設定資料②「構想ノート」
(初期プロット兼アイデアメモです。ストーリー後半のネタバレも含まれますが、続きを書く予定がないので放出。いくつか今回だけで使い捨てるには勿体ないかな、と思うアイデアもあるので機会があればリサイクルしたいです)
◆基本要素
○亡国の少年たちの物語
・災害により滅んだ日本/東洋一の先進国の末路→太平洋戦争後のGHQ統制下の頃まで退行した国家/亡国の悲壮
・滅んだ国で生きる少年たち→中東・アフリカの各紛争地域(シリア・リビア・ソマリアほか)と同様に秩序の崩壊した世界/「国家という枠組みが機能しない世界」で生きるとはどういうことか?
・大人の介在しない少年たちの社会、コミュニティ→太平洋戦争などを題材にした小学校の読書感想文で推薦図書に選ばれる作品のような、ああいう教訓やジュブナイル的要素を含んだ雰囲気を目指す?
→「ぼ●らの七日間戦争」的な大人未満な少年たちの持つ反骨精神
○社会風刺や時事ネタを取り入れたシュピーゲル的社会派要素
・自衛隊と憲法第九条、沖縄の米軍基地、中国・ロシア・北朝鮮との国境問題(尖閣諸島、竹島、北方領土ほか)など現在の日本が抱える外交問題とのリンク
・高齢化社会、若年層と高齢者層との人口格差、デフレや国債などの経済事情、教育・文化・研究などの発展に関るもろもろを組み込むか?
→短編でそこまで盛り込むのは難しいか
○理想郷ニライカナイ
・沖縄地方の伝承にある海の彼方にあるという理想郷/常世の国/竜宮城→ファ●ナーのオマージュを入れる?
・ニライカナイ信仰では、死者はニライカナイにいく/仏教観での極楽浄土=西方浄土/北欧神話でのヴァルハラ/アガルタ(死者の国)信仰?
・少年たちの夢みる理想郷=理想的な国家の姿?
→かつての日本?それではただの懐古主義か?
→キン●ゲイナー的なヤーパン信仰/たどり着くことではなく、目指すことが目的になる?
○ロボット戦闘
・ラノベ的なアクション要素/シュピーゲルシリーズ原作から特甲やマスターサーバーによらない近未来要素をクローズアップする
・特甲児童や脳内チップや犠脳体関係は原作要素が強すぎる件
→全く別の要素をメインに扱うことで同一世界でもミリオポリスとは異なる舞台であることを強調するか
・〈さきもり〉の戦闘シーン=パ●レイバーやサ●ラ大戦の光武みたいな方向性/約全高2メートルのロボットだと、ロボットというよりもパワードスーツとして考えた方が適切か?
→機械化された手足の延長にロボットアームが接続されて、頭と胴体を装甲で覆うような構造になる?/肩と頭部にあたる部分がくっついた、いわゆるジャ●ラ体形?
→手足の操作は機械化義肢に連動させて〝自分の手足〟として動かすとして、操縦席周りの計器や情報ウィンドウはどう描写するか?
→VRゴーグルのようなFMD(フェイスマウントディスプレイ)に近い形で視覚を得る/AR(拡張現実)と合わせたカメラ映像で3Dゲーム感覚/現実感覚と共に戦闘の恐怖を麻痺させる効果を狙った仕様?
→情報の呼び出しや通信などは音声入力?/オッケー、グー●ル/スマートフォンでは視覚障害者用に音声入力アプリの技術が急速に進歩している/アメリカの協力でそれらの技術を軍事転用した?
○モリサン関係
・ぶっちゃけ原作と関連する要素が薄いので、誰か原作キャラを登場でもさせないと二次創作として読み手のスキーマを満たせない気がする。。。
◆あらすじ
・2015年/原作の約1年前/日本の筑紫島(旧九州地方)。
・北部の隔離地域=10年前の大災害+その後の紛争で破壊された廃墟の街(佐世保近郊=熊本・福岡・大分の県境の辺り?)――黒いロボットスーツ=一〇式強化装甲外骨格〈さきもり〉を操る鳴神ら第四中隊第四班の少年たち。瓦礫を撤去しながら、過去の内戦で〝東〟や大陸の工作員がばら撒いたGPSジャマーを回収。キャッシュディスペンサーや病院の生命維持装置すらGPSをセキュリティに組み込んでいた高度IT社会の末路――GPSが妨害されただけで、行政・交通・医療・金融あらゆる機能が麻痺。1個辺り数千円足らずのジャミング装置――例え10万個ばら撒いてもパトリオットミサイル1発分以下のコストで、都市機能も米軍の地上部隊も、航空機の対地誘導弾すらお手軽に無力化。国連の介入で治安の安定化が図られた後も、復興を妨げる厄介なゴミ(障害)に。特隊生に与えられた役目――ドローンや無人機はもちろん、専用の通信装置がなければWi-Fiや携帯電話すら使えない隔離地域での〝特別奉仕活動〟。
ロボットスーツによる人海戦術――筑紫島一帯で200人余り配属された特隊生らによるゴミ拾い。
・鳴神と大隅の雑談――繁栄に溺れた日本の顛末/ゴミの島/この国はこうやってゴミを埋め立て土地を造ってきた/今じゃ、この国自体が世界のゴミ捨て場。こんなんじゃ、ゴミで新しい島を造った方がまだ早い。
・そうしてるうちに大隅が別の〝ゴミ〟を拾う――白骨化した死体/無念仏=大災害かその後の紛争に巻き込まれ亡くなったどっかの誰かさん/遺体の回収も〝奉仕活動〟のうち――どうせならゴミじゃなくてお宝を拾いたい。漫画本やゲーム、アニメのDVDなら最高だ。ああ、世界に誇る日本のジャパニメーション。ベース(米軍基地)の連中に横流しすればチョコやお小遣いをもらえる。これも貴重な文化保全――日本の文化を海外に売り払えば金になる。今のこの国はそうやって辛うじて経済を回している。ああ、素晴らしき日本の文化。ご先祖様ありがとう。
・この間、大隅は海外で人気のある漫画家のコミックを拾った/国内ではマイナーな作家でアーカイブ化もされてなかったから、沖縄にいる知り合いを通してオークションにかけたら結構な金になったらしい。そうやって金を貯めて、爺さん婆さんと一緒にいつかアメリカに移住するんだと大隅は豪語していた。鳴神も金が欲しかった。駐屯地で配られる配給食だけじゃ腹が減るし、外国語の教材が欲しかった。いろんな国の言葉を覚えて、早くこんなゴミだらけの国から出て行ってやる。そして世界中を旅して回るんだ。国民学校のアーカイブでみたヨーロッパやアメリカの街並み、エジプトのピラミッド、オーストラリアのエアーズロック、中国の万里の長城――特にオーストリアにあるという〝ミリオポリス〟という街には心惹かれた。あそこには文化委託された金閣寺や東京タワーに、アンコールワットやマチュピチュや世界中の文化財が保全されてるらしい。なんて素晴らしい街なんだ。世界中の観光名所に囲まれてVサインしながら記念撮影したアルバムを仲間たちに見せたら、きっとみんな羨ましがるに違いない。それから鳴神は旅の中で経験した出来事をこの国のみんなに語って聞かせるのだ――広い世界にはこんなゴミ溜めみたいなところばかりじゃなくて、楽しい場所や美しい景色がたくさんあると知れば、避難民居住区のプレハブ小屋で暮らす人たちはビックリするに違いない。そしていつか、みんなでこの国も海外から観光客を呼べるような安全で綺麗で住みよい場所にするんだ。そのために今はゴミ拾い。ゴミの山にはお宝もある。ゴミが無くなったら、家を建てよう。ぼくらがこの国の未来を創る。だから今はゴミ拾い。
・夢想にふけりながら黙々と作業を続ける鳴神たち――そろそろ昼飯の時間が近い。あの瓦礫をどけたら、大隅に声をかけて他の班と合流しよう――そう考えた時に〈さきもり〉のセンサーに反応。一般人は立ち入り禁止の隔離地域内を移動する何かがいる。
・少年たちと敵との戦闘――(〈蟲〉にするか無人機か、〈ウラジャーイ〉系シンジケートの人間?)アクションシーン=〝九十九法〟の適用による〝武活〟。外敵を両断する〈さきもり〉――鳴神の機体が森の中に逃げる影に対物刀を振り下ろす。小柄な影――妖術のような技で〈さきもり〉を投げ飛ばす。あっけにとられる鳴神。仲間たちが相手を包囲――両手を上げて投降の意思を表わす人物――「おっさん何者だ?」「どこから来た?」少年たちの問いに小柄な老人が答える。「俺は杜リンタロウ、日本人だ。お前さんたちの敵じゃない。ちょいと用事があって、この場所を通らせてもらっただけさ」
※長くなりすぎる気がしてきたので仕切りなおし。冒頭が長くなるのは本筋(テーマ)が見えてないから。まずはそれを決めろ。
○ニライカナイを目指す少年
・大隅の拾ったコミックス――文明が崩壊した世界で理想郷を求め旅する少年と少女の物語/まるで日本の崩壊を予知したようだ、と大災害以降に海外のマニアから高く評価されている幻の作品。
・モリサンとの出会いで少年たちの価値観が変わる/オキナワ政府と米軍の思想統制/モリサンを通して外の世界、異なる価値観に触れることで、今の日本の歪さを知ってしまう。
→教育によって社会を外から見つめる機会を得ることができる――原作でアダー神父が説いた教育の意義/世界を救う鍵=崩国を救う鍵?ミハエルの語ったローデシア=ジンバブエの話/奪うことでなく何かを作ることが必要だった――救国の原動力とは何か?
