その破壊者 世界を視て廻る者

@Rinka_F

第1話第一話 異世界転移(1)

『ソレ』が起きたのは、とある日のことである。

彼らは小人数で旅行をしており、今回は山に来ていた。



ふと気になるモノが、《》に映ったのと同時に


「なぁ~もう二時間以上歩いているけど、一向に着く気がしねーぞ」


そう愚痴っているのは確か、A組の多田哲也ただてつや

まあ~確かに少し、いや、かなりおかしい。この山はなんと三時間とちょっとで頂上に着く。

それなのに、四時間以上歩いているのに頂上に着か無いのは、確実におかしいのである。

ん、俺がだれだって?偶に遭難して、ひょっこり帰って来る八雲やくもれいだ。

ま、さっきから会話がないのは、当たり前だ。二時間も話をつづけられたら、すごいと思う。

三時間くらい前は、結構な人が話をしていたのだが、このありさまだ。


(さすがに疲れたよ)


と思っても仕方がない。そりゃ、誰だって、疲れるだろう。


「もうここで休もうよ。さすがに疲れたわ」


と言って、その場に座り込む井田いだ由里子ゆりこ

それに続き

「私も疲れた~」「僕も」「俺も」


と、いった感じで皆が座りながら、休んでいった。

なので、俺も少しばかし休むことにした。


―――五分後―――


あっ、特に会話とかはないよ。いや、だってさ。みんな、話すことすらできない程、疲れているからね。話す余裕はないよ。


さて、疲れも大体取れたし、何もすることがないから、ついさっき《眼》に映ったモノを確認しに行くか。


(にしても、この山はなんか違和感いわかんがあるな)

「お、おい。どこに行くんだよ」

「そうよ。どこに行くよ」


と言うのは、友人の阿部あべ佳博よしひろ岩瀬いわせ陽子ようこだ。


「いや、カメラみたいなのが、見えたからな。つい気になったんだ」

(本当は、違和感をさぐりに行くんだが)

「カメラ?なんでそんなモノが。つーか、見間違みまちがいなんじゃねーの」

「そうよ。と言うか、何のためにカメラなんて置くのよ」

「さあな。まあ、なかったらそんときはそんときだ。ま、あったらあったでな。確認した方がいいだろ」

「まあ、そうだけどさ」

「だろ」










「あ............

これ、カメラじゃない。レバーだ」

「「え............

レバー?」」



そう、そこにあったのは、まごう事こと無なきレバーであった。


「レバーって、あのレバー?」

「そうみたいだな。だが、ただのレバーじゃなさそうだ」

「・・・・・え?どういう事なの?」

「ただのレバーだったら、水晶みたいなやつが付いている意味が無いじゃん」

「レンズじゃ無くて、水晶だったね」


それに関しては《遠見》?したので仕方が無いと思う。


「まあ、それは置いておくとして、どうする、これ?」

「どうするって、どうすんのよ」

「案は3つ程ある。

まず1つ目は、放置する。放置安定。

次に2つ目は、折る。折れるかどうかは分からないけど、これは辞めて置いた方がいいと俺は思う。

最後の3つ目は、とりあえず動かす。何か良いことがあるかもしれない」

「1つ目のはいいとして。2つ目選ばせる気、無いでしょ」

「何で2つ目は辞めて置いた方がいいんだ?」

「そもそも、こんな山にレバーがあるのもおかしいし、折れるかどうかは分からないモノ壊すのはちょっと......ね」

「最後の何かって何よ」

「まあ、やってみたら分かると思う」

「じゃあ.........

