9ページ目 アライさんのたんじょうびなのだ!

「フェネック~!今日が何の日か知っているかーっ!?」


「……。」


あれ?

反応が薄いのだ。


「フェネックゥ?フェネック~?」

「……アライさ~ん」

「何なのだ?」


やっと気付いたか……?



「そんなことよりさ~。おたからが欲しくな~い?」



「……うぇ!?おたから!おたからなのか!欲しいのだ!よこすのだ!」

「まーまー、わたしが持っているのは『ヒント』だから~。」

「ひんとでもいいのだ!よこすのだ!」


おたから~♪

おたからなのだ~♪



「夕焼けこやけ、2個目のクロスの右側に」



「……?」

「この謎が解けたら立派なおたからはんたーだよね~。」


……マジか!


アライさんはおたからへ突っ走るのだぁぁぁぁぁ!


「わ~。……あはは~。」






「……はぁ……はぁ……」


ここは、みずべ……?

あっ、2個目のクロスっていうのは、もしかして橋のことか!?

つまりおたからはみずべに!

アライさん、すごいのだ!冴えてるのだ!


後は夕焼けこやけの謎なのだ。

夕焼けはオレンジ色だろ?

オレンジ色……みずべ……


……ジェーン……?


アライさん、すごいのだ!(2回目)

きっとおたからはジェンツーペンギンのジェーンが持っているのだ!

ジェーンのイメージカラーは、オレンジなのだ!

そうと決まればPPPの楽屋に……!






「……ジェーン!ジェーンはいるかッ!?」

「いないわよ」


……あっ、プリンセス!


「じゃあどこに!?」

「プラチナチケットがあれば教えてあげるわ?ファンに安易にジェーンの場所を教えられない」

「うぇ~!?」


そんな……

ぐぬぬ……


「ジェーンはおたからを持っているのだ!……まさかこれは試練なのか!きちんと自分の力でおたからを手に入れれるか、っていうフェネックからの……!」

「おたから?フェネック……?よく分からないわよ?少なくとも私はそういうのに関わっていn」



「嘘なのだ!アライさんには全部お見通しなのだ!観念するのだ!ジェーンはどどこなのだ……!」

「何言ってるのよ、例えだけでも教えてあげられないわ……。」

「なら方角だけでも教え……ん?方角……?」



そういえば……

……フェネックの声が頭の中で再生されるのだ。



『──太陽が昇る方が東、沈むのが西だから~────』



夕焼けこやけ……。

……はっ!?


「アライさんが間違っていたのだ……。すまなかったのだ!今度こそ……!」

「あぁっ、ちょ……はぁ、私がフェネックに協力してたこと、言ってないのに。上手く『方角』に持ってこれて良かった……。」






みずべちほーの入り口。

そして、太陽が沈む方角へ歩き、2個目のクロス。

きっと右側に、おたからはあるのだ。


……手さぐりはまっかせるのだぁ!


うーん……。

おまかせ……


……なのだッ!


何か掴んだのだ。

一体何なのだ?



……袋なのだ。

中に何か入ってるのだ。


……これは、フェネックが持っていた、オルゴール……?



「……ハッピーバースデー トゥーユー♪ ハッピーバースデー トゥーユー♪」


……この声は


「ハッピーバースデー ディア アライさ~ん♪」

「フェネック!」


気付けば後ろにフェネックが!


「えへへ~。このオルゴールは~、『誕生日のうた』なのさ~♪」

「誕生日!アライさんの誕生日を覚えていたのか!?」


「もちろんだよ~。それだって誕生日プレゼントなんだから~。あ、PPPの所に行っちゃった時はびっくりしちゃったな~。いくらプリンセスに一応ネタばらししていたとはいってもねぇ。本当にネタばらししといて良かったや~。」


アライさんのことを話すフェネックはいきいきしていたのだ。

おめめがキラキラなのだ。

ちょうど夕焼けもキラキラなのだ。


「……フェネック」

「ん~?」


「ありがとう、なのだ!」



ちゃんと感謝を伝えられたのだ!

やっぱりアライさんはてんさいなのだ!

フェネックとふたりそろえば、むてきのふじんなのだ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

マイペースでゆくぐれーとじゃーにー あんかけ(あとち) @Ohoshisama124

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