野良猫を保護するNPO法人の活動に着目した物語。
「命あるものは尊い」という言葉に真正面から反発する人は少ないでしょう。それが犬や猫といった馴染みの深いペットなら尚更です。
本作はそう信じる人間たちを描いた力作です。
登場人物の一人ひとりが「いのち」に対するそれぞれの考え方を持っており、ときにそれは摩擦を起こし、あるべき姿への迷いのようなものを生じさせます。
物語のなかで何より素晴らしいのが、どの立場、どの考え方に立っても「それが正解だ」と言い切らない姿勢です。
動物を愛する人も、愛していない人もどうか一度目を通してください。
この世界のどこかで「命あるもののために」必死にたたかう人間の姿はとても美しい。