第8話 Boys, be ambitious.

「湊斗君、それはこっちにくれないか」


「分かりましたー」


「今日のお昼ご飯なんだったか……」


「認知症ならさっさと病院行ってくれっていつも言ってんだろ、ハカセ!」



 俺はあの後大学には結局行かずに研究所でお世話になっている。これはユキと充さんのお陰だ。隆也さんも俺を息子の様に扱ってくれるから有り難い。研究所でお世話になってるとはいえど、やってるのは雑用くらいなこった。しかし動ける若者も少ない、ということで俺はひたすら雑用をこなしていく。正直特に何がしたい、なんてのも無かったから仕事に没頭できるのは本当に有り難い。



「ミナト、ニヤニヤして気持ち悪い」


「うるせえよ、お前のせいで5年くらい速くシンギュラリティ迎えちゃって今大変なんだよ!」


「それとこれとは別問題じゃん……」



 俺のデスクの画面に写し出された茶髪・碧眼の美少年は肩を竦めてヤレヤレだなんて言っている。



「ま、去年の今ごろとは大違いだな」


「ああ」


「泣き顔は笑えるけどな」


「うるせえ」



        ――Fin.――

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『smile-maker』 東雲 彼方 @Kanata-S317

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