夫婦漫才なんてやってる場合ですか?

その翌日目覚めたのは昼頃だった。昨夜は早めに寝たのだが現実逃避をする為にクーラーの効いた部屋で現実逃避するかのように夕食を食べずにベッドに来るんで寝てた。

流石の姉ちゃんも俺の異常に気が付いたようであえて声をかけずにそのままにしてくれた。





すべてを吐き出した俺はとある準備をした後、夕方にある人物とおち合う為に外に出た。

今回の事件が起きた乃希亜達の協力者だと突き止めるために・・・・・・







「で、その協力者がわたしって事になるってことよね?みーくん」

「そうだ。お前しかいないんだよ寧々・・・・・」

寧々の家の中に入り、涼しいエアコンの風が涼しく感じる中、寧々が振舞ってくれたウーロン茶をがぶ飲みしながら寧々に睨みを利かせた。

そう、ここにいる公方寧々こそがざーさんの協力者ってことが・・・



道理でおかしいと思ったんだ・・・・・・

まず、有名アイドル声優の実家がバレ、寧々のマンションの扉の前に不吉な紙と不気味な土山が置かれたことだ。

実際寧々はあの後、なにもしないまま放置してたのだが、本来なら警察案件だ。

前の寧々のストーカー事件とは違く、今回のはかなり悪質だ。まぁ前の方も悪質さはあまり変わらないが、今回の場合は、これ以上動かないで欲しいと一点張りだった。

この前のストーカー疑惑事件の件があったってのに懲りずに数日間放置している。



それがどうも引っかかっていたので俺は先ほど前に松村さんと寧々のマネージャーに電話して、ここ数日間寧々になにかおかしなことはなかったかと問い合わせたところ、寧々自身は何事もなく過ごしていてそれどころか、同じ声優仲間と積極的に会話に入り、友人が増えているようらしく、改めて俺にお礼を言ってくれたようだ。

まぁ俺は何もしてないんだけどな・・・・・・





「それにお前はあのいたずらが起きる前に誰かと電話をしていた。その相手はざーさんだろ?以前ざーさんと出会ったときLINE交換してたの俺は見たぞ」

「ふん・・・・・・・・くだらないわね。忙しいときに突然押しかけてくるなんて貴方はいつから風都探偵になったのかしら・・・仮にやったとしても証拠がないじゃない」

「証拠?そんなのお前の携帯を見ればいい話だ。その履歴にはざーさんの番号があるはずだから見せろ」

「女の子のスマホを見せろっていうの?ずいぶん下劣なのね。だけどそれが奪ると思うでも」

うん。俺自身も卑劣なことを言ってる自身はある。だからこれを聞いてくれ・・・・机のしたからスマホを動かし音を流す。




(仮面ライダーアクセルのテーマ曲)

「しまt変・・・・・・・・・身!!!!」


とっさに流したアクセルの曲により寧々は無意識にスマホ出してしまった。

アクセル推しはこの曲に過剰に反応してしまうんだ。俺はすばやく寧々のスマホを奪った。

だが寧々は奪われることは想定済みだったようで、口元はニヤリと笑っていた。

そして俺は最後の試練である。8桁のパスワードが立ちはだかった。





「残念ね。流石にパスワードは解けないでしょう。残念だけどそのパスワードは誕生日じゃないわよ」

「すべて振り切るぜ!!!!え~~~~~~と2010124・・・・・・」

「ちょっとまって・・・・・それは」

「はい開けた~~~~~~~」

寧々の慌てる顔を無視し、すばやくパスワードを解除した。その瞬間寧々は床に四つん這いになり悔しそうな顔を浮かべていた。

先ほどのパスワードは仮面ライダーアクセルが初登場した年と日付だ。





やっぱパスワードあってたか・・・・・・事前に調べてよかったぜ。

人って推しがいるとそのキャラの生年月日や初登場日をパスワードに入れるんだよな。

俺もパソコンのパスワードはさだかちゃんのイニシャルと誕生日を入れてるからな。




寧々の場合はアクセル関係の数字をいくつものパターンで連想すればいつかは開くと思ったよ。まぁ半分奇跡だけどな。




「返しなさい!!!」

俺は寧々のダイナミックエースというなの体当たりをかわしながらスマホの履歴を見る。え~~~~~~~~~とあったあった。あの事件の同時刻寧々と連絡をとったのはざーさ・・・・・・






