もぉぉぉぉぉう、切ない!――と叫んでしまいたくなるほど、良い意味で精神的にくるお話でした。幼い頃から「生」を共にしてきた二人が敵対し、命を賭してぶつかり合う。これだけでも辛いのに、本作では読者の胸を更に締め付ける仕掛けが……。あとはご自分の目で確かめて下さい。読み終えたときの溜め息は、きっと二人の想いが届いたからなのでしょう。
幼馴染みの少女と少年。少女は騎士になる道を、少年は魔術師になる道をそれぞれ歩んでいたのに…。切ないファンタジーでした。不死者にどう立ち向かうのか、その点もぜひご注目ください!
※ネタバレあります!命があるのは奇跡的な事で、生を謳歌できるのは幸せな事なんだなぁと思いました。今夜、生前では恋人になれなかった二人が生まれ変わって結ばれる夢を見そうで切なくなります。
これは絆の物語。不死を得たものは「命」を憎む、とは作中の一節ですが、手に余るものを担わされた人間というのは往々にして狂ってしまうのかもしれません。そんなことを思い出させてくれる作品です。