「王国物語」シリーズでは、脇役ながら、鮮烈な印象を残し、「登場人物中最強!」の名をほしいままにしていた「あの」ミラ王妃が公爵令嬢から王妃様になられるまでの物語です!
「王国物語」シリーズのファンならば、もう、これは読むしかないでしょうっ‼
二人の出逢いが描かれた舞踏会のシーンはもう、素敵の一言で……。でも、そこで一筋縄ではいかぬのがミラ様です!(≧▽≦)
個人的には、毎度爆笑せずにはいられないルクレール家の家族会議のシーンも大好きです!
「王国物語」シリーズやミラ王妃がお好きな方は、ぜひお読みください!(*´▽`*)
王子様からの突然の求婚。物語の雛型であり、永遠の憧れと言ってもいいシチュエーションでしょう。これは、そんな愛いっぱい夢いっぱいの、終始甘々な物語…………ではありません。
何しろこの話の主人公にして求婚を受けるシンデレラガールのミラですが、侯爵令嬢と言う立場にありながらおおよそそんなものに憧れるような子ではありません。
田舎育ち故、何て言ったら田舎の人が怒るくらいに自由奔放で、馬を乗り回し狩りに明け暮れると言った野性児。そのあまりのじゃじゃ馬ぶりに、彼女の父親を持ってして、誰でもいいから押し付けて、もとい貰ってくれと嘆くくらいでした。
ですが世の中広いです。そんな奇特な方がいました。それも、『私にとっての王子様』などではなく、正真正銘一国の王太子です。
しかしミラがそんなものに憧れるような子でないのは既に記した通り。父親に至っては、娘に王太子妃なんて伝わるはずが無い、どうしようと泣いていました。王子からの求婚ってこんなのでしたっけ?
何とか断ろうとするミラ達家族ですが、王子も王子でそう簡単には引き下がりません。恋愛と言う名の攻防戦は、まさにせめぎあい。果たして勝敗の行方は?
作者様の代表作、王国物語シリーズ随一のぶっ飛んだキャラクター、ミラが主人公の今作。
ミラは厨房に行ってはつまみ食いをし、返送しては屋敷を抜け出して外へ遊びに行くと言う、侯爵家の令嬢とは思えない行いばかりしています。
ミラの父親は、こんなじゃじゃ馬を貰ってくれる奇特は人はいないだろうかと嘆く毎日。
しかしいたのです、こんなじゃじゃ馬娘を気に入ってくれる奇特なお方が。
しかしその人が、王太子殿下と言うからさあ大変。あんな娘を殿下に嫁がせて大丈夫かと、お父さんは悩み、ミラはミラであんまり乗り気ではありません。だって相手は王太子殿下、本気のはずが無いと高をくくっていたのですが、どうやらそうでは無かったようで……
破天荒なお嬢様、ミラが大活躍する今作。
恋する事より毎日を面白おかしく楽しむことの方が大事な彼女が、果たしてまともな恋愛なんてできるのかと思いながら読み進めましたけど、ちゃーんと甘い仕上がりとなってくれました。もちろん笑える要素も、ふんだんに盛り込まれています。
王国物語シリーズのファンはもちろん、本編を知らない方も楽しめるお話です。