コーラを片手に気軽に見られ……ない！？

例えるならば、本作はポップコーンにキャラメルを掛け合わせたような作品です。

いずれも気軽でポピュラーな食べ物で、それぞれで食べても美味しい。だが味は真逆。しかし組み合わせれば味が引き立つフシギ。

もちろんただ合体させれば良いというものではありません。調理する人間の手腕によっていくらにも味は変化するものです。

ところが、この味つけが、また他とは一線を画しているのが本作の最大の特徴でしょう。
調理に、一見ジャンクな材料を大真面目に考察し、吟味し、こだわった結果出来上がったのは、独特の味わいを持つ、ハードボイルドなダークファンタジーでしょう。

もはやこれは、ポップコーンやコーラを片手に見られる気軽なアニメやB級パニック映画ではありません。

シックな高級感さえ持つ『読む映画』です。