第5話 夫婦として
で、何事もなく、高校を卒業した。
楓さんは、母の後を追い、鉄道会社に就職した。
俺は、鉄道は好きだが、主観的ではんく客観的に見たくなり、
大学へ進学し、鉄道雑誌の出版社に就職した。
現在も、同居はしているが、すれ違いが多い。
楓さんは、順調に出世をし、今では運転士となった。
そしてある日、鉄道雑誌の取材で、楓さんを訪ねた。
普段は家族でも、ここでは仕事の場、けじめは付けないといけない。
「大坂さんは、どうしてこの会社に就職なされたのですか?」
「両親が、勤めているので、後を追ったのです」
「でも、大変でしたでしょ?」
「ええ、でも私は一度も、そう思ったことはありません」
「どうしてですか?」
「ある人の、存在です」
「それは、ご両親ですか?」
ありきたりなインタビューだが、仕方あるまい。
「はい。でも一番の支えは兄です」
「お兄さん・・・ですか?」
(俺の事か?」
「母の再婚相手の連れ子だったんですけど、とても優しくてすぐに惹かれました。」
「そんなに優しかったんですか?」
(本人を目の前にして言うか?)
「元々、クラスメイトだったんですが、その時は、頼りないと思ってました」
(否定はしない。でも、そこまで言うか・・・)
「でも、凄く優しくて、私を気遣ってくれて、今では大好きです」
「いい、お兄さんですね」
(照れくさい)
「私、待ってます。彼がプロポーズしてくれるのを・・・」
「もし、されなければ?」
「待ち続けます。いつまでも・・・」
(これは、逆プロポーズなのか)
こうして、インタビューは終わったが、とても掲載出来ない。
なので、大幅にフェイクをした。
数年後、僕と楓はマンションで生活をしていた。
兄妹ではなく、夫婦として・・・
青春に歳はない。
自分が青春と思っていれば、いつまでも青春だ。
青春18きっぷのように・・・
青春に歳はない 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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