やる?」

「よし、じゃあ八雲お前がやれ」



「............へ!?......え?...え?」

「おう、驚いてるのは分かったから落ち着け」

「.........え!、うん。

よし、落ち着いた。しかし、なぜ?」

「こういうのは、言い出しっぺがやるべき」

「あっはい」

「分かったのなら、やる」

「何が起きても俺のせいにするなよ」

「「はいはい、分かってるからどうぞ」」



「.........そい(ガシャ、ベキ、カラン)

...............あ、折れた」

「「え!?」」

すると、どうだろうか、レバーは動いたが経年劣化かどうかは分からないが折れたと同時に無視を決め込んでいた水晶?が転がり落ち、目を焼き尽くさんばかりの光が溢れ出た。


実際、かなり焦っています。いや、だってさ、これ絶対「目がぁー、目がぁー」ってなるやつでしょ。


なお、この間0.5秒。


ピカッ


「「目がぁー、目がぁー」」

「え!どうしたの二人共、大丈夫!?」




―――― 岩瀬陽子いわせようこ ――――




「えっと、二人共?」


「目が凄く痛いけど、大丈夫」

「.........」

「うん。なら良かった」

「.........」

「お~い、生きてるか~」

「.........」

「お~い、大丈夫か~?」

と、言って彼―――八雲玲やくもれい―――の肩を掴んで、軽く揺らすと

「......ん、あ、ああ。岩瀬か」

「何が岩瀬か、だ。いつまでたっても反応が無いから、心配したんだぞ」

「すまん、佳博よしひろと岩瀬いわせか。意識が飛んでた」

「意識が飛んでたって、大丈夫?」

「ああ、問題無い。心配してくれてありがとな」

面と向かって、感謝するのは流石に恥ずかしいのか、目をそらしながら「心配してくれてありがとな」と、言った。

「「どういたしまして」」




――――八雲やくもれい――――




「さて、目を痛めた事以外何事も無かったが、どうしようか」

「「私(俺)に聞くな!」」

「だよね~」


取り敢えず、二人を鑑定する事にした。


(鑑定)




―――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 阿部佳博 14歳 男

種族:人族

レベル:1


HP 150/150

MP 280/280


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキル

・魔力感知 Lv.1

・無属性魔法 Lv.1?


―――――――――――――――――――――――――――――――――




―――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 岩瀬陽子 14歳 女

種族:人族

レベル:1


HP 140/140

MP 280/280


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキル

・魔力感知 Lv.1

・無属性魔法 Lv.1?


―――――――――――――――――――――――――――――――――



二人のステータスはこんな感じだ。

つうか、マジであったんだな。


ああ、そう言えばどうしてファンタジーな能力を使えるのかを言って無かったな。

まあ、それを説明するには水晶みたいな物が光って目がやられた後まで戻る。




・・

・・・

・・・・

・・・・・




――――**世界――――


「(。´・ω・)ん?」


 ここは?


「ここは、一種の精神世界よ」


「誰?」

と言って、後ろ向いたら


美人さんが居た。


「私はシルフィード、風を司つかさどる精霊で、封印を解いてくれたお礼にここに呼んだのよ」

「封印?解いた覚えは無いですよ」


心当たりはあるが。


「その心当たりよ。私が言ってるのは」


え?


「今、声に出して無いですよ?」

「私程になると人の心を読むことが出来るのよ」


え?それって、プライバシーの侵害じゃないの?


「読むのはあくまでも、表層意識ぐらいで深層心理までは覗かないわ」

(まあ、貴方の心は、読みにくいのだけれどもね)


あ、やろうと思えば、やれるのね。


「やられたいの?」

「いえ、謹んでお断りします」




「貴方に言いたい事は色々有るけど一先ずは、ありがとう、を救ってくれてありがとう」


そういった彼女―――シルフィード―――の顔は、とても晴れやかだった。


「流石に面と向かって言われると恥ずかしいなって、私達?」

「そう、よ」

「シルフィードさんしか、居ませんけど」

「敬語は別に使わなくてもいいわよ。それと私以外は力だけで、私みたいに実体

ごと封印されていた訳わけじゃないのよ」

「分かった、んで他は?」

「あとの三人は私みたいに実体を封印されていたわけじゃないから、普通に神界で仕事をしてるから会えないのよ。

まあ、あとで会えると思うわよ」

「そうか、まあ、助かったならいいや」

「そう言ってもらえると助かるわ」




「なあ、シルフィード。」

「なあに」

「ここって地面あるだろうか?」

「無いと思うわよ。あ、そうそう忘れてた」

「何を?」

「取り敢えず、ステータスって心の中でも良いから言ってみて」

「?」


どっかのファンタジーでも無いのだからって、よくよく考えたらシルフィードの存在が十分にファンタジーだったが流石にステータスなんてないだろうに。


「まあまあ、言ってみるだけタダだから、ね」

「じゃあ、そこまで言うなら.........『ステータス』」





―――――――――――――――――――――――――――――――――

名前 八雲玲 14歳 男

種族:人族

レベル:1?


