飛鳥休暇さんは僕との会話(コメントのやりとり)の中で
「僕は描写力がないので」
と言っていたのだが、それは違う。
本人も気付いていないが、単純に無駄な描写がないからないと感じるだけで、描写力自体はある。でなければ読めない。いやマジで。描写力のない作品は読めないよ。
そして、この作品は物凄く伏線が多い。その伏線を読者がいちいち覚えていられるのは、覚えさせるための仕掛けが伏線と一緒に張り巡らされているからだ。だから読み返したりする必要がまったくない。
これにより一直線の文章が生まれる。
まさに僕が考える『可読性の高い文章』がこれなわけだ。
気になる方はぜひ魔王の棲家(通称まおすみ)を読んでみて欲しい。
あ、もちろんこれは私論なので、「君は可読性を勘違いしている!」と言う人はいると思うけど……まあいいじゃん。
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