昔々……というほどではない昔。ひとりの超絶美少年がおりました。
ひと目見ただけでその面影が胸に焼きつき離れない、誰もが彼に恋してしまう、そんな存在でありました。
そして月日は流れ。すこやかに年経た彼は、儚げな美少年の面影をきれいさっぱり脱ぎ捨て、立派なおじさんとなったのです。
その潔く元・美少年な鷹史さんと、彼が引き取り育てている親友の忘れ形見の現役美少年・忍くんを中心とした、「かがり町」が舞台のほっこり優しい物語。
とにかくイケメン好きならここに住め! なイケメンオンパレード♪
大人も若者もバラエティ豊かな美形がいっぱい。ここではニャンコたちだってイケメンです。猫自治体まであるのです。
作者さまはおじさんになった鷹史さんに「美」の形容を出し渋っていますが、きっと今でもイケメンなのだと思います。
そのように読者が妄想……もとい想像して楽しめるほど、誰もが豊かな個性を持っています。外見だけでなく内面まで、ひとりひとりが煌めく個性を与えられて大切に送り出されているのが伝わってきます。それがこの作品のあたたかさと優しさを生み出しているのでしょう。
ただし、優しい人たちに油断していると不穏さがちらつき、楽しい会話に笑っていると美しくも妖しい詩や言い伝えにゾクッとさせられる……そこに何かが隠れてる……そんな多層の深みを備えた物語でもあります。
ぜひこの、可愛くていくつもの味を楽しめるキャンディアソートのようなお話を(そして美味しそうな和食を!)、ゆっくりとご堪能ください。おススメです!
次点、かがり町高校2年A組の黒板になりたい……
そして、美形(現役、あるいは、セピア色の元美形)なのになんともいえず残念な男たちのやりとりを、そっと、邪魔することなく、見まもり続けたい。
さらっとした語り口だけど、もの足りなくないのは、絶妙な会話と北極ポッケ様の言葉選びの妙にあるのかも。それから、ごほうび的な小ネタも忘れちゃいけないな。(今の私は、遅ればせながらイースター「たまご」探しに夢中)
ファンの方々とポッケ様のコメントでのやりとりも濃厚なのにほのぼのと楽しく、一話一話コメント欄までじっくりと読みいってしまいます。自信をもって「尊い」と言える一作。
最初は、いわゆるBL小説なんだと思ってました。
読み始めたとき、確かジャンル「恋愛」だったし、タグもBLだし。
でも、なんか違いました。いや違わないけど。これ、私が知ってるBLと違う!
なんでしょう、可愛い少年たちやおっさんたちがたくさん出てくるんですけど、あまりに笑いのツボが独特+強烈すぎて、そっちに意識持っていかれてしまって。何度PC画面前で「ブフッ!?」と吹き出してしまったかわかりません。(※脚色なしの真面目な話です)
特に主人公のひとり(ヒロイン?)「昔は超美少年だった」らしい鷹史さんには、もうツッコミしか思い浮かばないという。(中年は中年で、それはもう愛らしい方なのですが)お笑い要素満載でしょ、このお方…!
それに猫!あまりに可愛い猫さんたちにいやされて、気がつくとトロ目で拝読している自分がいます。
たぶんこれ、(一般的な)BLジャンルじゃない。ジャンル「かがり町」、タグ「かがり町」。これがいちばんしっくりきます。(「かがり町」=破壊的お笑い要素を兼ね備えたほのぼのご近所BLの意)
気がつくと、町の住人たちの面白不思議な魅力にどっぷりとハマってる。個性豊かなご近所住人の素敵なメンズと猫さんたちに囲まれて、いちどハマれば抜け出せなくなる「かがり町」ワールドへ、ぜひ一度お越しくださいませ~!🐱🐈
とても暖かな描写が多くあり、読んでいると自然と心が温かくなるようなストーリーとなっています。どこかの街に実際にありそうなリアリティのある雰囲気も感じられて、すぐに世界観に馴染める表現が凄い!魅力的な登場人物たちと彼らを取り巻く環境や日々の日常を、電柱柱の陰から見守っているような感覚すら覚えました。
BLとありますが、BL表現が苦手という方でも、すんなりと物語に入り込めると思います。それはひとえに、作者様の巧みな心情描写や情景描写のなせる技だと思います。夕暮れ時のあたたかな空気感が、どこまでも透明で素直で、読めばきっと心が温かくなるはず。
あと、猫好きな方は「かがり町」に住んでいる猫ちゃんたちに癒されること間違いなしです!!