第3話

「本当に酷い話よね。論文も発表も全部嘘でただの私怨だったなんて。」

ただのポップコーンを作った次の日、そのことを僕は学校に報告した。

するとすぐに政府まで話は進み、安全に考慮して繰り返し実験が行われた。

もちろん何回やってもできたのはポップコーンである。

ある研究者が発表した論文は全て嘘。公開実験で使ってみせたブラックホールは他の装置で発生させたものであり、ポップコーンの生産過程とは全くの無関係だということが取り調べてわかった。

そして、その理由がまたくだらなく、当時付き合っていた女性の好きな食べ物がポップコーンでポップコーンを見ると思い出して悲しくなるからと言う理由だった。

「まぁ、でもいいじゃないか。またこうやってポップコーンが食べれるんだしさ。」

「そうね。」

とうなづく彼女の横顔を見て、やっぱり美人だなと思う。

「また、いろいろ調べて準備しないとな。」

「ん?また何か悪巧みでもするの?次やったら許さないわよ。」

悪巧みじゃないよ、と言って空を見上げる。

雲ひとつない綺麗な青空。

まずは来月の彼女の誕生日からかな。

僕と彼女の話はまたの機会に。了

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ポップコーン @kota15

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