各コロニー

ざっくりとしたイメージで止まってます。


・十二時、転送装置のコロニー。


唯一この世界から異世界へ安全に出られる手段で、それ故に神聖視されている。襲撃者は少ないが侵入者は多い。


上層、転送装置。

どこにどういう風にあって、どんな形か、大きさか、全部が最高機密。なのでガラス越しでも中が見えない。


下層、輸送コンテナ。

地下鉄駅、人と物との流れは多いが限られた人間以外はコンテナ内部に入れられた状態で通過する。


・一時、カンパニー本社。


人事や命令系統など、文字通りの中枢機関。ここも他とは隔絶されている。


上層、会社。

異世界についての人事や為替、株や営業など、普通の会社がやっているようなことをやっている。弁護団もここに常駐している。

内容としては異世界でなくてもやっていることをやっていて、ある意味で一番面白くない。

社長はここに詰めており、セキュリティの関係で表に一切登場せず、通信でのみ、命令を下している。なので死亡説が出てる。


下層、博物館。

カンパニーが異世界で集めた情報や貴重品を収集するための施設群。金銀財宝だけでなく美術品や歴史書など文系として価値のあるものを集めている。

一般公開されることもあるが、希。

なお、呪われてたり生きてたりでトラブルになることも多い。

また、秘密になっているが、最悪の場合、わずかな人員限定のシェルターも存在している。さらにトップシークレットとして、緊急用脱出転送装置もあるが、噂以上を知るものは利用できるものか、死んでるかのどちらか。


・二時、工場地帯。


各コロニーの機械部分を製造している。一番電気を食うが、生命線でもあるため、時には本社よりも優先して防衛されている。


上層、太陽光発電施設。

可能な限り電力を確保するため、ソーラーパネルが敷き詰められている。が、その下に機械工学系に通じた住民たちが集まり、スラムを形成して電気泥棒をしている。本来は駆除すべき相手だが、時折ずば抜けた発明を提供するため、黙認されている。サイボーグ手術もできる。


下層、工場。

電熱による鉱物の精製から、精密機器まで、大体のものはここで作られている。スクラップ場や手創り工房もあり、複雑化している。また変なマシーンで次元がねじれてたりして中はかなり混沌としている。


・三時、バカンス。


海に面した観光地。もともとは海水の浄化実験場だったが、目先の利益のために急遽改造された。


上層、パラダイス。

半分が人工の海で残りがシャレオツなホテルとビーチになっており、ゲストが楽しんでいる。海には釣り用の巨大魚が放たれていて、人を餌に育っている。ホテルにはカジノ場も併設してあり、エキサイティングしてる。


下層、神殿。

ゲストがナイショでお楽しみやら復讐やらのためになんやかんやと契約するための施設。悪魔とか旧神とかいる。

半分海で海洋実験施設も残ってるため狭く、湿ってる。


・四時、食料


コロニー全域の食料を生産している。


上層、山。

中央に小高い山があって効率的に太陽光を利用できるようしてある。下の方はビニールハウス、山の上に行くほど高価な作物を育てている。また下の方でも通路や出入り口から遠い場所はジャングル化しており、野生化した生物が跋扈している。当然、危険度は高い。


下層、動物園。

家畜や実験生物を育てている。コンクリ打ちっぱなしだったりコンテナのまんまだったりする。

それとは別に品種改良や遺伝子改造施設もある。

一番広く大きいのは地上から集めた食品を加工して出荷する工場で、高級品から生ゴミをなんとかして皿に乗せたものまで多岐にわたる。

いつか開かれた異世界生物戦闘実験の一部はここで行われた。


・五時、商業施設。


主にゲストが買い物するための場所。あちらこちらから集められた珍品貴重品が集まっている。


上層、デパート。

近代的なビル群が立ち並び、賑やかな通り、音楽も流れ、ワクワクさせる。中は食料品から衣服、電化製品に書籍など、金額次第で大体の物が手に入る。また専門店も多く、オーダーメイドも受け付けている。その他、レストランや映画館、医療施設もあり、屋上の一部は遊園地になっている。


下層、コロシアム。

上で買い物するために命を売る場所。合法非合法問わず、借金をした人間が賞金目当てに集められ、殺し合いをしている。また上層にはない武器もここでは買うことができ、そのデモンストレーションとしてスポンサーが配下に持たせて戦わせることもある。

