その五。
ーーーー数日後。
久しぶりに
仕事終わりであろうスーツ姿の亀田さんだが、社用のバッジがつけっぱなしだということには触れないでおこう。
料理を待っている間、注文したドリンクを飲み比べしたりしていると、唐突に緒方さんが思い出したかのように私に言う。
「そういえば読んだよ!」
「……っあああああ!?」
その時の私の声は恥ずかしさと後悔と罪悪感のあまり言葉にならない唸り声のようだった。
ああ、そういえば亀田さん経由でURL渡したっけ。
正直オチ担当とか勝手にポジション決めちゃったけどよく考えれば失礼極まりないよなあああ怒られたらどうしよう。押し寄せる不安とは裏腹に、緒方さんはキョトンとした顔で続けた。
「面白かったよ?」
「……な、名前だけ格好良くしたので許してくださいいいい!!」
「名前だけ……」
「そうだよ! 私なんて佐々木さんだよ、結構どこにでもいる佐々木さん」
「俺はあられで有名なのに合わせてきたんだよね?」
苦笑いする緒方さんと、先程から笑いっぱなしの佐々木さんと亀田さん。名前に関しては頑張って考えたんだけどなぁ。
それでも楽しんでいただけたようで、何よりだ。
*****
今回は唐突に決まった上野散歩でした。
もう……予定がめっちゃくちゃ。行き当たりばったりの計画性のない散歩は、一人よりも二人の方が楽しいんだなと思いました。
栃木の時のようなハプニングも楽しいですが、これはこれで書き残してもいいのかな。
佐々木さん、いつも一緒にお出掛けしてくれてありがとうございます。
そしてこの後日談、まぐろとくじらを聞き間違えたチーズお姉さんが火を吹くリゾットを作るクッ●ングパパに問い詰められ、なぜか何週間も早いサンタクロースがやって来て寝ながら演歌を歌うという、なんともシュールな話は、お三方の許可を得てから書こうかと思います。
上野散歩編、終わり。
旅日記。 橘 七都 @flare08
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