短くてキレ味があるのに、どこか愛しさを感じるこの物語。いい文章は、文字の量とは関係ないってことを、再認識出来ますよ。
文字数1000字以下で、これだけの内容を語れる作者様は多くないでしょう。主人公の心は炎のように熱く、勢いは竜巻のように疾く、描写は稲妻のように鋭い。無駄を省いて美味しい所だけを残した、そんな青春のお話があります。
ふんわりとした雰囲気で包まれている作品。切ないはずなんです、このお話。でも、暗くない。キラキラした青春の甘酸っぱさで満ちています。企画参加作で、大まかなプロットが決められているという条件つき。そこを、こういう風に表現するのかと、目からうろこの感激でいっぱい。短編ですが、心に長い余韻をたっぷり残してくれますよ。おすすめです。
文字数830字。今、確認して驚きました。こんなに短いのに、なんと豊かで情緒あふれる短編でしょうか。すぐ読めますので、先入観なしで是非! おすすめです。
全く余計な言葉がなく、短い中に主人公の思いが凝縮された作品です。詩のように読める中で夏男の心と同調できます。失恋の痛みを追体験できる、悲しくも美しい作品です