涼宮美鈴の消失

@rred

第1話涼宮美鈴の消失

 僕は、高校生だ。

 桜が咲いてるなあ。きれいだなと。


 思っちまった。


 「俺さあ。クリスマス。ドリームキャストして友達と遊ぶんだあ?お前くる?」


 いや。こいつ。こいつじゃない。

 

 よく考えると、なんか変だ。この世界が世界じゃない。

 そこに涼宮美鈴の姿もなかった。


 おいおいおい。話が違うじゃねーか。あいつはいじめられても、非行に走ってるわけでもないだろう。

 自殺でもしたのかよ?

 「こんな時、話が合うのはあいつだ。偏差値87のやつだ。」


 あれ、あいつ偏差値が55になってる。なんなのそれ。お前頭いいって言ったじゃんかよ。


 そいつは女々しくラノベを読んでいた。ただ、少しだけ幸せそうに見えた。


 君。

 「私がいます。あなたに知ってもらいたいことがあります。」

 鈴宮美鈴はこの学校からいないことになってる。

 それを、元に戻すのは。


 ああ。わかった。そうだよな。偏差値87みたいなやつって。不幸だよな。ああやって、馬鹿してるのが楽しいに決まってるよな。

 お前だったか。

 長門博之。

 お前。やっぱり嫉妬してたんだな。

 

 僕は涼宮美鈴のpcデータを、取ると数学の複雑な問題があることに気付いた。

 チャージは90000を超えた問題数。


 それを解けるのは、あ。いた。


 頼むぜ。数学の天才。

 まかせろ。


 そいつの問題を問いたのを確認した後、僕は家へ帰った。

 い。いて。

 

 そこには、涼宮の姿もあって。

 「ばーか。心配したぞ。」

 

 涼宮美鈴はほっておいたにしても、あいついるのかな?

 長門博之。

 「お前。僕がいるからお前は幸せだ。お前のことを馬鹿にしてるやつがいたら僕をそこに連れてこい。」


 大丈夫。僕には数学の天才がいる。ハーバードだろうがオックスフォードだろうが医者だろうが、弁護士だろうが、論破してくれるだろうぜ。


 「君は。かわらないな。」


 ああ。変わらない。


 涼宮美鈴は悦乱したちょうどその時、僕はそう覚悟した。

 

 

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