ハロウィンスレイヤー

第1話 ハロウィンスレイヤー参上！ ハロウィン殺すべし！ 慈悲はない！

「ぎゃはははは」

　時は２０１８年１０月末！　ハロウィン直前の週末。ここ数年、ハロウィンシーズンになるとかの地、渋谷は荒れに荒れていた。

　マナーの悪いパリピが暴れ、至るところにゴミを散乱させ、揚げ句の果てにはトラックを横転させるという始末！　なんというマッポーたる光景だろうか！　恐ろしいねえ。

　とんでもない数の人間が集まった結果、暴動にも等しい事態が引き起こされてしまった！　もはや、暴徒と化したハロウィンパリピどもを警察では鎮圧しきれない事態に陥っていた。

「おうらあ！」

　ハロウィンパリピの一人が花火を発射した！　これだけの人間が集まっているのになんたる暴挙か。アブナイ！

　ハロウィンパリピの暴動は留まることを知らない。おお、ここは本当に先進国ニッポンなのだろうか？　実に嘆かわしい光景である！

「「ヒャッハー！！」」

　二人組のハロウィンパリピ、なんと！　はパトカーを奪って暴走運転を始めた！　警官隊はなんとか制止を試みるも、圧倒的な鉄の塊の前ではまるで無力！

　「アバー！」

　制止しようとした勇敢な警察官は無残に轢かれてしまった！

　なんという光景か！　人間が轢き潰されたというのに、ハロウィンパリピどもは笑って暴れている！

　もはやこの渋谷でハロウィンパリピどもを止める術は残されていないのか……。ハロウィンパリピを止めにかかっていた警官の多くがそう思った時、事態が動き出した！

　ダン！

　暴走を続けるパトカーの上に膝を悪くしそうな着地をする何者かが現れた！　なんと、そいつはカボチャを被っている！　カボチャを被った何者かはパトカーのフロントガラスを突き破り、運転していた男二人をまとめて引きずり出す！　バランスを崩したパトカーは電柱に激突し、暴走を止めた！　ゴウランガ！

「ハロウィン殺すべし！　慈悲はない」

　カボチャを被った何者かはパトカーから引きずり出したハロウィンパリピを無造作に投げ捨てる！　その圧倒的な力の前に投げ捨てられたハロウィンパリピは恐ろしさのあまり失禁！　それを見ていた他のハロウィンパリピは一斉に凍りつく！　　ハロウィンに熱狂していた渋谷は一気に静まり返った！

「て、てめえ！」

　乱痴気騒ぎを邪魔された怖いもの知らずのハロウィンパリピはカボチャを被った何者かに殴りかかる！

　しかし！

　カボチャを被った何者かは一切動じない。殴りかかってきたハロウィンパリピのパンチを正面から受け止める！

　そして！

「ハロウィン殺すべし！　慈悲はない」

　恐ろしい声でそう言い、殴りかかってきたハロウィンパリピの首をつかみ、無造作に地面に叩きつけた！

「アイエエエエ！」

　地面に叩きつけられたハロウィンパリピはニューロンが破壊されネギトロになった！

　カボチャを被った何者かがハロウィンパリピの集団に地獄めいた視線を向ける！　その恐ろしい視線を受けてハロウィンパリピどもは先ほどまであれだけイキっていたのは嘘だったのように恐怖に震え、ある者は失禁し、ある者とは逃亡し、ある者は泡を吹いて倒れていった！

　カボチャを被った何者かによって震えあがったハロウィンパリピどもを警官隊が飛びかかり、一斉に逮捕。

　渋谷に平和が訪れた！