「いててててててててててて!!!!!」

「さぁ早く返しなさい!!!!もっと痛くするわよ!!!」

突然俺は床に叩きつけられ、壮大な寝技を食らっていた。というかどこでその寝技覚えたんだよ!!!!

もう調べ終えたので潔くスマホを寧々に返した。






「まったく失礼するわね・・・・」

「いってぇ!!!!危うく骨がイカレル所だったわ。それにお前レスリングを習ったなんて聞いたことないぞ」

「鍛えてますから!!!!」

それヒビキさんのセリフだ。




寧々は袖をまくり上げ力こぶを見せる。日頃運動していた結果の筋肉だが、その筋肉があればあの時の元マネージャーのストーキングは止められたのではないか?と思ったが、そのセリフはデリカシーがないとまた言われるからやめた。

もう二度と好きな女の子の心を気づつけない為にも・・・・










その後寧々は若干俺に警戒するかのように睨みながら俺に紅茶と以前作ったケーキをふるまってくれた。



ちなみに寧々が事務所の同年代の声優にケーキを振る舞うのは本当だったようで、俺の指導もあってか寧々はその声優となんとか自分から話せるようになり、招待した全員ではないが、一部LINE交換をしてくれたようだ。

寧々自身では、今回の友人作りは及第点だったようで、もう少しみんなを楽しませるように会話の幅を増やしたいと思ってるようだ。

だが、もちろん俺はそれを祝うつもりでここに来たわけではない。

俺はただなにがいけなかったか。間接的に聞きたいだけだ。




「ふん。さっきの件で貴方とはもう話したくないわ。こんなとこにいるよりも乃希亜さんと話し合った方がいいんじゃない?」

「分かってるよ。俺だってこんなくだらない推理ゲームや寝技を食らいに来たんじゃない。お前の口から俺のいけなかった件を聞きたいんだ」

改めて頭を下げ寧々に懇願する。

さっきの件もあって断れて追い出されるのは分かってる。けど、俺は乃希亜がプライベートで俺の事をどう思ってるか知りたいだけなんだ。




「・・・・・・・・その前に聞きたいけどみーくんは乃希亜さんの事をどう思ってる?」

「むろん愛してるよ。けど、俺が市葉ときっぱりと別れていればこんなことにはならなかった思う。むろん今のあいつは連絡したさ。けど、あの時以降俺の電話に出ようとしない・・・・・・叔父さんによると、インターハイ後は合宿があるだろうからいろいろ忙しいと言ってたようだ。それでちゃんと話そうと」

「そうじゃないわ・・・・・わたしは貴方のドロドロとした昼ドラ物語を聞きたくないわ。単純に乃希亜さんの事を好きって言葉が聞きたかっただけなのよ」





「・・・・・・・・その昼ドラ物語は乃希亜さん自身に聞かせなさい。貴方は本当にどんな相手にも平等の価値観で話すんだから・・・・・貴方がやってるエッチなゲームのやりすぎて頭がイカれてるんじゃない?現実の人間がそんな思考を持ってたら、今回のようなちょっとした誤解が生まれ、それが膨れ上がりしまいには刺されるのがオチよ」

「刺されるってそんな大げさな・・・・」

「あり得るわよ。私も一応エロゲ原作のとあるアニメ化を少しだけ見たことあるけど、そのアニメの主人公、クラスメイトの女の子と付き合ってたのに、いろんな女の子に手を出し、最終回には想像妊娠したもう一人のヒロインにめった刺しされたじゃない?あれみたいになるわよ」