奴隷販売の市場もあったが、今は目立たない。


・六時、学校。


異世界転生したチート能力者を集め、最低限の知識とモラルを与えるためのコロニー。内容は現代日本に近く、敷地の殆どが中高の学校施設となっている。


上層、何気ない日常。

アスファルトにコンクリート、マス目状に区切られた区域に学校と関連施設が並ぶ。全寮制で、学校ごとの特色はあるんだかないんだか。やたらと生徒会が強く、また他校との対抗意識があるため、生徒主導の抗争が日常化している。ある意味で最も治安が悪い。

教職員の募集はいつもしており、給料も良いが、条件が厳しい上にすぐ死ぬ。

学校は理系中心で、歴史や文学などは異世界次第なのとネタバレ禁止のためにあまりとられてない。施設としては学食、プール、部活寮、グラウンド、一部は地下に併設してある。


下層、何気ない非日常。

地下は近代的な基地となっていて、学校の敷地内であるところもある。

だが多くはチートの研究施設として稼働している。

また引きこもったり、問題行動を起こした生徒を確立、観察する施設もある。

ここらは上層生徒により実効支配されており、現在の内情は不明。


・七時、ファンタジー。


深い森、旧型の石と木の家、放牧に麦畑にダンジョンと、中世ファンタジーを思わせる。

魔術関係の人員を住まわせるためのコロニーだったが、魔法という独自の強みに自給自足を行える能力から、独立独歩で暴走しがち。

観光地として人気だが、命に係わるトラブルが絶えない。


上層、表の世界。

森、草原、山、川、泉、沼、村、町、城、教会とまんまファンタジー。ところどころに地下へと続く穴があり、ダンジョンとなっている。

生活は中世レベルながらそこかしこに近代科学が生きており、例えば風車は電力で回し、同時に石臼も動かしている。また水の流れもポンプによる。

だが野生動物として魔獣の類が跋扈しており、エルフやドワーフなどの難民も抱えて秩序とは無縁となっている。

また屋敷の類が多く、そこに偏屈な魔術関係者が住んでいる。


下層、裏の世界。

地下空間。薄暗いダンジョンも多いが、多くが広い部屋に魔法というチートで独自に酸素を供給し、他の普通の世界と変らない環境を再現している。

そこに色々な種族が派閥を作っているが、最大大手は吸血鬼。

なお、不法投棄されたゾンビが地下鉄を徘徊しているのが最近の社会問題。


・八時、無法地帯。


元はコンテナ倉庫だったが、諸々あって溢れた人員を詰め込んだ居住地区。

治安最悪で麻薬などが蔓延している。

カンパニーとしては殲滅して掃除したいのだが、新体制の人道主義と攫われた人質、それにカンパニー内部との癒着と、有事の際の逃亡先となっており、潰すことができない。

中で暮らす人々は他へ出稼ぎに出て食料とゴミとを買い集めて持ち帰る。良くも悪くも物が溢れている。


上層、スラム。

コンテナ、廃車、コンクリ打ちっぱなしのビルなどにそこらから集めたスクラップやゴミで飾り付けた居住区。

中央には工事用の大道路がまだ残っており、それがそれぞれの地域の境界線となっており、縄張り意識が強くなっている。

ここでは人狩りや人体実験が個人集団問わず行われおり、それと対抗するための自警団も組織されている。そこへマフィア、ギャング、ヤクザが介入していっそ闇を深くしている。


下層、ブートキャンプ。

データ上では未開発となっているが、実際はカンパニーでの過激派、タカ派が秘密基地を建設し、上層からさらったりスカウトした人員を兵隊として育てている。

基本となる歩兵を育てるための施設だが、ドーピングや最新兵器、魔法やサイボーグなども存在する。

カンパニーとしてはここは潰したいのだが、上層スラムが暴走しないよう押さえる役割もあり、手出しできない。

一方で、こちらも長続きしないとは分かっているため、ここだけで異世界へ侵略に出ようと画策している。


九時、廃墟。


開発当初は普通居住区だったのだが、原因不明の攻撃により天井に穴が空き、全滅した。

現在は復旧工事のために巨大ロボが入っており、それらをメンテナンスするための前線工場ともなっている。


上層、工事現場。

ほぼ外と環境が同じため、生身で行動することができないので、動いているのは専用のスーツを着ているか、巨大ロボットに限られる。

コロニー外への出入り口が最大10m四方なため、これを超える機体はバラしての出し入れとなる。

天井修復のための基礎工事中と若干残った廃墟の破壊が行われているが、遅々として進まず、むしろここから出て西の鉱山へ遠征するための準備と、集められた鉱物の集積場となっており、泥沼化している。

