第12夜 自分が自分であることの証明
はじめに申し上げておくが、タイトルは哲学や小難しい思想とは無縁である。
実は筆者は運転免許証を持ってない。
東京生まれの東京育ち。
交通アクセスの発達した都市では車は贅沢品。
学生時代は色々あって取得する機会を逃してしまった。
免許を持ってないことにずっと密かなコンプレックスを抱えていた。
「車なんて運転するもんじゃない。運転させるもんだ」
昔のどっかの誰かの言葉でコンプレックスは解消された。
それに身分を証明するのは保険証かマイナカードで事足りる。
ところで筆者は大事なものを落としたり失くしたりする事が多い。
自分でもよくわかっている。
なので財布やキーケースはチェーン付き。
それをウエストバッグに入れている。
カッコは悪いがおかげで一度も落とさずに済んでいる。
筆者の行きつけの病院では受付に保険証とマイナカードを提出。
チェック後にそれらを受け取りすぐに検査に向かう流れ。
保険証とマイナカードを受け取った後にすぐ安全にしまうためのファスナー付きメッシュケースを100円ショップで購入した。
定期検診の日。
早速、受付に提出した保険証とマイナカードを受け取りメッシュケースに入れてファスナーを閉めた。
診察を終え、薬をもらい、帰宅してからメッシュケースの中を整理してると保険証とマイナカードがない!
何度探してもない。
薬や領収書を入れるためにファスナーを何回か開け閉めしたが、落とした覚えはない。
また暑い中、再び病院と薬局と交番に行くハメになったのは言うまでもない。
なので今現在は自分が自分という証明ができない不思議な状況になっている。
最近の筆者はとある理由で身分証明書を求められる機会が多い。
なのでマイナカードを結構重宝していた。
指紋の全指登録、眼の虹彩、DNA情報の義務付け。
ペットがそうであるように国民一人ひとりにチップを植え込む。
いつか実現するのだろうか。
管理のため、証明のため。
もし「今すぐ筆者が筆者であることを証明しろ」、なんて警察などに言われたら筆者は短編を即興で一作書き上げるつもりだ。
文体には個性が出る。
司馬遼太郎らしさ、山本周五郎らしさ、星新一らしさ。
きっと筆者にもはらだいこまんまるらしさが出るはず。
もし読まれた方が筆者の個性を感じられなくてもAIなら何とかなるのかも。
そう信じている。
漫録千夜一夜 はらだいこまんまる @bluebluesky
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