反省は薬で、自惚れは栄養
よく反省はいいことで、
自作を見返したときに「僕はやっぱりすごいな」と思うことが時々ある。いや、度々ある。これが自惚れである。
フォロワーさんのうちのほとんどの人が見たことがあるだろう。私が自惚れている瞬間を。TLに流れてくる自画自賛の呟きを。
まあ、ぶっちゃけ気持ち悪いと思われてもいいし、それが正常な反応と言えば反応だ。
でもこの気持ちの悪い自惚れがないと、僕は創作を続けられない。
逆に「あー、欠点だらけだな。誰がこれを面白いって言うんだろう」と思いながら書いている人がいるなら——それはそれで凄いことだが、向いてないんじゃねえかと思う。
もちろん僕だって「あー、なにこれ面白いの?」「これ書いたの誰? 馬鹿じゃねえの?」って自作に問うときはある。だってストーリーラインも散らかってるし、描写だった浮いてることもある。しっくり来てないなって思うことは時々ある。いや、度々ある。これが反省である。
僕は自惚れるし反省する。
自惚れがなければ書き続けることは出来ないし、反省がなければクオリティの向上はあり得ない。
そしてその比率は、人によって違っていいと思う。
自惚れ:反省=5:5である必要はない。9:1だっていいと思う。逆は辛そうだけど、まあなしじゃあない。
公募に落ちたときなんかによくかけられる言葉が「反省を活かして次頑張りましょう」だったりする。
そういうときまだ全然反省すべき点とか見えてないので、「え?」ってなるのは僕だけだろうか?
いや、労いの言葉だって言うのはわかっているんだけど、ね。労ってくれる人は好きだし、やさしい言葉はたくさんかけられたいので、それはもう大歓迎なんだけど。ただ、「え? みんなこんなハイスピードで反省出来るもんなの!?」って驚嘆する。
ぶっちゃけると、自作の反省点が明確に見えてくるのは、半年後だったりする。(なげえよ)
なんでかって言うと、その頃には自分の実力が向上しているから。「ここがダメ」「あれがダメ」と言うのが嫌でも目に付く。そして新たな伏線の張り方なんかも習得していたり、場面の見せ方も増えていたりする。また、作品(或いはその作品を書いた自分)に対する愛情が薄れてきているので、大幅カットも簡単に出来る。そのときにがっつり反省して大改稿した方が自分のためになる。落ちた瞬間は絶望しかないので、なにかもが悪く見えてしまうと思うし、なにしろ作品を見ていることそれ自体が辛い。
答えの出ない「なんでダメだったんだろう」を延々自分に問い続ける無為な時間が過ぎるばかりである。
ああ、だから、うん。この際だからはっきり言う。落ちた直後は現実なんて見なくていい。僕がそうだから。時間を無駄にしたくないなら、落ちた作品を反省するより先に書きたいものを書くこと。
あ? 今、「反省しないとまた同じミスで駄作が出来るんじゃない?」って言ったな? ブラウザの前で言ったな? 嘘です喧嘩売ってごめんなさい。言ってもいいです。嫌いにならないで。
……まあほんとに、反省は重要だからした方がいいんだけど、それは今じゃないでしょってこと。冷静に判断出来るときじゃあないと正確な反省が出来ないし、落ちた作品しか書けない実力の自分がいくら反省したところで的外れな反省になるだろうってこと。
それに新作を書きだすときって、絶対調べ物やらなんやらするでしょ? そういうときに新しい技法を覚えたりとか、伏線の張り方見つけたりとかするじゃん。
僕が『とにかく書くこと』に固執しているのは、書くときに書くための学習を必ずするから。
勉強は必要なんだけど、勉強だけをしても意味がない。それを実践で活かさなきゃ。だったら同時並行で作品立ちあげながらやった方が効率いいじゃん。
あれだ。テスト勉強の方が頭に入るじゃん。あれはテストで答えるために学習しているから——つまり目的があるから覚えやすいし、必死になれるってことなんだと思う。テスト勉強はまともにやったことないから知らんけど。
話は元に戻るんだけど、書くためにはやっぱり自惚れが必要。栄養たくさん取ってとにかく書きまくって。だから落選したりけなされたりしても無理に反省する必要はナッシング。ダンシング。踊ろうぜ。
反省は、すべきタイミングが訪れれば勝手にするもんだよ。医者が薬を処方するみたいな感じで。
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