第8話 約束

=======宮川家=======

ピンポーン。

『はーい』

宮川さんが出た。


「あ、こんにちは。」


「っ、こんにちは。どしたん?」


「あのー宮川さんにも、この案内届いた?」


そう言って僕はさっきの案内を見せた。


「…あぁ、届いたよ。」


「でも、」 「あの、」

『証明写真』

『…あっ』


被った、完全に被った!


「…そう!証明写真!持ってくの撮ってあるのかなーって思って!」


「…いや、撮ってなくて、、」


「…あ!そうなんだ!…それでさ、相談なんだけど、もし良かったら一緒に撮りに行かない?」


…ん?何言ってるんだ俺は!!

何、一緒にカフェ行こうみたいなノリで、

証明写真撮りに行こう

だよ!!変なやつじゃん!!

絶対引いてるよぉ!


「…ああああ!ごめん!別に一緒じゃなくてもいいよね!今の忘れt」


「いいよ。行こ。」


「………?え?」


「だから、一緒に行ってもいいよ」


…よっしゃあああああ!

「本当?じゃあいつにする?僕はいつでも空いてるから宮川さんに合わせるよ!」


「それなら、、27日はどお?10:00くらい出発とか?」


「OK!!じゃあ27日の10:00ね!」


そうして証明写真撮りに行く予定を立てた。

「あ、そうだ宮川さん。連絡先教えて」


「あ、そういえば。LINEでいい?」


こうして連絡先を交換した。

その後宮川さんは、

「…あのさ、さん付けじゃなくてもいいよ」


と言ってくれた。

じゃあなんて呼べばいい?

宮川ちゃん?なるちゃん?


「そ、そんなこと急に言われてもなぁ。

あ、そうだ、今までなんて呼ばれてた?」


「…なる。」


「なる、かぁ。呼び捨てかぁ笑」


「うちはそれでいい。むしろそれがいい」


ええええええ呼び捨て希望なの!?

じゃあこちらも希望していいかなぁ

…なんてなぁ笑


「…んんんわかった。

じゃあ僕も呼び捨てでいいよ」


おおおお我ながらナチュラルな発言!

何て答えるかな…


「わかった。恒介ね。」


…いい、とてもいい、女の子に下の名前呼び捨てで呼んでもらうなんて…!!


「お、おう。じゃあこれからはお互いその呼び方でいこうか。」


「うん。じゃあ明後日の詳細はまたLINEで連絡しよ。」


「そうだね。じゃあね」


「じゃあ、27日、約束ね」


「うん。約束ね」



…約束、やくそく、約束。

いい響きだ…笑


家に帰る短い道中、顔がにやけてた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

不便だけどそれがいい。 おと @ryouon

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