盈盈一水の猪口齢糖


如月に浮かぶ天の川


夜空には焦げ茶色が流れる


会えないわけではないけれど


会う条件が揃わない


生憎の悪天候でごめんなさいね


家の中も嵐なの


あと少し


もう少し


待っててください


いつかちゃんと届けましょう


それまでは照れ隠しの愛で許してね


夜は冷えて切なくなるの


貴方もそうでしょうか


会いに行けたら体温を分けてあげられるのに


無力な自分を呪うことしか出来ません


行動に移すだけの勇気と時間をくださいな


巣立ちをしたい気分だわ


鳥籠が息苦しくって敵わない


飛んでいけたらいいんだろうな


逃げ出してしまえたらいいんだろうな


あと少しが長過ぎて


堪え性の無い私には辛すぎる


ごめんなさい


あと少し


ビターチョコよりも苦い味が口に広がった


そんなとき


貴方から貰った角砂糖を一口食べた


甘さが広がる


ほっと一息


心がとてもあたたかくなった


ちゃんとお返しはしますから


今はもう少し待ってて欲しい


ちゃんとこの気持ちを伝えられるように


いつかきっと会いましょう

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

粒粒辛苦 東雲 彼方 @Kanata-S317

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