タイタンズグラウンド、巨大ロボット限定のコロシアム。全て非合法ながらそれなりの数があり、純粋な戦闘から野球やお遊戯まで、競い合っている。人気があり、人も集まっているが、エキサイティングしての乱闘は戦争レベルの破壊が起きる。


下層、ピット。

皮肉にも地下に作られた部屋の方は機密性が残っており、それぞれを補強して居住区やロボットのメンテナンス工場としてあてがわれている。酸素の補給がボンベなのと、地震一つ亀裂一つで窒息することを考えると、暮らそうとするものはまれだが、宇宙やSFのロマンに毒された輩が後を絶たない。また、一定以上出世すると自走基地を買って外へと出る。


十時、刑場。

カンパニー内の法律に逆らったものを集めて収容する施設。

ボタン一つで中の酸素が抜かれるため、暴動はあっても規模は限られている。

人道主義に走ったため、法も理不尽なものは減り、処刑数も減少したが、その分のコストが重荷になってきている。


上層、刑務所。

地上の半分が収容施設になっている。

それぞれ機械、魔法に対応した収容施設になっており、脱獄は正式には発生していない。

軽犯罪で収容されれば他よりも安全に、食事も出るため、ここを狙う犯罪者も多いが、大抵の場合は逮捕前に殺される。


下層、デスゲーム。

極刑が極端に減った代わりに作られた施設。表向きは命がけのショーで出演料を稼ぎ、民事などの補償に当てる、となっているが、要は口減らし。処刑の代わり。

内容は月単位で代わり、原則として囚人は同じ月に同じデスゲームへ連続して参加はできない。

内容は純粋な殺し合いから、トラップハウスからの脱出、公開人体実験に、新製品のテストなど多岐にわたる。


十一時、武力。


カンパニーが所有する正式な戦闘集団。

ここの環境に合わせて外部はサイボーグやロボット中心に、対コロニー鎮圧用には魔法騎士団が出張る。なお機械と魔法は仲が悪い。

しかし昨今の軍縮からの危機感から、本社からの命令を無視することが多くなり、同時に発言力をもたせたくない本社も多様を控えている。


上層、警察。

魔法騎士団を中心とした治安維持部隊の訓練及び駐屯所。

中央に巨大な城が鎮座し、その周囲を荒地が囲っている。

魔法により水は独自に確保できるが、食料は限られており、ここだけで半永続的に生存可能、とはならない。

各地にダンジョンや試練場があり、そこに精霊や伝説の武具を封印し、テストとして兵を送り込んで、クリアして認められ、契約を結んでパワーアップ、というメソッドが完成されている。

外部から人を招いて武術を学ぶこともあるが、実際はやっつけて自尊心を満たそうとするため、八百長依頼がセットなのが普通。ギャラは良く、外面を気にしてないので秘密保持契約もなく、生きて帰れるが、雇われるためには知名度が必要。

また、公式にカンパニーは認めていないが、ドラゴンも何等かここに住み着いており、交流を重ねている。


下層、軍部。

各異世界に展開する軍へ一括命令できる中央基地。なので重要度は高いのだが、純粋な戦力としては多くはない。

頑強なシェルター内部に眠る無数の無人機たちが主力。人員は少なめで、少数精鋭と言い張っているが、実際は多くがヘットハンティングされてこの規模に落ち着いた。その上でクーデターの噂が絶えない。

無人機はパーツの製作と組み立てを別々の異世界で行なっており、最後にここに運ばれてプログラミングされて完成となる。おんなじようなのがいっぱい出てくる。

本社や独自のプロトコルにより一斉に稼働、対象を撃滅する。

動き出したらお終いの最終戦力であり、故に融通が利かず、扱いずらい。


零時、センター。


各コロニーの輪の中心にある1kmのコロニー。

新たなコロニー制作のためのテストだったが、予算の問題で一つで止まっている。

簡素なコンクリート打ちっ放しの内部で上層下層の区別はなく、ここが一つの駅として解放されている。

その他、地下鉄や各コロニーの連絡網の中央コントロールのための施設も併用している。

各コロニーの輪の内側はゴミ捨て場になっており、なんでもかんでも捨てるせいで地味に襲撃が多い。

重要度は高くないためか、各コロニーでも中立の場所で、ここで代表者同士が会談を行うこともある。また、壊れてもペナルティが低めなので派手な戦闘を試みる輩も珍しくはない。




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(仮)自主企画用設定 パーフェクト・ワールド・カンパニー 負け犬アベンジャー @myoumu

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