設定資料

登場人物、用語紹介

■舞台設定

 北のロマリオン、南のエレシエルが10年以上に及ぶ泥沼の大戦中。

 物語の舞台は大陸中央部にある【英雄都市】フォラビア。それ以外の点在する都市は全て独立した少国家群。



■フォラビア大闘技場

 英雄シグルドが大幅に改築した巨大な闘技場。数万人を収容可能。街の行政機関、領主(シグルド)の居城も兼ねる。


 シグルドが永世王者【グランドチャンピオン】として特別枠の頂点に君臨している。

 それ以外では上位のランクから、


 ―――最上級―――

 【チャンピオン】:1人

 ―――上級―――

 【ヒーロー】:3人

 【グラディエーター】:8人

 ―――中級―――

 【ウォリアー】:20人ほど 

 【マーセナリー】:50~60人程

 ―――下級―――

 【ソルジャー】:100人前後

 【コンスクリプト】:数百人

 ―――最下級―――

 【シビリアン】:人数幅なし

(人数は物語開始時点の物)


 という区分けになっている。【ウォリアー】以上になると、その闘士の特徴やスタイルに沿った【異名】が与えられる。


 最下級の【シビリアン】は闘技場に出る前の訓練段階の階級であり、剣闘士としては【コンスクリプト】がスタート地点になる。


 剣闘士の収入源は興行収入の一部から支払われるファイトマネーで、上のランクになるほど配当の割合が上がっていく。その為【ウォリアー】以上になると、フォラビアに自宅を所持している者が殆ど。【グラディエーター】以上ともなると豪邸に住み、自前の奴隷や専用の訓練所などを持っている。


 彼等は街の名士扱いであり、その実例が目の前にある為、成り上がりや一攫千金を夢見て、敗死の危険を顧みずに剣闘士の世界に足を踏み入れる者が後を絶たない。


 また実力、実績による階級分けには、オッズの偏りを防ぐという目的もある。




■メインキャラクター


◆カサンドラ・エレシエル

 この物語の主人公。17歳。

 元は二大国の一角、エレシエル王国の末姫であったが、英雄シグルドと彼が率いる帝国軍によって祖国を滅ぼされ、自らも囚われの身となる。

 シグルドの思惑によって彼の支配する街の大闘技場で、唯一の女剣闘士として戦う事を余儀なくされる。

 しかしシグルドへの強烈な復讐心や剣聖マティアスの薫陶を糧にメキメキと実力を身に付け、またシグルドに掛けられた自殺を禁じる呪いを逆手に取る事で、立ちはだかる男性の剣闘士達や魔物共相手の過酷な試合に勝利を重ね、最下級の【コンスクリプト】から徐々に成り上がっていく。

 最終的に上から三番目の【グラディエーター】ランクまで成り上がり、【隷姫】という異名を与えられた。

 しかし運命の相手とも言えるサイラスとの出会いを切欠に、彼女の強烈な復讐心は鳴りを潜めていき、代わりにサイラスへの想いを募らせていく事になる。




◆シグルド・フォーゲル

 カサンドラの宿敵。年齢は30歳前後(実は幼少時の記憶がなく、正確な年齢は本人も知らない)

 大陸の歴史に突如として姿を現した英雄。その容姿から北方人種と思われるが、正確な出自は誰も知らない。

 泥沼の大戦を繰り広げていた二大国の戦争に介入。圧倒的な強さで帝国の皇女を助け、その功績によって皇帝に召し抱えられる。その後は帝国軍の総大将として、またたく間に王国軍を打ち破り最終的に王都を陥落させた。

 自らを【龍の生まれ変わりドラゴンボーン】と称し、実際に龍にしか操れない数々の異能を操り、また並外れた身体能力も併せ持つ、まさに神話の英雄と呼ぶに相応しい力の持ち主。

