殺人犯と同居した理由は明確には書かれないで、同情とだけあるだけだけど、なんとなくわかる。ゲスしか出てこないとあるけれども、彼と弟とが一番やばい。書かれていなくても、女性がすごく弱い立場で、みんな苦しんでいるということが、じんわりにじみ出てきている。弟と正行は、違うようで同じのようでもある。殺したことに理由がないから、自分のことしか語れない、という残酷さが、面白いと思いました。
素晴らしいという言葉しか出ない作品だと感じます。
倫理の光で照らしてみれば。また、法の論理で裁いてみれば。あるいは弱肉強食の掟が判断すれば。いずれにしても、生きにくい。むかしむかし、浦安の巨大遊技場。その名もジャングルクルーズで、船を操るお兄さんが最後にわたしたちに打ち明けたのは。 怖かったでしょう、ジャングル! でも、これからみなさんはもっと怖いところへ行くんですよ。 どこかって? それは、人間社会です。