魔法を学ぶために
「栄治お待たせついたぞ」
「これか・・・・」
あの湖の小屋から降り30分走らせると、村が見えてきた。これがこのサンダラ山にある唯一の村であるサンダラ村だ。人口は1000も満たないが農業に力を入れており、ここで収穫し野菜は他方の街で出荷されておりそれで村が成り立っているのだ。そこには、人間ではなくエルフやドワーフに獣人といった種族が商いをやって生活しているのが見て取れた。
「うわぁ・・・・・・・流石異世界、村の中にはさまざな種族がいるな」
「おお・・・・・・歳三さんが来たぞ~~~~~~」
「うわ~~~~トシさん。また遊んでよ~~~~~」
村に入り歳三を見た村人は一斉によってたかっていた。どうやらこの村では相当の
英雄だと見て取れるくらい歓声をあげていた。
「みんな来たよ」
「トシさん今日も来てくれてありがとう」
その祭りのような盛り上がりの中、年老いた村長らしいご老人が近づいてくる。
「村長。肝心の米は?」
「勿論収穫済みだよ。今晩その初めての米を味わおうと思うんだ」
「そっこれならたくあんはできるな・・・・」
「もちろんあの米から米ぬかが出来ていて、今から前にトシさんに教わった
たくあんの作り方を習って作っているのだよ」
「どれ、その作り方があってるか見てこようかな・・・・・・っとその前に栄治これを借りるよ」
「あっ!!!ちょっとそれ」
歳三は何かを思い出したように栄治が常に携帯している謎のご老人が持ってた刀を取り上げそれを村長に渡した。
「これは・・・・」
「実はこの刀、彼のなんだけどこの通り刃が随分さび付いているから、鍛冶屋で打ち直してくれないか」
「それはいいですけど、こんなオンボロ打ち直したより新しいのに変えた方がいいのでは・・・・・」
「そこをなんとか・・・・・」
「ふぅ・・・・・分かりました。今からこれを村一番の鍛冶屋に持っていきます。一言難癖を言われますがトシさんの頼みならなんとかやってくれるでしょう」
「すまない」
歳三が頭を下げたのであってか村長は仕方なくそれを引き受けることにしたが勝手に話を進まれた栄治はそれに突っ込んだ。
「ん?何その顔もしかして余計な事した?」
「いやそれはいいけど歳三さん。それは俺のじゃなくて爺さんで・・・・」
「まぁまぁ細かいことは気にしない。君が持ってるのだから君のでいいだろ?」
「それはそうだけどさ・・・・・」
「そんなことより、わたしは今から用事があるんだけど、栄治にはやるべきことがあるからそれをやってもいい?」
「何をすればいいんだ?」
「それは着いてきたら分かるよ」
そう言いつつ歳三はある場所に栄治を着いて行かれた。そこは小さな田舎の学校のような施設であった。
「ここは・・・・・」
「誰かいるかい?」
「はいはい。いますよ」バタバタ
ドアをノックをすると、真っ先に眼鏡をかけた知的雰囲気をしてるのだが、胸元が見えるくらいの露出が激しいくらいの破廉恥な服装を着た金髪のエルフが出て来た。
「あ!!!歳三さんどうしたんですか。久しぶりですね会いたかったですよ」
「リシュカ。久しぶり突然だけど頼み聞いてくれるか?」
そのエルフは歳三が来ると眼鏡をクイクイと動かしながら憧れの眼を可輝かせ憧れの感情を抱かせていた。
「あの・・・・隣にいるのは・・・・」
「ども・・・・」
「彼の名は・・・朝田栄治・・・・・わたしと同じ別の世界から来た人間よ。悪いけどこの世界の魔法について教えてくれないか・」
「魔法?魔法ってあのファンタジーものにありがちなあれか?」
「おっ。急に元気になったね・・・」
その二文字を聞いたとたんに栄治のテンションは最高峰になる。それはそのはずだ。魔法と言えば現代人が手に入れるのが不可能な空想上の残物。
ファンタジー世界の異世界なら必ずあるもので栄治も自慢にはならないがアニメ、ゲームオタクでこういう世界に入ったら必ず使いたかったと思うほどだった。
「(やっぱり異世界にありがちな展開だ。最初に出会うのは美少女のはずがクソ爺以外は完全にハーレム異世界ものの作品に変わりないじゃないか。なんせそばにううは今にも信じられないが女体化した土方歳三とリシュカというドスケベ衣装のエルフがいる。なら次通過する点はチートな力だ。俺は恐らくこの後この世界では規定されてない力を得て、魔物を夢想しまくり最強になりいい女を傍に置き一生を終えるはずだ)ぐへへへへへ」
自分の妄想を浮かんでいるがはたから見ればただ不気味に笑っているだけなので、歳三とリシュカはその姿を見てドン引きしていた。
「か・・・・・・彼なにかおかしいですよ・・・・・・」