 カサンドラを捕虜とし、自らが支配するフォラビアの街で剣闘士として戦わせるように仕向けた。

 剣闘好きとしても知られ、自身の闘技場に王者【グランドチャンピオン】として君臨する。



◆サイラス・マクドゥーガル

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。26歳。【烈風剣】の異名を持つ。

 一般の階級では上から二番目、3人しかいない【ヒーロー】ランクの精鋭闘士の1人であり、【チャンピオン】のマティアスを含めた【フォラビア四天王】の一角でもある。

 物腰柔らかで貴公子然とした外見、言動で、荒んでいたカサンドラの心を解きほぐす。また公私共に様々な面でカサンドラを助け、いつしか彼女と深い仲になっていく。



◆アルバート・キャクストン

 エレシエル王国の近衛騎士。25歳。

 王国の名門出身で、カサンドラの想い人でもあった。王都陥落の際にカサンドラを守って共に王都から脱出するが、シグルドによって捕捉されてしまう。

 シグルドと一騎打ちを繰り広げるが、シグルドの人外の異能によって敗北。カサンドラの見ている前でシグルドの大剣によって貫かれた。

 カサンドラのシグルドへの強烈な復讐心の原動力ともなった人物。




■サブキャラクター


◆クリームヒルト・ロマリオン

 二大国の一角、ロマリオン帝国の皇女。17歳。

 皇族で唯一の女系であり、皇帝から溺愛されている。その為、非常に傲慢な性格である。魔物の襲われていた所をシグルドに助けられ、彼を帝国に推挙した。またシグルドとは恋仲であり、彼との婚約は確実と目されている。

 囚われたカサンドラを嘲笑し挑発するが、それが元で彼女に殺されかける。その罪によって闘技場で戦うカサンドラが中々死なない為、痺れを切らして彼女を死地に追い込むべくフォラビアまで赴いた。



◆ルアナ・クロズリー

 フォラビアの政務官で闘技場のマッチメーカーを兼任する才女。27歳。

 カサンドラの試合の段取りも決めているが、馬が合わずに度々彼女を故意に過酷な試合へと追い込む。

 また過去にサイラスとも関係があった事をカサンドラに匂わせ、彼女の嫉妬心を煽った。



※フォラビア剣闘士勢


◆マティアス・ノルダール

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。35歳。【金剛守地】の異名を持つ。

 剣聖とも呼ばれ、シグルドを除けば闘技場で最上位の【チャンピオン】ランクに位置する。カサンドラが剣闘士としてデビューするに当たって彼女を特訓した。

 寡黙な性格で多くを語らない。元はガンドリオ王国の軍人だったらしいが、シグルドとルアナ以外に詳しい素性を知る者はいない。



◆ラウロ・メンドゥーサ

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。27歳。【豪炎槍】の異名を持つ。

 サイラスと並ぶ【ヒーロー】ランクの一角で、堂々たる体躯に野性味溢れる兄貴肌な性格の男。巨大な十文字槍を軽々と取り扱う。

 サイラスの要請で、一時的にカサンドラの特訓に協力した事がある。



◆ソン・ハオラン

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。28歳。【流水輪】の異名を持つ。

 大陸の遥か西に浮かぶ島国から武者修行にやってきた異境の求道者。圏輪と呼ばれる、大陸には無い独特の武器を自在に扱う。同じく【ヒーロー】ランクの一角を担う。

 実力主義で、流れ者の自分を差別せずに取り立てたシグルドに対して恩義を感じて、個人的に忠誠を誓っている。



◆ヨーン・アグレル

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。30歳。【流星】の異名を持つ。

 上から三番目、8人しかいない【グラディエーター】ランクの1人で、同ランクに昇格してきたカサンドラの最初の相手。長い鎖の両端に重錘が取り付けられた流星錘という武器を扱う。



◆アンゼルム・ヘンライン

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。29歳。【鉄壁】の異名を持つ。

 同じく【グラディエーター】ランクの1人で、地獄のロイヤルランブル戦の一人目の相手。2メートル半程もある馬鹿げた巨体を重装鎧で覆い、ラージシールドを構える姿は正に鉄壁そのもの。

 その難攻不落ぶりはカサンドラを大いに苦しめた。



◆レイバン・コール

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。26歳。【毒牙】の異名を持つ。

 同じく【グラディエーター】ランクの1人で、ロイヤルランブル戦の二人目の相手。二振りのダガーを得物とする。勝つためには手段を選ばない卑怯な性格で、その奸計を以ってカサンドラを散々に嬲り、翻弄した。



