アルマナイマ未踏領域

作者 東洋 夏

50

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★★★ Excellent!!!

人と龍が生きる星、アルマナイマ。
美しい文章で綴られる本作品は、SFファンタジー作品になっております。
会話のやり取りはもちろんのこと、こだわりの世界観に夢中になる人が少なくないでしょう。

読者と一緒にこの世界観を作り出しているかのような、そんな錯覚に陥る感覚で作品を楽しむことができます!
重厚感のある読みごたえは、読み専さんにとっても、ライトな読者にとっても、かなり心揺さぶられる世界観になっているので、ぜひご覧ください!
作者様の描く美しい世界にあなたも一緒に旅立ちませんか?

★★★ Excellent!!!

 世界の創世神話から始まる一作。神話によれば、「唯一の者」によって世界は拓かれた。そして「唯一の者」の涙によって、三匹の龍が生れ落ちた。その龍たちの求めに応じ、「唯一の者」は世界を作り、龍たちに探索を頼んだ。一匹の龍は太陽から地上に戻り、一匹の龍は知恵によって海の底を隆起させ、もう一匹の龍は、海の底を一息で潜った。三匹の龍にはそれぞれの働きに由来する名前が付けられた。そんな神話を信じ、龍を崇めながら暮らしている民族がいた。海の民である人々だ。
 主人公は女性言語学者。彼女はアルマナイマという星に生きる、海の民族と交流を持っていた。彼女はその民族に伝わる成人の儀式を受けることによって、民族に受け入れられていた。特に、破格の体躯を持つ青年とは、仲良くやっていた。青年は船に乗り、主人公に海に浮かんだ一匹の龍の死骸を見せる。丈夫なはずの龍が、首に何かで一撃され、死んでいた。死因を詳しく調べるため、船で曳いていると、この星にないはずのモーターボートに乗った人物により、銃で狙撃される。
 そして主人公は、ある人物から銃口を突き付けられ、信じられないことを命令されるのだが……。そんな主人公を助けたのは、意外な存在だった。
 
 果たして、モーターボートに乗っていたのは?
 主人公を狙撃した意外な人物とは?

 無文字社会で言語も価値観も違う異民族同士の、心の交流を描く、今までになかったエスニックな作品。創世神話の綻びに、世界はどう答えるのか? すべての伏線が回収されたとき、驚愕の計画が明かされる。

 神話や民族が好きな方には、必見の御作。
 是非、御一読下さい。

 

★★★ Excellent!!!

龍と人が共に生きる星、アルマナイマ。細部に渡り作り上げられた美しいその世界にすんなりと入り込めるのは、主人公が読者と世界を見事に繋いでくれるからでしょうか。

ライトに読める作品ではありません。けれど一話を読み終えてしまえば、もうその星にずっぷりと浸りたくなる、この中毒性がたまりません。

★★★ Excellent!!!

神話から始まり、惑星間を宇宙船で行き来する時代へ移り、
龍が暮らす惑星アルマナイマを舞台に、人物の名前や価値観から、
ポリネシアなどの南太平洋を彷彿(ほうふつ)させる独特の世界観が展開されています。

特に劇中に登場する伝統的なカヌー『ファッカムセラン』の描写から、
南太平洋で大昔から今日に至るまで使われるアウトリガーカヌー※を連想しました。

※アウトリガーカヌー:補助輪付きの自転車が倒れ難いのと同じ要領で、カヌーの脇に木の棒などの浮きを取付け、横倒しになり難いタイプの海用のカヌーです。