「は・・・・・・話によるとどうやら昨日この世界に来たらしいからまだ頭の整理が出来てないだろう」
「そう・・・・・だと願いたいですね・・・」
「はっ・・・・あれ?なんで二人共どうしたんだ?」
「なんでも・・・・」
時は遅く栄治は正気を戻したが、鈍感なのでなぜ周りの人間が顔を引きつってる理由は本人には分からないようだ。
「それじゃわたしは行くよ・・・」
「はい気を付けて・・・・・」
「ああ頑張ってくる」
そして歳三は栄治を預け学校を後にし彼女を見送った所で学校内に入り校内を見回る。
その内部は現実の小学校と変わらず、教室内で先生が黒板を使い生徒に教えている光景だ。
その授業内容を見ると、小学生の算数の授業内容で子供たちは無邪気に手を挙げていた。
『それじゃこの掛け算分かる人~~~~?』
はーーーいはーーーーーい
「へぇ・・・・・・異世界なのに現実とはあまり変わらないんだな・・・・・異世界だから魔法や剣術を教えるものだと思ったよ」
「算術だって基本ですよ。商人になるのは必須な知識なのですから・・・・あ・・・・ちょうどいいところにあちらのグラウンドを見てください。今魔法科目の実技訓練が見れますよ」
「どれ・・・・・・・あっホントだ・・・・」
栄治は言われるがままにグラウンドを見るとそこには魔法を使っての実技訓練を行われており前方にいる生徒が目の前にある的に向かって魔法を発動するところを目撃する。
『それでは魔法を演唱しなさい』
「はい・・・・・我が心に眠りし赤の意思よ・・・・・今解き放て『火球(フレアボール)!!!』ドカッ
「おお・・・・今手のひらから火の玉が出て来たぞ」
窓際越しだが、生徒が一斉に火球を発射させ目の前の的に一斉にあたり燃えていた。
それを見た栄治は、子供時代に戻ったようにワクワクと目を輝かせていた。
「今のが魔法か・・・・・」
「ええそうです。それじゃ行きましょうか」
その光景を見た後リシュカに再び連れて行かれる。二人はお互い初対面でお互い質問する点はあるがどういえば分からないまま歩みだけが進み目的地にたどり着いた。
その場所は校舎から少し離れた場所にある小さな小屋のような場所で、雰囲気的に怪しい感じが漂っているのが肌身で感じていた。
「リシュカ・・・・・さん?ちょっといいですか」
「リシュカでいいですよ」
「あ・・・・ああリシュカ・・・・・この建物は?」
「これから貴方には、能力の適性を行います。まぁここで話すより中に入って実物を目にした方がいいでしょう」
そう言いながらリシュカは胸元にかけている装飾品から鍵を取り出し扉を開ける。
中の感じは物置のようで周囲には様々なオカルトの品や書物が置かれておりその中心にはなにやら箱のようなものが台座の上に置かれておりその中を開けると綺麗な水晶のようなものがありそれを取り出した。
「この水晶は・・・・・魔石と言い、人に魔法を身に着けるためのアイテムです。これを手にかざすだけで魔法を使えます・・・・」
「魔法を・・・・・でも適正と言ってたけど・・・・」
「ええ、これから貴方がどんなタイプの魔法を使えるのかがこれをかざすだけで分かります。
この世界の魔法にはまず4種類のタイプと数種類の属性がある。
まずその四種類の種類についてだが、太陽を象徴する攻撃タイプ、月を象徴とする防御のタイプ、星を象徴とする回復タイプにそして形を現わさない渦を象徴する特殊タイプが存在する。
これらはのタイプは成長すると優先的に上がるのを上げている。
ただしそれは先に挙げた攻撃、防御、回復に当てはまるのだが渦を象徴するそれはいわばいわくつきの能力だ。先ほど挙げた三つと比べて成長度は少ないがそれゆえにその三つを匹敵するほどの特殊能力が眠っているために、ある意味、三つのタイプ未満それ以上のレアタイプである。
次に二つ目の属性だがそれはいわば、自分が得意とする魔法の区別だ。
この水晶に移されるのが、赤だとすると炎属性が得意とし青だとすると見ず属性とされて、灰色なら無属性とされている。
昔はこの世界の成り立ちとして最初は炎、水、風、土の四大属性によって大きく別れたのだが、この世界の魔法を探求する賢者の知識とこの世界に生息するモンスターの突然変異と遺伝子によって、明かされる属性が文明が発達するたびに増えており今では10種類以上の属性が明かされているのだ。
以下この二つのタイプをこの水晶によって明かさられる。
例えばこの水晶に現わされているの乃が紅色の太陽を現わしてるのなら、炎属性の攻撃型、青色の星を現わしているのなら水属性の回復型を現わしているそうだ。
その説明をリシュカは眼鏡をクイクイと動かしながら懇切丁寧に説明する。
