制服

私は人生で初めて女の子の制服を着た。なんだかんだで私は女の子だったから他の子に少しばかりか憧れていた。少しばかりか嬉しかった。まあ入学した学校は化粧ありだったから学校に化粧して行けるなんて夢にも思わないことだった。入学式の日はいつもより早起きして凝った化粧をして行った。学校に行く時に化粧なんてしたことなかったからどうすればいいのかわからなくてとても迷ったが、薄めの化粧で行くことにした。さすがに入学式式で派手な化粧はできないと思ったからだ。学校に行く日途中から啓太くんと一緒に学校へ行った。初日からあの二人って彼氏彼女関係なんだ。と冷やかされたけど、元々同じ中学にいた人達は、やはり私の存在に気づていない。というより気づけないと言った方が正解なのかもしれない。しかしここから厄介なことが始まった。元々同じ中学の人たちが啓太君に私との出会いについて、深く掘り下げてくるのだ。私は私が女だったことがばれていじめられるんじゃないかと心配したが、彼が「僕、元々茨城県の常総鉄道線沿いに住んでてさ、その頃の幼馴染。」とうまい具合に言い訳をしていたのでその事態は免れた。まあ顔つきが似てるね。って言われることがあっても。そして入学式が始まった。一人ずつ名前が呼ばれた。どうやら呼ばれた順に出席番号が与えられているらしい。私は尾宮 咲柚那で彼は、篠原 啓太だったから出席番号は始めと中ぐらいだった。そしてクラス分けの紙が渡された。一瞬駄目だなと思ったが、なんと同じクラスだった。心の中はカーニバル状態だった。教室に行くと違う中学から来た人が大半だった。だけどどうやらみんな同じ中学から来たのか、教室の中はガヤガヤしていた。私は彼と二人で取り残されているような感じだった。先生は私より少し高めの若い女の先生だった。結構綺麗な人だった。だから男子はみんな担任の先生に釘付けとなってしまった。しかし私の彼氏は先生の方を向くことなく、私の方を向いてにこやかに笑顔を見せながら手を振ってくれた。だから私も手を振り返した。LHR(Long Home Room)の時間に担任の先生が学校の校則について色々言っていたが、そんな事なんてこれっぽちも聞いてなかった。後から友達に聞いた話だが、校則の話の後は主に行事のことについて話していたようだった。そしてLHRが終わる間際に私の元に40Pぐらいある冊子が届いた。中にはオリエンテーション合宿についてと書かれていた。

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