Abandoned world

中原 緋色

 

 ────ここは、放棄された世界である。




 陽が沈むこともなければ、季節が巡ることもない。


 精緻に作り上げられた街を、歩く人はいない。


 主人公やその友人は、付与された能力を使うこともないまま、銅像のようにポーズをとって立ち尽くしている。



 動かない雲。


 鳴かない小鳥。


 風のない街。



 そこには確かに体温が、息づいているのに。


 その温度がなにかを生み出すことは、きっともう、ない。






 ここは、放棄された世界である。


 ほかでもない生みの親、作者自身に。





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Abandoned world 中原 緋色 @o429_akatsuki

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