第四話 ご主人様ですが、何か?

 ハーレム。なんと甘美な響きだろうか。どんな男だろうとこれを想像したことはあるだろう。いや、男だからこそ......かな?(キリッ)まぁ、ハシバは忠実な僕なので男の方には入れなくともいいだろう。


「兄貴の顔マジでキモイんだけど。どうせハーレムだとか思ってんでしょ?」

「召喚者様の事、欲望に忠実で私は好きだけど?」

「貪欲なのはオラもいい事だと思うだよ?」

「え......」


 さすがは☆6キャラ達。分かってるね?


「ところで召喚者様。召喚者様の事はどうお呼びすればよろしいのでしょうか?」


 そういえば、みんなバラバラだったな。んー、特に決めてないからとりあえず、


「女はご主人様。男は閣下でいいかな」

「はっ、分かりましたご主人様」

「オラだけ閣下って呼べばいいんだべね?」


 うむうむ、良きかな良きかな。ハシバは似非方言が混じっててよく分からないけど。


「うわぁ、女性にご主人様って呼ばせてる~。キモ~」

「ご主人様ですが何か?」

「......ただでさえ低評価だったのに、今下がりすぎてマントル突き破って、裏側に出ちゃたんだけど」

「「「「「......」」」」」

「え、みんなシーンとしないでよ」


 あたふたしている妹はマジ天使。後、マントル突き破って裏側に出ると逆に一周してない?(こちらも謎)


「あ、あの。ご主人様。こちらの武器と家はどうするので?」


 あ、そんなのもあったね。


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 結局、武器は全部勝手に配分させることにした。決めるのめんどくさい。デュアルストライクとかいう二丁拳銃はセレネに、妖刀はハシバ、なぜか月夜は誘惑メガネをもらっていた。後はクリミナルハンドカフスという手錠があったが、ノーリ曰く呪物だというので《冷蔵庫》の中に厳重?に封印した。正直呪いやらなんやらについてはよく分かっていないので丸投げだ。


 家の中は外から見るよりも広々としていて、寝室も五部屋あった。一人分足りないが、兄妹は一緒に寝ればいいだろう。キッチンもダイニングもあった。正直うちのアパートよりこっちの方が設備がいい。


 そして、今は夕飯の時間だ。


「......兄貴。お腹空いた」

「いやあの兎肉食べたじゃないか?」

「思春期女子には足りません」


 今は絶賛食料難だ。かなり大きめの兎とは言え、六人で分けると物足りない。ガチャで出てきた四人は無言だが、月夜はお腹がクゥとなっている。他は普通に大丈夫そうだ。


「あー、モグドナルドのギガモッグ食べたい~」

「太るぞ。折角可愛いのに」

「黙れ粗大ごみ。焼却されたいの?」

「脂肪を燃やしたら?」

「死ね」


 強烈な連続キック。ま、まさか、俺が昼に使った死肆空脚をこの短時間でマスターしただとっ! さすいも


「あれ? 妹ちゃんってかなりできる方?」


 ノーリが少し驚きながら言った。


「言っておくが技を考案したのは俺だがな」

「ご主人様はできるって分かってるわよ」


 さっすが☆6。分かってんじゃん。


 蹴った後に座り込んでいた妹が突然思い出したように言う。


「そういえば、私達ってあの四角い冷蔵庫型の出入口で元の世界に帰れるんだよね」

「そうだな」

「じゃあ、元の世界から食料持ってくればいいんじゃ」

「そうだけど? 気づかなかったのか?」

「気づいてんなら言ってよ!」


 そういって妹は家のすぐ前にある門に走り去って行った。よほどお腹が空いてたんだろう、非公式だが世界記録に一番近い最年少の俺に近い速度だった。恐るべし我が妹、いや流石我が妹。


 ......お腹をキュウキュウとかクゥクゥ鳴らしてる月夜の分も買って来いよ?


