甘酸っぱい青春の追憶。最後にひっくり返されても清々しいのは、主人公の語り口に感じる、気っ風の良さなのかもしれない。
よく刑事ドラマとかで、『手掛かりとして見つけた日記を読む』なんて描写がありますが、正しくそれを追体験しているようでした。日記形式なので、SSサイズ――日付ごとに話数を切ってあってもよいのですが、こうやって一気に読むと、日記の著者を追体験しているよう。そして内容の心の葛藤に、一緒に葛藤し、もやもやしてしまう。読んだ後にその日記を閉じるような動作すら感じてしまいます。実物は手元にないのに。1話完結、日記形式、決して長くありません。ですが不思議な感覚を味わえる作品です。
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