エメラルド 改稿用 メモ

神納木 ミナミ

エメラルドに輝く

ラスト手前


シルヴィアとエメル


エメル (テューダの事は任せてくれ


シルヴィア(どうするの?


エメル(魔法使いは死ななければ止まらないらしい。ルーパートが言ってたよ、檻に放り込んでおけない者を止めるには、終わらせるしかないって


シルヴィア(諦めるんだ


エメル(頑張ったんだがなあ。


エメルは力なく笑った。シルヴィアの背中でエメルの頭が肩から垂れて表情は隠れているが、声は憔悴していた。


シルヴィア(らしくない。


エメル(私らしいが、わかるのか? まだ出会って1週間も経ってないのに


シルヴィア(知ってる? 本当の親友は三日で理解し合えるって


エメル(誰の言葉だ?


シルヴィア(私。今作った。


エメル(じゃあ、知るわけないよ。


シルヴィア(そんな気がする。エメルはそんな奴だって。間違いない!


エメル(誰かから聞いたんじゃないのか? そんな事を私が喋ったって


シルヴィア(いいや。直感。当たってるんだ、やっぱり


エメル(ある男に諦めるのが嫌いだと言ったら、引いてたな。今なら気持ちがわかるな


ルーパートは最後まで諦める事なく、逝った。エメルとテューダのために死力を絞ったが、結局はテューダは止まらなかった。



シルヴィア(変な男に影響されてエメルらしさが、消えたんだ。そいつ、ロクデナシのダメ野郎ね


エメル(その変な男は私の影響を受けて、苦しんで死んだよ。私のせいだ。


シルヴィア(






シルヴィア(テューダを止める方法は私もわからないけど、誰かが知ってるかもしれない。


エメル(誰かって、、、。人任せもいいとこだな。私は真剣なんだ、真剣だった。でも、もうわからないよ。


シルヴィア(人任せでいいんじゃない? 一生懸命にやってだした結論が最悪のアイデアしかないんでしょ? なら、解決できる誰かを探して協力してもらおうよ。限界があるのよ、一人で考えると。私もそう。


エメル(シルヴィアはもう、違うだろ。乗り越えたじゃない


シルヴィア(あんたが来たからね。テューダも。おかげで成長した。何がどうなるか、わからないって体験した本人が保証する。



シルヴィア(幸い、FBIって色んな人と出会えるからさ。それも、頭いい人ばっかり。チャンスいっぱいあるよ、私らが知らないチャンスが。


エメル(ハハハ、、、。アメリカでだめなら中国へ行くかな。人、多いしなあそこ。


シルヴィア(中国がだめならヨーロッパを回ろうか?


エメル(チャンスいっぱいあるな。へへ、、、。


シルヴィア(、、、そうよ。


滅茶苦茶な話だと思う、エメルは冗談を口にするだけで気が多少和らいだ。

だが、シルヴィアは笑っていなかった。


エメル(ずるいよ。私一人が滑ったみたいだ。


シルヴィア(、、、私もバックアップするしさ。


そう、単純な話ではないが、嘘でもない。誰も思いつきもしない方法が生きているうちに見つかるかもしれない。そう考えられるなら、毎日が忙しくなる。希望を探して、目を凝らすのだ。根拠は薄いが、シルヴィアは本気でそう考えているように思える。


エメルには遠い言葉だった。

「何も知らないくせに」

そう思ったが、口には出せなかった。彼女が



二人は遥か昔の夢物語を話しているのだ。現実にはあり得ない話を。甘美な希望に満ちた子供のような夢を。


それは、エメルに微かな力を与えた小さな魔法使いが最後まで歯を食いしばる物語。


エメル(悪くないが、売れないだろうな


シルヴィア(何の話?


エメルは何も言わなかった。深い眠りに落ちていたからだった。

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