「ほう・・・・・なるほどな・・・・ちなみに参考としてだが、歳三さんとアンタの適性を教えてくれないか?」
「う~~~~~ん私はいいですけど、歳三さんは・・・・・・・まぁ歳三さんは貴方を使用していたから特別にいいでしょう。私の適性は『緑の月』・・・・・つまり風の防御属性です」
「風の防御か・・・・・まさにエルフって感じがするな。もしかしてその適正って種族にも関係あるのか?」
「まぁ一応ありますけど・・・・・・例外はありますよ」
栄治の予想はエルフに風、ドワーフに土という偏見的な思考があるが、この世界の種族の能力適正は80%は、栄治の考えはおおよそあっている。
「で、歳三さんの適性は『紅の太陽』で炎の攻撃型です。普段おっとりしてるから予想外ですよね・・・・・・」
「いや・・・・・想像通りだ」
「え?」
リシュアはなぜ冷静に当てるのか疑問視しているが栄治的には、あの
鬼の歳三だからという視点だからとりあえずそう予想していたが、彼もあの性格で本当に豪快な人斬りになるのか今でも疑いを持っていた。
「じゃあ、今から始めましょうか・・・・」
「今から・・・・」
「そうですよ。その為に歳三さんから連れてこられたのですよね・・・・」
「そうだけど・・・・これから魔法を使えることになるんだけど・・・・・・痛くはないのかな・・・・・っと思ってさ」
栄治は魔法を使えるのは嬉しいのだがその為に痛い思いをするのかどうか一応確認をとっていた。
「それはないですよ・・・・・・ただ・・・・・水晶の内部から魔力を送るからすこし暑くなるだけですし・・・・」
「そうか・・・・・なら安心した」
栄治は安全を確認しると目の前の水晶をゆっくりとかざす・・・・・・
「うっ・・・・・・・・」
すると水晶が赤、青、緑と三原色を輝かせながら栄治のかざした右手に力を注がれ、彼の右手も続いて輝きだしその光はらせん状を生み出し、心の臓に向かって浸食し始めた。それにより栄治はただならぬ暑さを感じだした。
「(た・・・・・・確かに熱く感じるが意外と不快な感じがしないな。むしろ・・・・気持ちいい・・・・・)」
脳裏に脳内麻薬を感じるが如く栄治は熱さと同時に快楽という感触にあった。その感触は嘘ではなく、彼の心臓が先の三色の魔力がらせん状に心臓内部に輝きを見せるが故の結果であった。今まさに彼に魔法という力を覚える瞬間であった。
そしてしばらくそれが続き目を開ける彼がその水晶を触れてわずか30秒だが、栄治にとってはその時間は1時間ほど触れた感覚があったようだ。
そして建物内部はまったく熱気がなくむしろ寒いくらいの気温にも関わらず帯びたたしい程の汗をかいていたのが見え、自然と息を多く吐いており、栄治はまずその水晶に目をおくとチカチカと点滅していた。どうやらまだ結果が分かってないようだ。
「栄治さん・・・・・・お疲れ様です」
「リシュカ・・・・・・終わったのか・・・・」
「ええ、今結果が出ますからお待ちください・・・」
「そうか・・・・」
栄治は改めて心臓に手を置く。普段は心臓に手を置いたことがないのに、心臓が動くたびにただならぬ感触が感じ吐く息も若干違うと感触があった。
その感触は25年生まれて全くない感触だった。
彼の内部は今魔力が交わってあり、彼の中にはそれを今まさに放ちたいと好奇心が旺盛であって、次に自分がどんな能力を持っているか考えていた・・・・
「(さて・・・・・能力はなんだろうな・・・・・・・やっぱりラノベでありがちな異世界転生ならチート能力だろうな・・・・・そうだとすると適性が無い無属性が妥当かな・・・・・まぁどんな適正でもいいや。ようは無双できればいいだけだ。この俺もついに異世界チーレムデビューか・・・・・・・悪くない)」
「栄治さん適正が来ましたよ・・・・・え~~~~~~~~と」
「ああ・・・・・・どんとこい!!!!」
栄治は余裕の笑みを浮かび、それを聞いた。彼の頭の中ではどんなチート能力を持っているのか頭で一杯であった。
そしてリシュカは栄治の適性を見る。
「水晶の内部は・・・・・・・青と緑が混じった星形・・・・・・つまり木属性の回復型ですね・・・・・・」
「え?なんか・・・・・・地味・・・・・」
こうして栄治の異世界チーレム物語の構想は数秒で散った。
異世界壬生浪 夕凪 @dgjkk
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界壬生浪の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます