まず、ストレス発散目的でネット小説を読んでいる人はこの作品には合わないだろう。そして、主人公を上にして優越感に浸るような作品を求めている人にもオススメしない。……この作品はそれらに対する一種のアンチテーゼである。
この作品は、いわゆる王道ネット小説ではなく、性質としては銀河英雄伝説等に似ている。つまり、作者が伝えたい思想・メッセージといったものがダイレクトにそしてわかりやすく主人公へと投影されているように感じられた。
なにかを手に入れるのではなく、何かを失う物語を求めており、なおかつ、ままならない悲しさを求めている人は是非読むべきである。
最後に、この作品を公開した作者と、プラットフォームを提供しているカクヨムに感謝を。
全体的に素晴らしい作品だと思う。
主人公の悪事さえも魅力に感じる不思議さがある。
強いていうなら、登場人物が多すぎることとサイドストーリーにした方がすっきりする話が多いかなと思うこと。あと、ラストの魔王と呼ばれたくだりが不完全燃焼を呼び起こしていると思う。
ある意味ガンダム以上に同時期に別の場所で物語が動いているので、まずメインストーリーとメインのサブストーリーのみを本編でやって、ヤンの話等は完全に別枠にしてもよかったんじゃないかと思う。そうすればもっと読みやすく一つ一つを物語としてたのしめたんじゃないかなと。どうしても本編の続きが気になってサイドストーリーは飛ばしぎみに読んでしまったので。
とまぁ、これだけかきたいことができてしまうくらい、面白かったということで、未読の方は是非読んでみるといいと思います。
まず最初に、私は賢くないのできっと拙いレビューになると思いますが思ったことを書きなぐります。
私はこの物語を読み生き方の何かを掴んだ気がしました。
主人公は奴隷という人間社会のカースト最下位に位置する場所にいましたが、あるきっかけで上を目指します。主人公は汚いこと、思わず顔をしかめてしまうようなこともたくさんします。彼の道は血と負の感情で溢れているにも関わらず、全てを背負ってただひたすら前を見て進んでいく主人公に強い憧れと畏怖を感じたのは私だけじゃないはず。
Web小説で面白いものは他にもあります。ですが人生の教科書になると思ったのは初めてでした。
まだまだ書き足りないのですがうっかりネタバレしそうなのでここでやめておきます。
魅力的なキャラクター。
重厚感溢れるストーリー。
抜群のセンスで綴られる戦闘シーン。
これらを丁寧に積み重ねた美しい小説です。
圧倒的な努力と緻密さ、そして情熱がなければこんなに素晴らしい小説を書くことはできません。
何人ものキャラクターを同時に動かし、会話の中でそれぞれの個性を引き出す。
適度な間隔で文章に散りばめられた伏線の数々。また、それを鮮やかに回収していく気持ち良さ。
敵の裏の裏の裏まで読み切る策略と一騎打ちの場面でなされるテンポのいい掛け合い。それだけでなくカッコよく決める場面においては、キャラクターの動きを詳細に書くことでその場面を容易に想像させる。
どれも一朝一夕で出来るようなものではありません。
カクヨムにいるのなら是非、一度は読んでみてほしい作品です。