受験

やっとこさの次の日の朝を迎えた。昨日告白した事が学校中に噂して広がってないか不安だった。学校に着くと意外な事に、噂など広まっていなかった。安心して学校生活を送れたが、恋人の篠原 啓太くんとは恋人らしい付き合いもなく、LINF上でやり取りをしている程度だった。しかし流石に恋人関係なので、LINF上では毎日トークをしていた。暇な時間はいつも。ある日啓太くんとのLINFトークで受験の話が出た。

「俺たち必至に勉強して土棚高等学校行かないか。」

と。もちろん大賛成だった。しかしその時に私の運命を変えるであろう事を言ってくれた。

「戸籍は18才未満の人は親同伴で改名ができるらしいよ。あと性転換扱いで性別も変更しとけば。」

知らなかった。さっそく家に帰って親に言ってみた。親もどうやら知らなかったらしい。私は今の中学で戸籍変更をやるといじめにあうと思ったので、高校進学時に戸籍変更をすることにした。私は毎日家に着いたら猛勉強をしだすようになっていた。勉強の合間には啓太くんとLINFをしていた。すると中学の定期試験の順位も上がっていき周りの友達や先生から

「咲柚男。最近成績が上がってきてるがなんかあったか。」

とか言われた。そして受験日当日。親には

「同じクラスメイトで仲がいい友達が同じ高校を受験するから。」

と言って、車で私と啓太くんを受験会場まで連れて行ってもらった。試験はなんなく解けた。そして二人とも無事合格した。私達と同じ高校に行く人は、私と啓太くんだけなはずだった。その後は、普通にみんなと混じって話をしたりするいつもに戻った。そして中学の卒業式の日。当然私達は、泣かなかった。だけど何故だか知らないが、さんざん私をからかった奴と別れてしまうのは、ものすごくさびしかった。そして私達は打ち上げに行った。そしてそこで一人ずつ今後したい事を話す時間があった。そこで私は、

「高校に入ったら青春をしたいです。例えば好きな人とデートとか。」

意外にみんな驚いた表情だった。どうやら私がそんな事を考える人だとは思っていなかったらしい。そんな事をしているうちに中学は終わった。そして私達は春休みに初デートをした。もちろん私は女子の姿で。それは人生で初めてキュンという思いをした。私はこれから啓太くんと仲良くやっていけそうに思えた。同時に啓太くんと私でこの先も永遠に幸せになれるように私は願った。そうしたはずだった。

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