エピローグ



 竜王再来から数か月後。

「おまえたち、いつの間にこんなに大きくなったんだ?」

 そう、双子は声変わりも始まってしまって、ツバサなどは女装が許されないほどたくましくなってしまった。

 二人とも、崖下から発見されたフェイルウォンには、どこかさばけている。

「たくましく育ってくれて、うれしいでしょ?」

「母上だって、よろこんでくれますよ。――きっと」

 ツバサがしれっとして言い放つ。

「二人とも強くたくましく、育ててくれるんでしょう?」

「ツバサ、シーッ」

「おまえたち、なんでそれを――ルシフィンダとの、その約束を知ってるんだ?」

 カケルとツバサは、ツーツーなのだ。

「内緒!」

「です――!」

 二人の王子は、うわーっと、声をあげながら、馬場へ駆けていく。

 するとそこには、純白の天馬を連れた風精が待っていた。

「よう! 無事解決したってな――本当かよ!?」

 かわいらしい呼びかけに、ツバサとカケルが、親指をばっちり頭上にあげた。

   

                                      了           

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遥かなる時空を越えて れなれな(水木レナ) @rena-rena

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