地獄の始まり

真っ白な部屋に男女が横たわっている。二人は静かに寝息を立てていた。部屋にはスピーカーが一つ取り付けられている以外何も無い。壁や床は汚れ一つなく、照明器具が見当たらないのにやけに明るい。突然、スピーカーから男の声が聞こえてきた。 ハナノ リン

「起きてください!花野凛さん。

オオヤマ シュウスケ

そして、大山修介さん」

 男にしては高い声が、うるさいほど部屋中に響き渡った。凛と修介は瞼をあけ、体を起き上がらせる。二人は戸惑った様子で辺りを見渡し、やっと異変に気がついた。

「おはようございます。花野凛さん、大山修介さん。私の名前は『司会者』です。よろしく」

「は?ふざけんな!どこだよここ!家に帰らせろ」

 修介が声を上げると凛も声を上げた。

「そうよ!私たちをこんなところに連れてきてどうするつもり」

 二人とも凄い剣幕でスピーカーを睨みつける。

「花野凛さん、いい質問をしてくれました。どうしてあなた方がこんなところにいるかと言うと、『復讐』です。どこかの誰かさんが噂のサイト、カップルゲームに名前を入力しました。よってあなた方は、これから復讐を受けてもらいます」

 凛と修介が口を挟む暇もなく、司会者はまた、話し出した。

「ルール説明をさせていただきます。まず、わたしが出す試練を乗り越えてください。無事、全て乗り越えれば、ここから出してあげましょう。ただし、棄権は許されません。どうしても棄権したいと言うならば、考えてあげますが、もし棄権が認められればペナルティが課せられます。さぁ、話はこれぐらいにして、早速始めましょう。」

「おい!ちょっと待てよ。俺らも色々聞きたいことが」

 修介がそこまで話したところで、司会者に遮られてしまった。

「ゲーム、スタート」

 始まりの合図が部屋中に響き渡った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カップルゲーム @-koukou-

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