それ伊藤〇じゃねぇか!!!!なんて失礼なやつだ。俺みたいな性経験がない童〇が、人類の敵と同類にすんじゃねぇよ。ショックでここから飛び降りちゃうぞ。それくらい心が傷ついたわ。

顔で懸命な否定する顔をすると、寧々はさらにあきれた顔をしながらため息を吐いた。










「はぁ・・・・・・こういうのわたしのようなコミュ障がいうんじゃないけど、女の子ってのはね繊細なのよ。ちょっとのことで傷つくし、ちょっとのことで惚れることもあるのよ。わたしは違うけどね」

その言い方だと、実は好きっていう感情になるんですが・・・・・それが

別にこいつが俺の事好きだろか嫌いだろうが、秒で断るからな。ハッキリと!!!









「別に貴方は普段通りバイトをするなり遊ぶなりと、女友達と関わるのは、別にいいわ。貴方はそれが日課なんでしょ」

「なんか俺最近、女にだらしない属性ついてない?」

「事実だからしょうがないじゃない。それが嫌なら日頃の生活を改めるべきね。まずは、遊ばず夏休みの宿題をやりなさい」

おかんかアンタは・・・・・





「いい、貴方は乃希亜さんが大切だと思うなら他の友達よりワンランク上のカップルの関わり方をしなさい。例えば・・・・・・キスとか・・・・」

「したぞ」

「ふぁっ!!!!」

なんかアイドル声優らしからぬ声が聞こえたのだが聞こえなかったことにしよう。






「だったら、あだ名で呼ぶとか例えば二人っきりノキアちゃんとか・・・・・」

「それこの前乃希亜たんって言われたらキレられた」

「でしょうね」

「あのーーーーーー俺の事をみーくんって呼ぶお前はなんなんでしょうかね?」

「いやそうしてる場合じゃないわ!!!」

スルーされた!?




「そうくだらないこと考えてるよりも振り切りなさい!!!」

「アクセルみたいに?」

「そうじゃないわよ!?なんか貴方といると夫婦漫才してる気分だわ」

俺もだ。この前と比べて感情豊かになったじゃないか。元マネージャーとして嬉しい限りだ。





「まったく貴方といると話が脱線だらけじゃない。私が乃希亜さんに電話してあげるから、そこに向かうことね。後は己の努力次第でがんばれ」

「おう・・・・・・・」

たくっなにを弱気になってんだ俺は・・・・・

思えば、答えはすぐに決まってたことじゃないか。

それなのにわざわざ遠回りして、貴重な時間を勿体なくするなんてな・・・・

本当にしょうもない彼氏だよ俺は



振る舞ってくれたケーキをやけくそに食いながら俺は寧々の家を出ようとする。案の定寧々が見送ってくれた。





「なぁ、寧々最後に聞きたいけどなんでお前ざーさんに協力したんだ?」

もしかして乃希亜が、泣きながら相談してたとか・・・・・

多分ないだろうけど、女の子は繊細って言われたからそうかも知れない。

そう予想すると、寧々はクスリと笑いながら呟く。






「面白いから♡」

「まったくお前は将来大物になれそうな女優だよ。ホント・・・・・」

同時にケラケラと笑いながら後にした。






そして俺は、真っ先に乃希亜の元に向かう・・・・・・

日はすでに暮れ、もうすっかり夜になる。場所は、乃希亜をチンピラから救い、俺に暗い過去を打ち明けた公園だ。


息を切らしながら駆けると、約束の時間20分前に乃希亜が後ろ姿で立っていた。

「乃希亜・・・・・・」



昨日の件もあって少々気まずいが、ここで逃げたら男じゃない。

勇気を出し声を放つ。






「乃希・・・・・」

俺が声をかけた瞬間ゆっくりと俺の方に向き、昨日のことがまるで嘘かのように優しい顔で俺に問う。







「懐かしいなここ思い出しただけでお前の姉貴に殴られた箇所が、傷みそうだぜ・・・・・・・・・・・なぁここでオレの過去を打ち明けたんだ。お前のの過去に何があったか教えてくれ・・・・・・・・すべてだ」





















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