○少年たちと外の世界を隔てる壁の存在
・筑紫島南部の被災者居住区と北部の危険地帯=隔離地域との境界線に造られた壁。
・ベルリンの壁/アメリカが建造中のメキシコとの境界壁/オーストリア・ハンガリーが国境監視を強めるため作っている国境壁。
○ボーイミーツガール
・主人公の少年が少女に出会い助ける、単純明快かつ王道的なストーリーライン。
→ラ●ュタ、ナ●ィア、ガ●ダムXからフルメタル●ニックまで時代を問わず通用する。
→物語のキーキャラとなる少女を配することでプロットを明瞭化できる/話の落としどころを物語世界を取り巻くマクロな事象から、主人公たち周辺のミクロなドラマに移行させることでオチがつけやすくなる→ミクロからマクロへの発展・展開・飛躍=セカイ系。
・閉じられた隔離地域で少女と出会い、共に外の世界へ旅立つ→主人公を取り巻く世界/視野の拡大=大人へ成長するイニシエーション。
○なぜ少女が物語の鍵となるか?
・原作における〈太公望〉の謎
→六人の子どもたちの「小脳」+人工知能による統合人格が正体
→〈九姉妹〉よりも先に中国は多重犠脳体システムを実現している/さらに大脳より演算処理力が劣るはずの「小脳」の犠脳化で、〈オーディン〉や〈九姉妹〉に匹敵する性能を発揮している。
→プリンチップ社やカラス博士(及び犠脳技術考案者のバロウ神父)も知らない未知の技術が使用されていたのではないか→(タフタ?)
・〈太公望〉や〈蟲〉に繋がるアジア由来の技術→日本人の天才科学者が国難を乗り越えるため、独自に脳内チップやガラテア・コンプレックスに類似した都市復興システムを開発。それらを軍事利用しようとする米軍から逃れるため〝東日本〟へ亡命しようとするも失敗――技術の鍵を握る一人娘をモリサンへ託した?
・少女を狙って米軍や東日本・ロシアの工作員、はては大陸から〈蟲〉の特務部隊まで現れて隔離地域が戦場となる?
・オキナワ政府や国防自衛隊内にも少女を軍事兵器とすることで(核武装に走った北朝鮮のように)国家建て直しの武力外交に利用しようと画策する鷹派がいる?
・頼れるもののない少年たちが、自分たちの理想郷=ニライカナイを求めて旅に出る――。
◆エピソード構成
・だいたい5~6章くらいに
・三幕構成――第一幕=1章(起)/第二幕=2・3・4章(承・転)/第三幕=5・6章(結・エピローグ)
・会話メインのドラマパート/アクションメインのバトルパートをバランスよく――後半になるにつれバトルも移動も派手に
①隔離地域――真夏の日射しのなか〈さきもり〉で〝特別奉仕活動〟に励む鳴神ら特機連隊第四中隊=第四班は大災害で倒壊した街の瓦礫撤去。瓦礫を分別しながら無秩序にばら撒かれたジャミング装置を探す。
ゴミの山の宝――以前見つけたコミックスの話/文化委託/大災害で崩壊した日本などの設定/ニライカナイのキーワード。
異変――隔離地域内を移動する何者か/多班と短距離限定通信。〝武活〟による武力行使――〝国家の財産〟であるゴミを盗む大陸の密輸業者を武力で排除。敵集団の反撃――武装/大陸のものではない言語――ただの盗人ではない?