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「ハム。ななな、何ですか!? こ、これは!?」

「モグモグ。期間限定のチーズギガモッグスペシャルだけど?」

「ハムハム。こ、このとろけるような味わい、肉汁があふれてくる豪快に挟んだ肉、そしてこのボリューム感!」

「モグモグ。ギガモッグだからね」

「ハム。至福です......」


 月夜可愛い。そういう食いしん坊キャラ好きだよ。あと、誘惑メガネの効果なのか泣きぼくろと眼鏡の魅力がすごい。なんかそそられる。


「モグモグ。兄貴顔キモイってば」


 ふ、そんな罵倒には屈しないぜ?


「妹ちゃんは恵まれすぎてて気づかないだけで、さっきのご主人様の顔でも大半の人は惚れるね」

「趣味悪」


 く、そ、そんな罵倒には屈しな......、


「この馬鹿兄貴のどこがイケメンなんだし」


 ぐっはぁ。お、俺は美の男神なんだぞ! 世界一のイケメンなんだぞ!


「この自称美の男神はこう言っとくぐらいがちょうどいいの」

「ご主人様がちょっと可哀想なんだけど」


 まあいい。いや全然良くないけど、時間も時間だしあっち側の世界に戻った方がいいんじゃないか。


「妹よ。そろそろ帰るぞ」

「え? 何で?」

「明日も学校あるだろ?」

「そういえばそうだ。え~でも、戻りたくな~い」


 おっと、甘えモードに入ってきたぞ。


「寝過ごしたらどうするんだ」

「兄貴が目覚まし持ってくればいいでしょ」

「部屋も五室しか無いし」

「兄貴はリビングで寝てれば」


 辛辣。


「ご主人様。大丈夫です。この月夜が添い寝させていただきますから」

「いや、私がイイコトしてあげるから。私と寝よ」


 くっ、この二択だって!? 選べるわけがない。一度ピンクサイドに堕ちてしまったから、容易にイイコトを選ぶわけにはいかないのだ。


「あ、じゃあ一番大きい寝室のキングサイズは私のね?」


 妹よ。それは流石に図々しいぞ。


「では、キングサイズを私達三人で使うとして、残りは適当に話し合って決めてください」

「はぁ。言いたいことはあるけど、何か疲れてどうでも良くなってきた」

「オラはどこでもええだよ」


 結局、月夜とノーリが離れたがらないので三人でキングサイズのベッドに寝ることにした。さっきからずっと静かなセレネはいつの間にかソファで寝ていた。本人曰く、

「疲れはトレル時にトラなキャ、ダーメデースヨ」

 らしい。セレネ、ハシバ、妹は普通のシングルサイズのベッドで寝るらしい。一室ダブルサイズの部屋が余ったが、いつか分からないけどガチャで人が増えたら使わせよう。


「ねぇ気持ちイイ?」

「ご主人様。私もしたいです」

「あー、うん次な。気持ちイイな、これ」

「でしょ? 今日は色々あったらしいし、ご主人様にはご褒美をあげないと」

「は~や~く~、私にもやらせてください~」


 月夜は真面目そうな見た目に似合わず我儘みたいだ。それも可愛いけど。


 今は絶賛マッサージ中である。あー、気持ちイイ。中々の腕前だ。本人はまだまだと言っているが、プロ級だと思う。これでまだまだだと言うのなら特技のオトナの遊びはどれ程のモノなんだ? ぐへへ。


「ご主人様。鼻の下を伸ばしちゃって、そんなに気持ちイイんですか?」

「あぁ、やばいよこれ。月夜も今度やってもらうといい」

「ご主人様にそう言って貰えるなんて嬉しいわね」

「ぐふふふふ」


 ハーレム。いや、二人だけだったらハーレムにはギリギリならないか。とにかく今は幸せ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「量産型魔王一号。もうすぐ出番ですよ」

「HAHAHAHAHAHA! The time for me has come!」

「さぁ、存分に暴れちゃってください」

「YEAHHHHHHHHHHAAAAAA!」

「あぁもう、うるさいですね。あの二人の力を試す為に作ったのに消したくなります」

「......foooo」

「二人には無人島としか言ってないですし、魔物はありですよね」

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冷蔵庫の中の異世界無人島に変態イケメンの俺が建国するから見とけ れもんと紅茶 @lemonicetea

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