死ぬほど好きじゃダメですか?

市橋みなと

第1話

初めてのキスはお酒とたばこの味がした。


苦くて切ない大人の味。でもほんのりと甘く刺激される。幸せをかみしめる。


初めてもこれからもずっと君とがいい。


私の全部をあげる。誰よりも愛してる。


この瞬間が続けばいいのに_______。


けど、現実はそう甘くなかった。






2018年1月1日 元旦



私は、双葉のぞみ。地方に住みで、アニメとアイドルが好きなごく普通の高校1年生。


目を覚ますと私は作業にとりかかった。本来、お正月とはゆっくり過ごすものだと我ながらそう思う。しかし私には一緒に過ごす人がいない。

だから...と言うつもりはないが、今日も今日とてネットを見ている。主にTwitter。先日、新垢を作った。FFを増やそうと思い、いわゆる “お友達探し” のタグを流した。反応をしてくれた人たちをフォローする。そんな作業の繰り返し。

少し飽きを感じてきたところで元のアカウントに戻る。仲のいい子にリプライを送り、他愛もない会話をして楽しむ。そんな日々に私は満足していた。


友達関係で言えば、リアルに友達がいないわけではない。とは言えども、私にはネットの環境の方が適合するようで、ネットの世界での方が交友関係は広い。


だからと言って何か困るようなことは何もないんたが。


友人関係など一瞬の出来事で壊れることなんてよくある。ネットでもリアルでも。少なくとも私はそう考える。


だから私はリアルでは特に必要以上に他人に干渉しない人生を送ってきた。今までずっと。


それが一番楽だから。


...なのに、こんな風に適当に生きてるだけじゃダメなんだって君に気付かされた。


適当に生きることで私は目の前の幸せも逃してしまうなんて。





数日後



あ、通知来てる?誰だろう〜


「はじめましてこんにちは!フォローありがとうございます!」


ああリプか。


「フォロバありがとうございます!よければ呼びタメなりたいです〜!」


FFさんとは早いうちに呼びタメになっておいた方がいい。後になるとタイミング逃しちゃうからね。絡みやすそうな人だなあ。


そう。これが後に大切な彼となる人との最初の会話。そして第一印象。まあ普通そんなもんでしょ。



そこから私は彼と絡むようになった。


絡みを重ねてついにLINEを交換して通話する仲になった。


初めての通話、緊張したけど結構話せた。声も好きで、この時から彼を好きになった。声だけじゃない。決定的な一言はこれ、


「地方住みなんかぁ〜、いつか絶対会いに行くね!」


今まで絡んできた人で、“ 会いたい ” と話してた人はたくさんいたけど “ 会いに行く ” と言ってくれる人はいなくて、すごくすごく嬉しかった。それで好きになってしまった。


もちろんこれだけではない。優しいところも拗ねるところも、全部がかわいくて好きだった。毎日話すのが楽しくて楽しくて。






2018.02.14



この日、私は生まれて初めて告白をした。今まで告白されたことはあったが、自分からしたことはなかった。


今まで告白してくれた子たちはこんな気持ちだったんだなあ...ってようやく理解した。


すごく緊張した。たぶん今までの人生でいちばん緊張したんじゃないかな。笑


ドキドキしながら返事を待つ。この時間もまたすごく幸せだったなあ。


それで結果はオーケー。


本当に嬉しくて、嬉しくて。大好きでたまらなかった。死ぬほど愛おしかった。


私を選んだことを後悔させないようにがんばろうって思えた。


今の私は昔の私とは違う。


他人に干渉せず、我が道を進むあの頃とはまるで違う。ああ変わったんだ私、彼が変えてくれたんだね。


元カレにもこんな感情を抱いたことはない。


初めて本気になった人だから。絶対誰にも渡すもんか、って思った。




こうして私たちの物語が始まったのだった。

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死ぬほど好きじゃダメですか? 市橋みなと @minato_xx

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