逃走する影――追う鳴神/森を走る影に〈さきもり〉ごと投げ飛ばされる。呆気にとられる鳴神――応援に駆けつけた他班が謎の人物を包囲。投降する相手――着物姿の老人と謎の少女。名乗る老人。「俺は杜リンタロウ。〝もり〟は木に土って字を書く。見ての通り日本人だ。お前さんたちの敵じゃない」(おそらくここまでで1万字)
②事情が分かるまでひとまず杜と少女を駐屯地――廃校となった中学校を改修した第四中隊の隊舎へ連れてゆく鳴神たち。不審な二人の処遇について少年たちの話し合い――敵のスパイだと勘繰る者・さっさと大人に引き渡せと丸投げする者・事情が分かるまで匿おうとする者――中隊長である椚木の判断で二人を捕虜として扱い、二・三日様子をみること/それから改めて処遇を決めること/その間の世話は発見者である第四班が責任を持って行うように決定される。
二人を営巣代わりの元備品倉庫に連れてゆく鳴神と大隅――やたら落ち着いた様子の杜さんを訝しげに思いつつ、何も喋らない少女に感心を寄せる。杜さんの説明で少女=カナエが過去の災害による事故で視覚を失ったと知る――同じように鳴神も紛争に巻き込まれ大怪我を負い、体を半分機械化された。なんとなく少女に同情――同年代の少女が珍しいことも手伝って、ひとつこの娘の助けになってやろうかという気分が湧いた。それが日本男児ってもんだろう?/そう言ったら杜さんに笑われた。カナエは可愛いけど、こっちはいけ好かないおっさんだ。
③杜さんとカナエの面倒をみるため、鳴神は大隅と佐世保にある米軍仮設ベースに行く。筑紫島の復興支援と治安正常化を名目に造られたこの基地には様々な物資がストックされている。秘密のアルバイト=余剰物資の横流し――アラン・マクレーガー会計中尉=基地の補給品を管理する横流しの元締め。 夜半に現れた二人にアラン中尉は何か勘付くも、黙って必要な物資を渡してくれる。代金は後払い――しばらくこき使われることになりそう。
消費期限切れ間近の保存食や日用品の入ったダンボールを抱えながら、夜道を戻る二人。灯りの全く無い夜――災害によって発電施設やライフラインが破壊された影響/電力不足による夜間灯火管制が今もなお続いている。その代わりと言わんばかりに星空を舞うホタルの光――やかましい虫やカエルの鳴き声を切り裂くように、ふいに轟音。
④非常事態警報=Eアラート――慌てて駐屯所へ駆け込む鳴神と大隅。警報で叩き起こされた仲間たちが騒いでいる。通常の通信網が寸断された隔離地域――中継タワーからの強力な指向性電波を使った緊急警報はエネルギーを馬鹿食いするため、余程の事態でない限り使用されない。Eアラートなんて聞くのは初めてといった連中ばかり――また地震がくる/いや中国や北朝鮮のミサイルだ/生き残った原発がテロに遭ったんだ/第三次世界大戦・巨大隕石の落下・エイリアンの侵略――各自があれこれ言い合って喧しいのを椚木が一喝して黙らせる。
緊急時マニュアルに従って各所の配置につく面々、屋上監視にまわされた鳴神――東の空に飛んでゆく火の玉が森に落下するのを見る/かつての大災害を思いださせる轟音と衝撃で、東の山が赤く燃える――自衛隊筑紫島本部からの通達で判明する事実=米軍の輸送機が墜落した――整備不良や操縦ミスによる事故ではない/何者かに撃墜された――。
⑤筑紫島北部――隔離地域内のとある廃港。携帯式地対空ミサイルを置いた男=蝮蛇が煙管を吹かす/その傍らにはべらう〈毒蜂〉の少女たち。拘束された二人の捕虜=自衛官とアメリカ兵――好事家たちの間で〝裏の美術品〟として高値で取り引きされる日本の拷問器具を用いた尋問で〝お宝〟の情報を聞き出す/〈毒蜂〉が愉しげに用済みになった捕虜を処刑するのを見届けると、少女らを引き連れ男は闇の中に姿を消す。
⑥明朝、明け方近く――緊急招集された自衛隊による墜落機の捜索/特機連隊も南部の居住区防衛部隊である第一中隊を除く第二~第四中隊の全特隊生が動員され、山岳部に落ちた輸送機の残骸と生存者の捜索にあたる。睡眠不足で半ば頭が働かない鳴神――大隅も同様/杜やカナエのことが頭にチラつく/一緒に捜索にあたる不破と和泉の語る疑念――あの爆発で生存者なんているわけない/フライトレコーダーの回収にしたって物々しすぎる/別の理由があるんじゃないか。
鳴神――〈さきもり〉の望遠カメラが自衛隊の大人たちと行動する者たちを捉える/米軍基地の連中に交じる黒いスーツ姿のアメリカ人。唐突に大人=本部付けの自衛官から声をかけらる/一緒にいる怪しげなスーツ男から、一枚の写真を見せられる――ケータイなんてものは過去の遺物と化した筑紫島ではまず拝めない最新式のPDA=画面に映る着物を着た初老の男/ごくりっ、と唾を飲み込みながら「この人は?」と訊ねる。
男の返答――〝東の工作員〟〝今回の墜落事件の主犯〟〝過去の大臣暗殺事件の容疑者でもあるテロリスト〟"まだ隔離地域内に潜伏している可能性〟――発見したらただちに報告するように告げてスーツ男が去る。顎をがくがく震わせる大隅の尻を叩きつつ、自分でもびっくりするくらい素知らぬ振りで一緒にいた自衛官に今のスーツ男が何者か訊ねる――端的な返答=沖縄本島からやってきた公安の人間。
昼近くになって振り出した雨――立ち込める暗雲。
⑦第四中隊の隊舎〝学校〟――帰投するなり営倉に駆けつける鳴神+大隅/驚く杜さんに食ってかかる。俺は東の工作員じゃない/お前さんたちと争う必要も理由もない――平然とした杜さん。それが気に入らず、鳴神がさらに詰め寄ろうとしたところに不破と和泉がやってくる。鳴神と大隅の様子から、二人も杜さんの素性に気づいた。四人で問い詰める――米軍機墜落の件を聞いて、驚きを顕にする杜さん――そこで鳴神はカナエの異変に気づく。「危険が迫っています」と告げるカナエ――予言が的中するようにまた警報。なんなんだよ、一体。
隊舎に接近する機影――確認に出た第二班の〈さきもり〉が、西部担当の第三中隊〈白虎〉の機体を発見。損傷した機体――明らかに戦闘によるもの。自身も怪我をしている搭乗者の特隊生が、第三中隊の駐屯地が何者かに襲撃されたことを告げて気絶する。〝謎の敵〟の存在を知り、第四中隊に動揺が走る――
プロローグ:ナホトカの冬
①鬼子の章
・筑紫島の鬼――CKジャムの回収任務/ヘリ墜落/武活/カナエ・モリサンとの邂逅
・絡繰童子の砦――分屯地〈学校〉/特隊生の実態/中隊会議、二人を営倉へ
・天に赤き気あり――佐世保日米共同基地/アラン中尉との交渉/ホタルのあぜ道/東の空を包む真っ赤なオーロラ
・来訪者――とある海岸/捕らえた防衛官・米軍人と相対する白スーツの男と機械仕掛けの少女たち/日本の伝統的拷問、爪剥ぎ/絶叫を虫の声が覆い隠す
②襲来の章
・国破れて山河あり
・愛国者奨励法
・大陸の毒牙
・雷神不動
③因縁の章
・
・
・
・ダウンフォール作戦
④道標の章
エピローグ:日出ずる明日へ
◆検討事項
・戦後まもなくの日本人の生活
→映像作品や関連書籍をいくつか探してインプットするか
・自衛隊関連の知識
→災害救助活動や日常生活、食事、各隊員のライフスタイルなど参考にできるものはないか
→自衛官独自の符丁や指揮・命令時の言い回し/ジンクスや流行言葉なんかも使える?