HP 140/140

MP 280/280


攻撃:15

防御:14

敏捷:20

抵抗:15

魔力:50

魔耐:135

属性:無・風


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

スキル

・魔力感知 Lv.3

・魔力自動回復 Lv.1

・鑑定   Lv.2

・無属性魔法 Lv.1

・風属性魔法 Lv.3

・アイテムボックス Lv.1


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

特殊エクストラスキルスキル

・精霊眼? Lv.1

・??? Lv.1

・風の精霊王シルフィードの加護

・風の精霊王シルフィードの祝福


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

称号

・記憶を失いし者 ・???


―――――――――――――――――――――――――――――――――



えっ、え?マジであったの?


「ええ、マジよ」


え~と何々、名前 八雲玲 14歳 男 種族:人族 レベル:1?って。名前と種族が人族なのは、良いけど


「レベルが何故に疑問形?」

「さあ、私に聞かれても分からないわ」

「まあ~、それの事は置いておいて。称号の【???】なんだこれ?」

「さあ?それは、私も分からないわ」


つか、【??? Lv.1】は不明だし、【精霊眼 Lv.1】は何?


「と言うかシルフィードって、精霊王だったんだ」

「(。´・ω・)ん?私って精霊王だったんだ」

「え。知らなかったの?」

「ええ」





その後、シルフィードに色々と聞いて、以下のことが分かった。




・鑑定

Lv.5にならないと使い物にならない。


・魔力感知

魔力を感知する能力が上がる。


・魔力自動回復

本来ならば休息をとって回復する魔力を自動で回復する。


・無属性魔法

その名の通り、無属性魔法が使える。


・風属性魔法

その名の通り、風属性魔法が使える。


・アイテムボックス

生きている生物ではなく(魚や微生物などを除く)、アイテム収納出来る。

レベル応じて内容物の時間が遅くなる。


・精霊眼

精霊がもつ眼。

大精霊クラスから発現する。

何故持っているのかは不明。


・風の精霊王シルフィードの加護

その名の通り、シルフィードが加護を与えた場合に着くスキル。

風の適正などが上がる。


・風の精霊王シルフィードの祝福

その名の通り、シルフィードが祝福を与えた場合に着くスキル。

風の適正などが上がる。


・魔力

生物ならばほとんどの場合誰でも持っているモノ。

無機物でもたまに持っている場合がある。




「と言う訳よ。分かった?」

「ああ、うん。大体の謎に関しては分かったよ。シルフィード、ありかとう」

「ふふ、どういたしまして」




・・

・・・

・・・・

・・・・・




そして、俺たちはしばらくの間、雑談やらなんやらを楽しんだ。


「さて、そろそろ時間ね」

「(。´・ω・)ん?何の時間?」

「そろそろ貴方が起きそうなのよ」

「え~と、どうなるの?」

「ここは夢の中と同じ様な場所なのよ」

「えっと、そろそろお別れ?」

「そうね」

「う~ん、随分とここに居たから大丈夫かな?」

「時間の流れが違うから大丈夫よ」

「そうか。ならいいや」




_____お___て__



___おき___




「さて、そろそろ時間よ」

「そうか。随分と世話になったよ、ありかとう」

「ふふ、ありがとね」

「・・・どういたしまして」



「あ!そうそう、言い忘れてたけど私も付いていくからね~」


「ん?」


と、シルフィードの唐突の発言を最後に俺は、気を失った。

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