第3話


「さようなら」



僕は黒板にそう書くと、家に帰った。

泥のように眠った。

目覚めると、もう日が傾いていた。

気がつくと僕は、また自転車で学校へ向かっていた。

僕の破片が

まだ教室に残っている気がした。




「さようなら」




僕が書いた文字の下に、誰かが返事を書いていた。




「さようなら」




春子だろうか?それとも…

この教室には

他の誰かの破片も落ちているのかもしれない。




窓の外を

夕陽を受けてキラキラと輝く飛行機が

明日へ向かって飛んでゆく。


綺麗だと思った。





これが僕の卒業のお話。

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明日の黒板 ぴおに @piony

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