お兄ちゃんの禁断の初恋①

市葉とは同い年の従妹で昔は今と違ってとても仲良かった。

俺の実家と叔父さんの家は近くなので、ものごころが付くときはすでに一緒にいたので、市葉のことは姉弟のように慕っていた。まぁ市葉は俺より先に生まれたから結局姉みたい感じになるのだが、市葉は実の姉の美国と違ってポケーーーーとしてドジを踏む生粋のドジっ子なので見ててほっとけれないタイプだ。

だから小さい頃は、頻繁に市葉の道場に来ては叔父さんの指導を受けてるあいつの姿を見学したり、庭で遊んでたりして楽しかった。




そのせいか妹の魁里が俺をいじるのがそれが原因だ。

大好きな姉との時間を奪う俺の事が相当妬ましかったのだろう。

恐らくものごころがついた時から親戚とはいえ家族以外の人間がちょっかいを出すのは嫌だったはず。

その妬みが積み重ねた結果、メスガキ・・・・・・・もといクソ生意気な女が誕生したのだろう。





あの頃の俺と市葉は時間を忘れるかのように遊んでいた。

家が近くなので勿論幼稚園や小学校も一緒だ。そして小学校に入ると、宗助も加わり三人と楽しんでいた。





その市葉と一時期恋人のような・・・・・・・・というよりお互い意識するような関係になったのは小5のお盆の日かな?

うちと神代家はお盆の日は、よほどなことがない限り神代の家に泊まることになっている。

まぁ家が近いから強制ではないが、お盆の日はうちの両親が神代の家で夜遅く飲むので、俺たち子供は向かいの畳がある広間に寝ることになってる。




今は流石にお盆で神代家に出向くが泊まったりはしないな。

この前のお盆の日は普通にあいさつ程度で出し、俺のバイトや市葉側の部活が合わなかったからな。

しかもそれが中学から続いてる・・・・・・・というより偶然市葉と会ったとしても俺が無意識に避けるのが正しいかそれくらい俺は市葉のことを極力避けていた。






話は戻すが、そのお盆の日の夜、各両親は今で晩酌して盛り上がってる中、俺たちは畳がある広間で寝て居ていた。

ちなみに姉ちゃんはテニス部の友達と泊まり込みだったから、広間で布団敷いて寝てたのは俺と魁里と市葉の三人だったかな。




あの時魁里はぐっすりといびきをかいて寝ていたが俺と市葉はどうしても寝られない気分で俺と魁里は寝れないのでテレビをかけ魁里や他の大人が気づかれないくらいの音量で肩を寄せてみていた。




そのテレビの内容は覚えてないが、恐らくケーブルテレビでやってたものだろう。海外の少し古い映画がやってて、それも字幕だったらしく無論俺達二人は子供的に内容できなかったのだろう。




その映画でなにより印象に残ったのはその主人公とヒロインの金髪美女が話の途中でベッドで横になり、そのまま性行為をしている描写だだった。

恐らくポルノ映画ではないらしいが昔の映画は今のように規制はあまりなかった。



生々しい性行為ではなくぼかしはあったのだが、女性の乳房がまるっきり見えていて男女が抱き着きながら喘いでいた。



その描写に俺達二人は目を手で隠していたが手指の間でそれをじっくりと見ていたようだ。




そしてその性的描写が終わり、お互いの顔を見るとすぐ照れて顔を隠して布団にくるまっていた。市葉は分からないがあの時俺は目がギンギンし一睡できなかったのは覚えている。




それ以来俺と市葉はお互いの顔を見るたびに必要に避けていた。

それもそのはずあんな性的なものを見た以降、今まで従妹同士意識していたのが、180度ガラッと変わっていたのだからどう接すればいいか分からないのだ。



無論それが何日か経っていた。勿論それが日常生活に支障をきたすのも当然。





『メン!!!!』

『がはっ』

『み・・・・・・みやこ!!!』

とある練習試合、俺は同年代の男の子に防げれるはずの上段をまともに食らったのだ。

その理由はただ一つ。対戦中俺は相手と実力が拮抗し鍔迫り合いを発生していたのいたのだが、ふと市葉の方に目が移り無意識に力が緩んでしまったのだ。


『おい大丈夫か!!!』

あまりの一撃で俺は気絶しそうになり、その直前にみんなが俺の方に向かっているのが覚えている。






次に移る光景は道場の縁側にて横になっていていたらしく、見上げるとそこには市葉が顔を赤くしながら俺を見つめていた。

どうやら俺は市葉に膝枕をしてたようだ。




『あ、・・・・・・・起きましたか?みやこ。頭平気ですか』

恥ずかしくてふと目をそらしてしまった。

その時の市葉の顔はなんだか普通より色っぽく感じてしまい俺の心はキュッと閉まるくらいとても苦しかった。

それが恋ってのは当時の俺でも察することが出来てしまった。

まぁなんとなくって感じだけどな。



『な・・・・・・・・・なんで顔を逸らすんですか?』

『知らん。というかなんでお前こんなところにいるんだ。練習はどうしたんだ』

『えへへ、なんかお父さんがみやこが目の覚めるまで看病してこいって言ってて。それが、恥ずかしながらなかなか断ることがなくてハッキリ喋らないなら正座して看病しなさいって怒られたんです』

我ながらとても情けないと思った。それと同時に市葉をこんなによわよわにした俺の責任だと感じてしまいこれ以上市葉をいじることはしなかった。

なので、俺はすぐ起きて練習に戻ろうと立ち上がることにした・・・・・・・・

けど、先ほど受けたメンの一撃がいまだに残ってしまい意識がなく朦朧として再びたおれてしまった。





『みやこ・・・・・』

ポプッ

ん?倒れた時なんかとてつもなく柔らかい感触が走った。どうやら倒れる直前に市葉は胸で俺の頭部をキャッチしたようだ。

あまり昔の感覚で覚えてないがしょうが、このころの市葉は小学生ながら結構発達したようで、とても包容力があるくらいの大きさはあったようだ。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「テメェ・・・・・キモいんだよ。なんだよその生々しい表現は」

話の途中だが乃希亜からドン引きした感じのツッコミが入ってしまった。

流石にイマカノがいる状態でそのセクシャルな表現はまずいな。

それ以降の話は性的な表現を省くことにする。






話は再び遡り、

倒れようとした俺を市葉が胸で受け止めてくれ、そして頭を軽くさすって静止してくれる。

『ダメですよ。安静してください』ってな。

でも俺は恥ずかしすぎて今でも市葉と離れたかった。

けどダメだった。

先ほどのダメージもそうだがどうしてもこの子と一緒にいたい感じがした。




『好きだ・・・・・・』

つい本音を漏らしてしまった。その発言を聞いたとき市葉は

号泣しポタポタと涙を流しその粒がポタポタと俺の顔に降り注いでいた。






『私のことですか!?』

『いや・・・・・・・それは・・・・・』

これ以上のセリフはいえず自分の頬をポリポリと搔きながら目をそらす。

だが、これ以上沈黙が続けてしまえば俺たちは元には戻れない。





『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~』

これ以上のことは記憶に全くない。

ただでさえ今までの記憶があいまいなのでそのセリフを本当にいったか定かではない。どうやって市葉を告白したか分からない。

気づけば俺と市葉はこれがきっかけに恋人になったのは間違いなかった。




しかしその親戚同士の禁断の恋愛は容赦なく砕け散ったのはそう近くない未来だった。




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ヤンキーが妙に俺に絡んでくるけど推しのエロゲ声優だからどうということはない 夕凪 @dgjkk

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