トキノコと小トキと時の茸
平城山 松前
トキとこの子と…
「わたしは〜ト〜キ〜♪゛」
トキはいつものように歌…と言っていいものか…を歌いながら飛び回っていると、すぐ隣から突然大きな声が聞こえて来た。
「わたしも〜ト〜キ〜♪゛」
「えっ?あなたもトキなの?」
パァァと明るい表情になったトキ。本当に嬉しそう。
「そうだよ!でもあなたわたしよりおっきいね!」
「そうね、あなたちっちゃいわね。あ、これからアルパカのカフェ行くんだけど一緒に来る?」
「おもしろそうだね!いきたい!」
彼女たちは知らなかった。その頃地上のじゃんぐるちほーでは騒音被害が二倍になって倒れたフレンズがいつもの数十倍になっていたことに…
それは置いといて、2人のトキはカフェに着いたようだ。
「ふわぁぁあ!いらっしゃぁい!」
「アルパカ、いつものを二つお願いするわね!」
「はぁいゆぉ!この子の分もかな?ってトキちゃんが2人?不思議だにぇ?」
「さっき会ったの。同じフレンズは滅多にみられないって聞くし、幸運よね。」
アルパカはお茶を入れながらこう言った。
「でも本当不思議だにぇ。最近噴火も起こってないし。」
「本当不思議ね、あなたどこから来たの?」
「んー?わかんない!」
「同じ種族としてすごく気になるわ。」
「ほら、お茶入ったゆぉ!」
「やっぱりアルパカのお茶は美味しいわね。」
「えへへ、トキちゃんに褒められるとやっぱり照れるにぇ。」
「あなたも飲んでみたら?美味しいわよ?」
そう言われ、一口飲んでみる。
「にっがーーーい!なにこののみもの!こんなののめないよ!」
「なら砂糖を入れてみるといいゆぉ!」
「いっぱい入れちゃうもんねー!」
角砂糖をつかめるだけ掴んでお茶の中に溶かした。
「十数個は入れたんじゃないかしら。一回飲んでみたら?」
「そうする!」
さて、二口目。どうだ?
「あまい!これならのめる!」
「よかったゆぉ!」
「で、トキちゃんはこれからどうするの?」
「博士にでも聞いてみようかしら。」
「そういえばツチノコもそういうのに詳しいって聞いたことあるゆぉ!」
「わかったわ。ツチノコにも聞いてみるわね。」
〜その後、地下迷宮アトラクション入り口にて〜
「着いたわね。」
「あつかったぁ…」
「本当疲れたわね。スナネコが家で休んで行っていいって言ってくれなかったらと思うと…ぞっとするわね。じゃさっそく入るわよ。」
2人は暗闇へと足を踏み入れて行く。下駄が挟んであるがそこに足は当てなかった。
「それにしても暗いわね。ツチノコ、どこにいるのかしら。」
「くらいのこわいからふたりでうたおう!ついでにつちのこをよぼう!」
そして二人は息を吸い込んだ。
「ツチノコぉ〜どこぉ〜♪゛」
「ツチノコぉ〜返事してぇ〜♪゛」
「うるせぇ!やめろ!それをやめろ!」
「あ、でてきた。」
「その軽さはなんなんだよ!」
「ところでツチノコ」
「無視かよ!」
「この子のことなんだけど」
〜説明中〜
「ということなのよね。ツチノコ、何か知らないかしら?」
「いや、元々いたフレンズっていう可能性もあるだろ。」
「でも私の歌に反応してくれたのは今日が初めてよ?」
「だとするとおかしいな。お前の声は遠くまで聞こえるだろうし。」
「何か覚えていることはないかしら。」
思い出そうと必死なって数分後…
「あっ!なんていうかわからないけどどこかのもりのなかでたべられそうなものをみつけておなかすいてたからたべたんだ!」
「やっぱりよくわからないわね。博士達に聞くのが良いのかしら。」
というとツチノコが何か気付いたようだ。
「お前、もしかして…食べたのってあれか?」
「あれ…ってなに?」
「それを確かめるためにも図書館へ行かないとな!」
「だったら図書館まで運ぶわよ?その方が早いし。」
「おう、頼む。」
〜その後、図書館にて〜
「博士、この書物をそちらの棚へ戻してもらえるですか?」
「わかったのです。」
「博士達いるか?」
「お、ツチノコとは珍しいのです。」
「それとトキが二人。博士、これはなんていう地獄なのですか?」
「いや、それのことなんだが…先に森に生えてるものをまとめた図鑑を見せてくれるか?」
「わかったのです。ちょうど今その机の上にある本がお前が見たがってるやつなのです。」
「そうなのね。」
「あ!これ!わたしがたべたのこれだよ!」
「やっぱりか…博士達、これの名前を読んでくれるか?」
「これは…トキノキノコ?」
「その説明もお願いするわ。」
「このトキノキノコには二種類あり、食べると過去に行くものと食べると未来に行くものがある。どちらがどちらかはまだ定まってないが、どちらかを食べた後、もう片方を食べると先に食べた方の時間まで戻り、その間の記憶も無くなる、らしいのです。」
「じゃあ後はそのキノコを探すだけね。」
「あ、それならとなりにはえてたよ!ばしょもおぼえてる!ついてきて!」
「あ、ちょ、ちょっとまて!」
ツチノコの制止も聞かず飛び立って行く。
「見失わないようにとりあえず追いかけておくわね。」
「我々もついて行くのです。」
「おい!俺も連れてけ!」
「ツチノコは私が連れてくのです。私が一番大きく力持ちなので。」
「任せたです、助手。」
〜その頃、ある森のある場所では〜
「ついた〜!」
「追いかけるのも疲れるわね。」
「あれ、みんなは?」
「あなたが早すぎて追いつかないのよ。」
「やっと追いついたのです。」
「早すぎて気絶するかと思ったぞ。」
「ほら!あったでしょ!」
「違う方を食べるのです。」
「ときねーちゃん!つちのこねーちゃん!ありがとう!」
「そういえば名前つけてなかったわね。」
「小さいトキだから
「ツチノコの案は却下して。」
「おい!これでも真剣に考えたんだぞ!」
「わたし、それきにいった!じゃあね!」
小トキは立ち上がり、そのキノコを食べた。その瞬間小トキは消え、持っていたキノコは下に落ちた。
「これて、ちゃんと戻れたわね。」
「疲れたのです。」
「さっさと帰って夕飯にするのです。」
「お前らも一緒に食ってくのです。」
「ほんと?嬉しいわね。」
「ただ歌うのはやめるのです。」
「わかったわ。」
〜その頃小トキは〜
「あっ!間違えちゃった!違う方を二回食べなきゃ!」
カプッ
「あれ?小トキ、どうしたんだ?戻ってきて。」
「まちがえちゃったみたい!えへへ…こんどこそ、またね!」
「またな!」
〜そして、夕食時〜
「そういえば私、昔キノコを見つけて不思議に思って帰ったことがあったのよね。」
「お前まさかあの時のトキがお前だっていうのか?」
「かもしれないって、ただそれだけの話よ。」
「トキ、ツチノコ、今日はもう夜遅いのです。」
「泊まっていくのです。」
「お、ありがと。」
こうしてこの日の冒険は終わっていく…数々の謎を残したまま…
トキノコと小トキと時の茸 平城山 松前 @narayama_masaki
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
久礼と岸玉の学生生活/平城山 松前
★4 二次創作:けものフレンズ 完結済 26話
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます