いきなり作品と無関係なんですが、個人的に未完結(連載中)の作品には星2つまでしかつけないってルールをですね。決めてたんですよ。
でも、この作品、完結の暁には星3にするつもりだよね? ならいいじゃん。いいよね。えい! 押しちゃえ!
はい。星3つです。
だって、続きが気になるんだもん。
小説の作法とか技法のことはさておいて。
センスのかたまりって言葉があるじゃないですか。この作品はまさに、それです。
僕自身もBL要素の作品を数多く書いてるんですが、書けない……この作品は僕には書けない。
いろんな意味でセンス爆発してるなぁと思うんですが、何よりも根底のところで、超絶美少年が中年になってしまったところから物語が始まる……スゴイ。何これ? これまでそんなこと思いつきもしなかったよ。なんなら美しい人が時間を超越して不死的に永遠に美しさを保つための話ばっかり考えてたので、こうもあっさりと現実を認めた上での愛あふれる作品。もうこれに、冒頭でガツンと一発やられました。
今まさに青春を生きる忍と、かつての青春をひきずる鷹史を中心に、この世界では猫にも市民権が与えられ、大勢の町民の皆さんが総出で物語を進めていく。イケメン率高し!
二人の世代の違う時間の流れが、切なさや失われた時への悲哀をかもしだし、コミカルなのに、なんとも美しい。
繊細な箱庭のような“かがり町”
ぜひ、この物語の結末を見せてください。
なんだか、うまく言葉に出来ないのだけれど、読み始めてすぐに、こころの中にお話がすとんと柔らかく着地したみたいな心地。余りにもしっくり。ぴったり。
魅力溢れる面々と鮮やかに浮かんでくる情景にひたひた。すっかり物語に潜りこんでしまいました。
かがり町の彼方此方お出かけ感が嬉しくて楽しくて、町並み、公園の遊具の図、陽の光加減で滲む景色も、美しくて切ない夕暮れも、見上げた高く高く青い空も、学校迄の坂道も、勿論、決して忘るまじな猫たちも、趣きある校舎彼方此方の佇まいとか、とかとかとか。
かがり町の日常が、美しい文体と柔らかなリズム、場面にぴたりな幾つもの言葉で紡がれていくから、すっかり溶け込んで、すぐそばに居るみたいな感覚のまま、とってもすきだなあと思って、夢中になって読んでいます。
これからも大切に読みたいだいすきなお話に出会えた幸運に只管に感謝です。
ありがとうございます。
これからも楽しみにしてます。
(かがり町百景もだいすきです!)