NPO法人にゃんけん

作者 九里方 兼人

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★★ Very Good!!

おそらく、この物語を読んだ方は様々な意見をその胸に持つことになると思います。訴えかけてくるテーマがこの物語にはあります。
命は大事です。
それを当たり前だと言う人は多いでしょう。しかし、粗略に扱われる命があります。そのすべてを丁重に扱うことが難しいというのも、また事実でしょう。
問いかけてくるそれに、あなたなりの答えを見つけ出してはいかがでしょうか。
おススメです。

★★★ Excellent!!!

野良猫を保護するNPO法人の活動に着目した物語。

「命あるものは尊い」という言葉に真正面から反発する人は少ないでしょう。それが犬や猫といった馴染みの深いペットなら尚更です。
本作はそう信じる人間たちを描いた力作です。

登場人物の一人ひとりが「いのち」に対するそれぞれの考え方を持っており、ときにそれは摩擦を起こし、あるべき姿への迷いのようなものを生じさせます。
物語のなかで何より素晴らしいのが、どの立場、どの考え方に立っても「それが正解だ」と言い切らない姿勢です。

動物を愛する人も、愛していない人もどうか一度目を通してください。
この世界のどこかで「命あるもののために」必死にたたかう人間の姿はとても美しい。

★★★ Excellent!!!

猫の保護活動の内容のわかりやすさはもちろんのこと、しっかりと理念、考え方が書かれていて非常に勉強になりました。
作者さんの考え方を押し付けるのではなく、作品に登場する様々な人物が考え方を衝突させながら話が進んでいくので、何が良いことで何が悪いことなのかを自分で考えさせてもらえます。

お話としてもとても面白く描かれており、特に、口が悪いけど考え方が純粋な葉介さんと、仕事はできるけど考え方が腹黒い真央さんの軽妙なやり取りがクスッと笑えます。

★★★ Excellent!!!

NPO法人の方々から猫を引き取るというテーマはよくドキュメンタリー番組や教材ビデオなどで観ることがありましたが、そういった映像資料では見せてくれない裏側まで、分かり易く丁寧に書かれており、とても面白かったし、同時に為になりました。
私もいつか動物と暮らしたいと思っている身ですので、この作品を通じて知ることが出来た事を糧として、考えていきたいと思います。
本当に素晴らしい作品をありがとうございました。