◆ルーベンス・ゴディーナ

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。31歳。【暴君】の異名を持つ。

 同じく【グラディエーター】ランクの1人で、ロイヤルランブル戦の三人目の相手。狼牙棒と呼ばれる長柄の棍棒のような武器を扱う。

 元王女のカサンドラに対して並ならぬ興味を持って、自らの獲物として執拗に付け狙った。



◆ジェラール・マルタン

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。25歳。【氷刃】の異名を持つ。

 同じく【グラディエーター】ランクの1人で、ロイヤルランブル戦の四人目の相手。色素の抜けた真っ白い髪と肌を持つ。両刃剣と呼ばれる柄の上下に刀身が伸びた特殊な剣を扱う。

 サイラスに憎しみを抱いており、彼の恋人兼弟子でもあるカサンドラにもその憎しみを向けて襲いかかってくる。



◆ミケーレ・ヴァルガス

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。16歳。【獣王】の異名を持つ。

 同じく【グラディエーター】ランクの1人で、ロイヤルランブル戦の五人目の相手。魔物の巣食う樹海でたった1人生き延びてきた驚異の野生児。帝国の将軍に拾われその養子となる。両手に鉄爪を装着した野性的な戦いを得意とする。

 カサンドラの美貌に目を奪われ、試合中にも関わらず本能的に彼女を陵辱しようとする。



◆ヴィクトール・ゼレンキン

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。29歳。【戦鬼】の異名を持つ。

 同じく【グラディエーター】ランクの1人で、ロイヤルランブル戦の六人目の相手。同ランクでも最強と名高い剣闘士で、二振りの無骨な戦斧を軽々と扱う。

 ストイックな性格だが、カサンドラに対しても容赦なく攻め掛かり追い詰めた。一対一では勝てなかったとカサンドラに思わしめた実力の持ち主。



◆ブロル・エリクソン

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。27歳。【闘爵】の異名を持つ。

同じく【グラディエーター】ランクの1人で、ロイヤルランブル戦の最後の相手。レイピアと短剣を二刀で扱う貴族のような戦闘スタイル。

 その正体は実際に元エレシエル貴族であり、脱税だけで爵位を没収した国王の愛娘であるカサンドラを逆恨みして、その生命を狙う。



◆エグバート・デービス

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。23歳。【紅】の異名を持つ。

 【ウォリアー】ランクの剣闘士で、短槍と投網という典型的なスタイルながら、下位の剣闘士とは比較にならない腕前を持つ。

 弟のギャビンと共に、【グラディエーター】への昇格試合に臨むカサンドラの前に立ち塞がった。



◆ギャビン・デービス

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。22歳。【蒼】の異名を持つ。

 エグバートの弟で同じく【ウォリアー】ランク。曲刀による二刀流を得意とする。兄弟ならではの連携でカサンドラを苦しめた。



◆イジャスラフ・ゴルロフ

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。33歳。【略奪者】の異名を持つ。

 【ウォリアー】ランクの闘士で巨大な戦鎚を振り回すスタイル。パワーは凄まじいがスピードに難があるタイプで、カサンドラにその弱点を突かれて敗北する。

 試合で自分を殺さなかったカサンドラを逆恨みして、仲間を集めて彼女への報復を目論む。



◆ロゲール・アイスラー

 フォラビア大闘技場に所属する剣闘士。30歳。【傭兵戦士】の異名を持つ。

 カサンドラの快進撃を八百長と舐めて掛かったが、あえなく敗北。とどめを刺された。




※少国家連合軍


◆コーネリアス・エレシエル

 エレシエル王国の第三王子でカサンドラの兄。25歳。

 将軍として非常に優れた資質を持っていた。またアルバートとは義兄弟の間柄だった。

 大戦中にシグルドによって殺されたと思われていたが……!?



◆バージル・レイオット

 少国家群の一つ、レイオット公国の公王。53歳。

 仮面の人物が引き起こした事件の対処に追われる。その後仮面の人物と個別に面会し、ロマリオン帝国への反抗計画を打ち明けられる。



◆アリウス・ラストーン

 少国家群の一つ、ラストーン大公国の公子。24歳。

 少国家連合軍の反抗作戦に参加する。年の近いコーネリアスとは面識があった。



◆エリザベート・ハーティア

 少国家群の一つ、ハーティア大公国の公女。20歳。

 少国家連合軍の反抗作戦に賛意を示す。カサンドラとは仲の良い友人同士であった。

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剣闘王女伝 ~全てを失った王女は、どん底から這い上がり英雄に復讐を誓う ビジョン @picopicoin

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