いじめ、家族問題、恋心……現代社会で起こる、不可思議で陰鬱な事件。
時にそれは、魔族による「破壊活動」のせいで起こる。理不尽な破壊から、人間界を守ってくれる「魔王軍特別部隊破壊活動防止班」の活躍の物語。
人外らしい能力にあふれたバトルの魅力と、事件の解決のあざやかさが魅力。
魔族の「破壊」は、人間の心の闇に漬け込んだものが多いのですが、その心理描写は容赦なく、生ぬるくありません。ですが、同時に人間の心の強さや思いを肯定し、助けてくれる破防班の人外たちは頼もしく、親近感が湧くのです。
異端の能力(魔女)を持つヒロイン・優香と人外たちとの疑似家族の様子は、力ゆえに実の家族から疎外される優香への優しさにあふれ、幸せさを感じます。一方で、ほのかな恋心に揺れる描写もあり、これからの展開が気になります。
世界の身勝手な「破壊」を阻止するために活躍する通称「破防班」の家族のお話。
ほのぼのとした義理の家族達の日常もゆったりしていて良いですが、そこに人の闇や身勝手な魔族による破壊……といった展開もあり。
まだ第一章までですが、とてもお話のメリハリがはっきりとしていて、すんなり読めました。
何より本作の主要人物達が形成する疑似家族の関係性が個人的に好きです。
創作物において「異形」は「友達」という触れ込みであっても人間と必ずしも対等な目線でないこともある一方、この作品は対等目線であることにこだわっているのかな、と感じることがよくあります。
種族、立場、年齢などがバラバラだからこそ成り立っているというのが伝わってくる家族の雰囲気が個人的にはとてもツボでした。
戦闘場面も程よいテンポで格好良いです!