この『鏡の先に君をみた。』を27話まで読み、これを書きます。
この作者の小説は他に【欠けたあなたに酷薄と追悼を】の1点がある。今さっきだが、一話目の最初を見ただけで「ああいい作品なんだろうな」と思った。
どんどん読みたいものが溜まっていってしまっている。カクヨムはプロ以上の作品が多すぎる。これじゃ本屋で選ぼうとしても読みたい本などあまりみつからないだろう。大半がカクヨムの作者達の作品より大きく劣る。
ついでに言えば、国語の教材にされる小説なども更に大きく劣ってる。
そんな良い作品達の中で、私にとってはこの『鏡の先に君をみた。』はトップクラス。
本が出たら買って、子供、その子供、に読ませたいな、と。
坪井栄は叙景での表現であったようだと記憶しているが、この作者は叙情でのそれ、の違いだけで、同じようなものを読者に与えるのではないか?
これは作者の力量だ。その人生から得た糧の集積によるものでもある。それは聡明さを大いに必要とする。
歳が幾つか知らぬが、もし若ければ海外を何年も放浪でもしてみてもらいたい、10年もすりゃ化物みたいになって帰ってくるだろう、それからの作品はどこまでになるんだろうか?などと勝手な妄想。コロナで入国できないけどねどこもw
なんだろう、言葉が尽きそうにもなくなりそうなんで、、
やっぱ、今の出版社の変臭達って、そうとうレベルが低くなりすぎなんだろう。
こんな作品などを見逃す低能や怠惰しかいないとよくわかる。
ログセラー商品として認識し、それとして販売することができるところに書籍、文庫でやってもらいたいものだ。
今時そんなとこ日本には無いかも知れんなぁ、、
幼馴染みだった仲良し四人組は、ある夏を境にバラバラになってしまう。後悔を抱きながら日々は過ぎゆき……そして高校三年の夏、彼らは突然の再会をすることに。
再び一緒に遊べることを喜びつつも、ふとした拍子にぎこちなさが過ぎる。それでも彼らは昔の友情を、取り戻せたと思っていたのだが——。
穏やかに始まり緩やかに友情を取り戻す青春小説、のような流れは、一章のラストで不意にひっくり返されます。
物語の本当の始まりは、そこからと言ってもいいでしょう。
心なんて見えないもの。
時にそれは自分自身をも欺いて、偽の感情を抱かせもします。
容赦なく真実を暴いてゆく「鏡」ですが、本当は、ただ本物が欲しかっただけなのでしょう。
青臭い友情だからこそ、いつか煌めく想い出として、懐かしく思い見ることもできるのでしょう。
完結後の番外編も、とても愛おしい物語です。
ちょっと不思議な青春小説、ぜひ最後までお読みください。