ケーキの行方
それから数日後、電話が掛かってきた。
「この間のケーキの件だけどね、ちゃんと犯人が自白してきたよ」
「そうか、それは良かった」
「美味しそうだったから思わず食べちゃったらしい」
「微笑ましい事だな」
「そうだろう?それでな食べてみたら凄く美味しかったそうだ」
「ほほう、それは楽しみだな」
「それでな本人が君に直接持っていきたいそうだ。今度の週末は大丈夫かな?」
「あぁ、たぶん暇してるよ」
カレンダーに予定が書かれていない事を確認しながら答えた。
「それじゃあ、また今度」
そう言って電話が切れた。
「可愛らしい犯人がくるのなら、私は紳士的に出迎えなくてはな」
甘き罪 柊 撫子 @nadsiko
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