・競馬ネタ
→例によって競馬関係の小ネタをさり気なく入れるか/特隊生に競馬のジョッキーや競馬学校生みたいなエピソードも加える(身長制限や体重管理など)
・九州の地理関係
→原発や各発電所、ライフラインなどの位置関係もある程度必要か
→電力をはじめとした資源不足や夜間灯火管制(節電)、配給食なんかの登場人物たちの生活描写に関ってきそう
・北朝鮮/韓国の情勢
→日本が瓦解したことでアジア情勢はどう変化する?
→今の国際情勢だと北朝鮮関係の話は外せない。まず読者が一番最初に疑問を抱く部分なので、朝鮮半島周りもフォローが必要。
・クランチ文体にするか、普通の文体にするか
◆その他メモ書き
○宗像三女神
・福岡県の宗像大社に奉られる三柱の神。スサノオの剣より産まれた田心姫神・湍津姫神・市杵島姫神の三女神。道主貴(みちぬしのかみ)とも呼ばれ、あらゆる「道」に通じる旅路の守り神。
・原作でモリサンの所有する日本刀は、大災害による国難に際し「これからこの国の進むべき〝道〟を示して欲しい」との願いを込めて、宗像大社に奉納されていたもの。モリサンはこのカタナを取りに日本へ戻ってきた。ミリオポリスで不穏な動きをみせるヨーコ・イマムラら〈待望の会〉を説得し「正しき道を説く」覚悟を決めるためであったが、その願い虚しく〈アンタレス事件〉での決起を止めることは叶わなかった。
○カタルーニャ独立問題
・2000年代、スペインはEUでもっと経済成長を遂げ欧州一のGDPを誇ったが、サブプライムローン崩壊の余波によるバブル経済が弾け現在はギリシャに次ぐ破産予備軍となってしまった。これにより経済的に豊かなカタルーニャ地方の負担が増し、独立運動に火がついた。
・大災害で崩壊した日本で、復興のための財政負担が被害の少なかった北海道・北陸地方に集中し、また地球温暖化による影響で北海道とロシアを結ぶ北極海航路が開けたことで、ロシアの後押しによる東日本独立運動が起こったことが、内戦からの東西分断へつながった。
○国際文化保全機構(ICP)
・21世紀に入り国連内に新たに設けられた専門機関。多発する自然災害や紛争による被害から世界各地の文化遺産を保護する「文化保全」政策を主導する。オーストリアの文化委託局や日本の災害復興局などを下部組織として統括している。
・災害復興局――西日本の沖縄本島に本部を置くICPの下部組織。大災害と内戦で荒廃した筑紫島及び秋津島(本州)の復興を名目に様々な施策を行う、現在の西日本において強い発言権を持つ組織。
○ダウンフォール作戦
・太平洋戦争時に連合国軍が計画していた日本本土上陸作戦。1945年11月1日(Xデー)に予定されていたオリンピック作戦(九州占領)と翌1946年3月1日に予定されていたコロネット作戦(関東占領)の二段階に分けて計画されるも、1945年8月15日の日本全面降伏(ポツダム宣言)により実施されないまま終戦を向かえた。
・第二次ダウンフォール作戦――大災害後にロシアと共に日本を分割統制するアメリカ軍が計画した本州再領土化作戦。筑紫島(旧九州)を前線基地とし、米軍を主体とした解放軍による四国・山陰地方の占領と、関東への進軍計画が米シンクタンクより立案されていた。この計画を利用し、在日米軍が筑紫島を占領し、アメリカ本土から独立した新国家樹立を目指すクーデターが一部勢力により計画されていた。
・ニュークディア作戦――第二次ダウンフォール作戦に呼応して、ヨーロッパ・アフリカ方面に展開していた米軍D52グループが密かに計画していたのがアフリカ内に軍事国家を建国するニュークディア作戦である。当初は第二次ダウンフォール作戦実施時に後ろ盾となる中国・北朝鮮政府から提供された核を利用して建国宣言を行う予定であったが、第二次ダウンフォール作戦自体が失敗に終ったため、代替プランとしてD52グループは〈サソリの巣〉に記録された〝失われた核〟を求めたことが〈アンタレス事件〉が起こる一因となった。
○イポーニャ
・ロシア語で日本のこと。西日本やアメリカ兵の間で使われる東日本を表わすスラング。蔑称に近い意味で使われることが多い。
崩國のニライカナイ 神城蒼馬 @sohma_k
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